~サビアンシンボルとは~
サビアンシンボルとは、おひつじ座1度~うお座30度までの360の度数ごとの運勢をシンボル化したものです☆

 

新月時刻 5月5日 7時45分頃
サビアンシンボル~牡牛座15度~マフラーと粋なシルクハットを身につけた男~


青空に白い雲がモクモクと浮かぶ。
空は爽快に晴れ渡り、草原の伸びた草はそよ風に吹かれて波を打ち、
その草をかき分けながら、二人の元気な男の子が走っていました。


「ドラゴンは見つかったか!?」
「いないぞ!ここにはもう気配がないぞ!」
「もしや、谷の山に逃げ込んだか!?」
「よし!ボクらも谷の山に行ってみよう!」


元気よく勇者ごっこをしているは、レッドとブルー。
二人は幼馴染の仲良しで、毎日のように勇者ごっこをしながら駆け回っていました。


「レッド。谷の山は危険がたくさん潜んでいるから、装備をキチンとして行こう。」
「そうだな!山の谷に向かいながら、武器を調達しよう!」


草原を駆け抜け、二人は町中を林の方に向かいました。
「レッド。落ちてる落ち葉拾っておこう!」
「え?落ち葉なんて武器になるの?」
「落ち葉吹雪きの術を使うんだ。目くらましになるよ。」
「ブルーはアッタマいいな!わかった。イッパイ拾おう!」


レッドとブルーは落ち葉を夢中になって拾いながら、道を進んで行きました。
すると「バタバタ」と音がしたので二人は顔を上げると、そこにはたくさんの白いレースの布が干してありました。
晴天に干された白いレース布は、太陽の光を反射して、より白く輝きはためいていました。


「わー凄い!」
「オレ、こんなマントが欲しいな~」
「オレも欲しい!きっとドラゴンの炎から身を守れるぞ!」
「ねぇ、これ借りれないかな?」
「こんなにたくさんあるんだもんね!ドラゴン退治が終わったら、返せばいいよね!」


二人はそれぞれ好きな模様のレースの布を選び取ると、マントのように羽織り、意気揚々と道を先に進んで行きました。
林の中は、木の枝がたくさん落ちていました。
「ブルー。この枝はどうかな?」
「ドラゴンのウロコがバッサリ斬れそうだね!ボクにも良さそうなの見つからないかな?」
「あそこにあるのはどう?」
「あれにしよう。」
「よし!武器の準備は出来たぞ!じゃーいよいよドラゴンと決闘だ!」


二人は林の中にある、大きな岩がゴロンと転がっている場所にやってきました。
二人の中では、ここがドラゴンの住処になってる谷の山。


「あ!ドラゴンがいたぞ!やっつけよう!」
「オレがドラゴンに落ち葉吹雪きの術をかけたら、レッドはドラゴンの目を狙ってくれ!」


二人は岩に向かって木の刀をバシバシ打ち付たり、キックをしたり、落ちてる小石を投げ付けたりして、夢中になってドラゴンと戦いました。
「レッド!そろそろ落ち葉吹雪きの術をかけるぞ!」
そう言うと、ブルーは岩に向かって両手で落ち葉を投げつけました。
「いまだ!えい!」
レッドは岩に向かって木の枝を投げつけました。


「やったなレッド!」
「あぁ大変な戦いだった!」
二人の勇敢な戦いは、こうして無事に勝利し終わりました。


「さぁて帰ろっか。」
そう言ってレッドが帰り道の方をクルッと向くと、背中を見たブルーが声をあげました。
「あ!マントが汚れてる!」
「え!?」レッドは慌ててマントを取り外してマントを見ました。
「あ、ホントだ!こんなに汚れちゃってるよ~」
ブルーもマントを外して見ると、やはりマントは汚れてしまってました。
「どうしよ~こんなに汚れちゃってる・・・ね!見つかる前に早く返そうよ!」
「そうだな!急いで返しに行こう!」


二人は白い布が干してあった家に走って向かいました。
家が見えてきた所で、二人は足を止めました。


「ね、なんか様子が変だよ?」
数人の大人が、家の周りで探し物をしていたのです。
「マントを隠そう!見つかったら怒られちゃう!」
二人は慌てて小さな木の茂みにマントを隠すと、何事もなかったかのように家の前に歩いて行きました。


「お、おばちゃんたち何してるの~?」
「あら坊やたち。干しておいた大切な布が風に飛ばされてしまったみたいでね、探していたのよ。」
「ふ~ん・・・さっきたくさん干してあるのを見たよ。他にもたくさんあるのに?」
「飛ばされてしまった布はね、亡くなった母が編んでくれたのもなのよ。だから大切な布なのよ。」
「!!」
「坊やたち、布が落ちていたら教えてね。」
「う、うん!わかった!」


そう言うと二人は走ってその場を去りました。
「ブルー、どうしよう!」
「あんなに汚しちゃったから・・・」
「これは二人の秘密にしておこうよ!」
「分かった!誰にも言わないでおこう!」


レッドとブルーは約束すると、別れて家に帰りました。
その日の夜、レッドとブルーは心がチクチクと痛んで、なかなか寝付けませんでした・・・


翌日。いつも通りレッドとブルーは落ち合って、草原にやってきました。
でも昨日とは様子が明らかに違います。いつもならばバタバタと走りまわる二人ですが、今日はしょぼくれた様子で座ってます。


「・・・ね~ブル~・・・やっぱ、オレ達、謝った方がいいのかな~?」
「おばちゃん・・・怒るかな~?」
「仕方ないよ・・・。勝手に借りて、ドラゴン退治に使っちゃったんだから・・・」
「うん・・・」
「よし!オレ達は勇者なんだから!勇者だったらちゃんと謝ろう!」
「レッド!そうだね。逃げたら勇者失格だよね!」


そう言って覚悟を決めると、二人は走り、小さな木の茂みから隠しておいたマントを取りだして、昨日のおばちゃんの家に行きました。


ーチリンチリン。

呼び鈴を鳴らす。

 

昨日のおばちゃんが「はーい」と言って出てきました。
「あら昨日の坊やたち。あら!?布を見つけてきてくれたの?」
「え?・・・」
「どこを探しても見つからなかったから、もう諦めてしまっていたのよ。本当に有難う坊やたち。」


そう言うとおばちゃんは二人から布を受け取りました。
「探すの大変だったでしょ?お礼にビスケットでも食べて行って。お茶も入れるわ。さぁお部屋に入ってちょうだい。」
「・・・。」
「・・・。」
おばちゃんにうながされたものの、二人は黙って動こうとしません。
「坊やたちどうしたの?遠慮はいらないわ。さぁ入ってちょうだい。」


レッドとブルーはうつむきながらチラッとお互いの顔を見てうなづきました。
「ごめんなさい!」「おばちゃんごめんなさい!」
二人は同時に謝りました。


「あら?どうしたの?」
「ボクたち、拾ったんじゃないの。」
「干してあったのを勝手にかりて、ドラゴン退治のマントに使って汚しちゃったんだ!」
「え?ドラゴン退治のマントに使ったの?」
「気づいたらこんなに汚れてて・・・」
「隠しちゃった・・・」
「ま~そうだったの。勝手に持って行った事は良くない事だけど、無事に返してくれて良かったわ。」
「ごめんなさい!」「ごめんなさい!」


二人は頭を下げて謝りました。
すると、おばちゃんはクスクスと笑い出しました。
二人はどうしておばちゃんが笑い出したのかが分からず、キョトンとしてしまいました。


「坊やたち、目の付けどころが凄いわ。数ある中から二人とも母のものを選ぶだなんて。干してあった布の中には、私が編んだものもあるし、たくさんの生徒さんのものもあったのよ。」
「?」
「坊やたちの目にも、母の編み物の素敵さがよく分かるのね。」
「?」
「さあ入って!ビスケットを食べましょう!」


三人は、日当たりの良い窓辺に座り、ビスケットを食べながらお茶をしました。
その時に、おばちゃんが小さな頃に火傷を負って、それでお母さんが手袋を編んでくれたことから、こんなに編み物が上手になったのよってお話を聞かせてくれました。


「おばちゃん、この布、洗うの?」
「ええ。洗うわ。洗ったらキレイになるから大丈夫よ。」
「ボクたち手伝うよ!」
「ボクたちが汚しちゃったんだから。」
「あらそう?ありがとう。じゃー洗うのを手伝ってちょうだいね。」


青空に白い雲がモクモクと浮かぶ。
空は爽快に晴れ渡り、庭の物干しには、太陽の光を反射して輝いてる、白いレースの布が2まい干されていました。


おしまい。


~解説~

この「マフラーと粋なシルクハットを身につけた男」のサビアンシンボルには、
やりたい事をやって、それで問題が起きたら、逃げずにキチンと責任を取る。などの意味があります。
なので今回はちょうど子どもの日の新月なので、わんぱく坊やに責任を取ってもらう物語を書く事にしました。


ちなみに最後の干された2枚の布ですが、これは嫌な事から逃げずに、勇気を出して謝りに行ったレッドとブルーへ、私から贈った勲章です。
鯉のぼりのイメージです。わんぱく坊やたち、エラかったぞ!


ところで気づいたら、この作品は10月25日の物語の続編になっていました。
10月25日の作品の主役だった若い女性は、この物語ではおばちゃんと呼ばれる年齢になったご様子です。
残念な事にお母様はお亡くなりになってしまったようですが、編み物の生徒さんが多くいらっしゃるようで、幸せに暮らせているようです☆"

 

 

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