新月時刻 11月8日 1時頃
サビアンシンボル・さそり座16度~いきなり笑いだす少女の顔~

 

あの子が好き。

 

春。あの子が越してきた。

 

最初はみんなの前で、ぎこちない笑顔を浮かべてた。

新しい学校に早く慣れようと、頑張ってるようだった。

 

誰の前でも笑顔で、
どんな話にも、一生懸命になって聞いていた。

 

ヒネクレ者の僕は、「今だけだよ。あんな良い子でいられるのは。」
そう思いながらあの子を横目で見てた。

 

不機嫌になったり、ブスーっとしたり。
慣れてきたら、クラスの女子たちみたいに、生意気な態度をとるようになるはずだ!

 

「あのね」「あのね」「あのね」「あのね」
クラスのお喋り女子たちが、あの子を取り囲む。

 

あの子は真っ赤になりながら、一生懸命に話を合わせてる。

 

秋。あの子は変わらずあの日のまんま。
女子たちの「あのね」攻撃に、まだ笑顔で応じてる。

 

慣れないのかな?気を使っているのかな?
みんなと仲良くやっているようだけど・・・。

 

僕もあの子から目を離せないままでいる。
あの子が不思議。どうしていつも優しいの?

 

ある日の帰り道。お爺さんに道を聞かれてるあの子にあった。
あの子は道が分からなかったらしく、お爺さんと一緒になって、田所さんちを探してた。

 

「田所さんちならこの道をまっすぐだよ。干し柿がいっぱい干してある家だよ。」

 

僕はそれだけ言って、走って逃げた。
なんでだか、ちょっと照れ臭かった。

 

次の日の帰り道。あの子から干し柿を渡された。
「お爺さんを田所さんちまで案内したら、田所さんがお礼にくれたの。」

 

田所さんちまで、一緒に行ってあげたんだ・・・。
・・・優しいな。

 

その日は二人で一緒に帰った。
僕は調子が狂い、どの家の干し柿がうまいかとか、ジッちゃんとするようなつまらない話をしてしまった。

 

でもあの子は、「え~そうなの~」「美味しそうだな~」と、僕の話に笑ってくれた。

 

・・・本当に優しい子なんだ。
クラスの女子たちが、あのね攻撃をしたくなる気持ちが分かった気がした。

 

優しい笑顔で「うんうん」って聞いてくれるから、安心して話ができる。
彼女といると、心地がいい。

 

紅葉した木の下を歩いた、帰り道。
僕の初恋が始まった。

 

 

~解説~
サビアンシンボル「いきなり笑いだす少女の顔」には、自然体という意味と、
色々な相手を自然に受け入れられる人柄のおかげで、多くの人から好意を持たれるなどの意味があります。
無理に良い人ぶってる訳ではないんですね。この少女は。本当に良い子なんです。
そんな少女をイメージして、物語を書いてみました。
色々な相手を自然に受け入れられる人柄か~。考えると出来ない事のように感じるかもしれませんが、
物語を読んでもらえると、やっぱ、そういう人に対しては、心を開きやすくなるって心理は伝わったかと思います。
まずはご自分から人を和ませて、円滑な関係を広げましょう。

 

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