~サビアンシンボルとは~
サビアンシンボルとは、おひつじ座1度~うお座30度までの360の度数ごとの運勢をシンボル化したものです☆

 

満月時刻 4月19日 20時12分頃
サビアンシンボル~天秤座30度~哲学者の頭にある三つの知識のこぶ~

 

「名奉行ー森乃岡越前」~後編~昨日の続きでやんす。

 


森乃岡は家臣に命じ、急きょおしらすを開く事にしました。
しらすに呼ばれたのは、訴え出た横綱タマゴ売りの玉助。罪人マツ坊。役人の片川。おかっぴきの金次。そしてなぜか門番も呼ばれました。


「南町奉行~森乃岡様~おな~り~!」
紗綾形柄のふすまが開くと、森乃岡がしらすに現れました。


「一同の者。面をあげよ。」
「はぁ!」
「本日は罪人が子どもとの事だったので、特例にて急きょしらすを開く事にした。訴え出たのは横綱タマゴ売りの玉助で相違ないな。」
「へい!お奉行さま。この小僧が大切な売り物である横綱タマゴを盗んだあげくに、落として割ってしまいまして。」
「なるほど。マツ坊とやら、それはまことであるか?」
「はい。それは本当です。」
「なぜそんな事をしたのか?」
「けさ・・・また母ちゃんが倒れて・・・それでオイラ心配してたら・・・その横綱タマゴで病気が治るって聞いて・・・」
「そうであったか。玉助。そう聞いておぬしはどう思う?」
「え?そっそれは・・・」
「では証人よ来れい。」


扉が開くと、そこには長屋の長さんに抱きかかえられた、マツ坊の母・おイトが控えていました。
「あ!母ちゃん!」
役人が新たにゴザを敷くと、長さんとおイトはそこに座りました。
「マツ坊の母・おイト。そなたは具合が悪いのか?」
「お奉行さま、この度は本当に松吉が申し訳ない事をしました。どうかご堪忍を。ゲホゲホ。ゴホゴホ。」
「お奉行さま!おイトさんは本当に今朝倒れちまったんです。それでマツ坊は心配して!つい出来心が働いたんだと思います!」


「お奉行さま!」
「どうした?玉助。」
「お奉行さま!あっしが早とちりしました!」
「それはどういう事か?」
「あっしは横綱タマゴを盗まれたー!と頭に血が昇っちまって。それで怒りにまかせて幼い子どもを番屋に突き出すなんて事をしてしまいました。
でも今こうしてマツ坊のお母さんを見たら・・・本当に具合が悪そうで・・・なんて人情のかけらもない事をしちまったんだと、後悔してやす・・・。」
「ほう。では玉助は、訴えを取り下げるのか?」
「へい!そうしておくんなさい!」


森乃岡は三度うなずくと、目をジロっと役人の片川に向けました。
「片川。」
「はい!」
「そなたはなぜ幼い子どもを、牢屋に入れたのだ?」
「はい。それは規則だからです。盗みを働いた者は、おしらすまで牢屋に入れておく事になってます。」
「その時、マツ坊の事情を聞かなかったのか?」
「病気の母が家に一人でいると申しておりました。」
「それなのに牢に入れたのか?」
「はい。規則ですから。」
それを聞いた森乃岡は、少し悲しそうな表情になりました。
「片川。よく考えてみなさい。幼い子が母を助けるために働いているのだ。生活も苦しかろう。
母が倒れたと聞いたら、我を失って間違いを犯してしまい事もあろう。」
「・・・。」
「まだ法を知らぬ幼い子どもが、母を想って出来心でやってしまった事だ。牢に入れるのではなく、もっと他のいさめ方があっただろう。」
「お奉行・・・」
「そなたは仕事には熱心だが、ちと頭が固すぎる所がある。もっと背後の事情をよく見て、物事を考えるようにしないといけないな。」
「はぁ!肝に銘じます!」


森乃岡は三度うなずくと、今度は目をジロっと門番に向けた。
「門番。」
「はい!」
「そなた、いくらなんでも、ああ大勢を一挙に奉行所の中に入れるとは、ちと職務怠慢じゃないか?」
「へぇ・・・子どもが牢に入れられたと聞いたもんで・・・そりゃ大変だと思って・・・」
「町の人の声に耳を傾ける事は良いことだ。けれども状況を正しく認識して、適切な対応を取らないと、余計に揉め事が起こるのだぞ。」
「はい。もうちょっと冷静に考えて、代表者だけを通すべきでした。」
「この次からは、そのようにな。」
「はいお奉行さま。」


森乃岡は三度うなずくと、今後は玉助の方を向きました。
「さて玉助。その横綱タマゴとやらは、本当に精が付くものなのか?」
「お奉行さま!そりゃー大事に育ててますから。横綱のタマゴは格別ですよ!」
「そうか。では奉行がその横綱タマゴを二つ買うとしよう。一つはおイトに見舞いとして渡してくれ。もう一つは、割れてしまったタマゴの代金だ。」
「お奉行さま!いいのですか?」
「同じ町に住む者どうし。困った時は助け合いたいと思っておる。」
「では、あっしからもタマゴを一つマツ坊に贈ります!マツ坊、タマゴを食べて、母ちゃんが元気になるまで一生懸命に働くんだぞ!」
「え?オイラにも?ありがとう玉助さん!」


マツ坊の横綱タマゴ騒動は、こうして無事に一件落着しました。
森乃岡の裁きを聞いた町の人たちは、両手を上げて喜びました。
「あ~さすが名奉行・森乃岡様。情が深い方だ~。」
「お奉行さまのおかげで、この町に住んでるのが自慢になるよ!」
「これでマツ坊も安心だな。よかったよかった。」


翌朝。貧乏長屋の一室から、今朝も男の子の大きな声が聞こえてきました。


「母ちゃん!オイラ行ってくるよ!」
「まぁなんだか何時もより元気だね。横綱タマゴのおかげかい?」
「うん!だからオイラいっぱいシジミを売ってみせるよ!」
「まぁマツ坊たら張り切っちゃって。気をつけて行ってくるんだよ」


めでたしめでたし。

 

 

 


~解説~


「哲学者の頭にある三つの知識のこぶ」のサビアンシンボルには、「頭脳の働きが偏りがないく良い」などの意味があります。
そこで今回は、感情的だと?知性的すぎだと?感覚的すぎたら?をテーマに、物語を書いてみました。
ちなみに、物語の土台は、そう!名奉行・大岡越前です。グフフ♪


感情的な人物の役は、横綱タマゴ売りの玉助です。すぐに熱くなってしまい、その為に全体が見えなくなってしまう人物です。
知性的すぎる人物は、役人の片川です。物事を規則だけで判断し、その為に人の心が分からない人物です。
感覚的な人は、門番です。その時の感覚で物事を進めちゃう人です。考えが浅いので、実はトラブルメーカーだったりします。
そして、哲学者の頭にある三つの知識のこぶを持つ人物は、名奉行・森乃岡にやって頂きました。
何気に私の名を組み込んじゃったのですが、これは著者の特権ってことで♪グフフ♪
知的で情に厚く、物事を的確に捉えて冷静に対処する役をやってもらいました!


皆さまも、ぜひ名奉行になったつもりで、お過ごしになってみて下さい。
きっと今まで以上に、大人びた考え方ができるようになると思うでやんす☆

 

 

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