まだ寝ぼけ状態のフトンの中、
リビングから、嫁さんと娘の口論がかすかに聞こえる。
「朝からmy家族は元気だなぁ」と思いながら、下へ降りると
泣き叫ぶ、愛娘。
女同士のケンカに口を挟むと面倒くさいので、取りあえずスルー。
すると、嫁さんが「梨花のこと、怒ってよ!」と、またっくもって迷惑なご依頼。
それを見た娘は「ママが意地悪なんだよ!」と、、こちらも説明なしの訴え。
朝青龍ばりのガブリ寄せで迫る二人の気迫は
自分を必然的に朝一のおしっこを我慢させてしまうほど。
半ギレで「朝からウルセぇーなぁー」と、二人に言うと
娘 「梨花、昨日から頭が痛いっていってるのに、ママがそんなの病気じゃない!って
言うんだよ!」
嫁 「そんなに痛いんなら、熱を計れっていってるの!」
面倒くせぇ~。
取りあえず体温計を出し、娘に 「計ってみれば?」と。
36度2分。 平熱。
娘は納得いかず、2度目のチャレンジ!
35度9分。 若干低め。
まさかの体温計の表示に、一瞬ひるんだ娘。
しかし、すぐに立ち直り、起死回生の雄たけび!
「この体温計壊れてるぅ!!」
と、さらに泣き喚く。
末恐ろしい娘。 そして、さすが俺とおなじB型。
さらにフロアに倒れこむように泣き崩れ、
一旦空を仰ぎ、再びうずくまる。
宝塚ばりの表現力に、一種の才能を垣間見る。
そんな状況の中、長男が起床。
二人の女の狭間で立ち尽くす俺の後姿を見て、一言。
「なんで、内股なの。ウケる!」
とりあえず、頭突き。
長男もまた被害者。
時計を見れば、すでに6時40分。
ここで怒っても更に時間を取られるだけなので
アメとムチの、アメを選択。
「今年もあと少しなんだから、頑張って学校にいこう!
本当に具合が悪かったら早退してくればいいじゃん」と
やさしく問いかけると、徐々に落ち着く娘。
あと一歩。 ここで一気にたたみ掛けける。
「もし頑張れたら、冬休み梨花の好きな所へ連れてってやるよ!」と。
ここで娘の泣き声が止み、ゆっくりと立ち上がり
汚れてるはずの無い膝を手で掃いながら、俺に放った一言。
「じゃぁ、フランス」
キャッキャ騒ぎながら、嫁さんに駆け寄る娘の肩を掴み
振り返させてからの
頭突き!
リアルな泣き声をあげる娘をあとに軽快に出勤。
車に乗り込み我家を振り返りなると、自然と笑みがこぼれる。
息子は受験、娘は思春期、嫁さんは主婦業真っ只中と皆大変だけど
「家族は健康で幸せであることが一番!」と、改めて感じたのは
家から100m先のコンビニのトイレの中でした。(危なかった~)