今夜は素敵なライブに行ってきました。
箏の顛末 Vol13
『源氏物語』の女君たち Ⅰ
「桐壺」
@ムジカーザ
FM静岡(現K-MIX)の先輩で
朗読の師匠でもある松浦このみさんと、
ハイパー箏奏者の八木美知依さんの
朗読&箏ライブシリーズの第13弾。
タイトルからお分かりと思いますが、
なんと今回は『源氏物語』を読み、
その世界を奏でるのです!
これは、国文卒の血が騒ぎます!!
しかし、あの物語を原文で読んで、
はたして舞台は成立するのか?
幕開きすぐに、
それは杞憂だったことが判明しました。
長い物語は要所要所を抜粋。
原文と、現代語訳で読み進みます。
順番は、原文→現代語訳のときもあれば、
現代語訳→原文のときも。
原文を聴いた後に現代語訳を聴く、
答え合わせのような面白さもあれば、
逆に、現代語訳で物語を知ったうえで
原文のリズムの心地よさを味わう楽しさも。
いや、しかし、このみさん、
原文をあんなに感情を込めて読めるなんて!
そして、八木さんの奏でる箏の音色の
なんと豊かなこと!
今回のステージは、
十七絃箏、二十一絃箏、通常の十三絃の箏の三面が並び
(箏の単位は「面」だそうです。今日知りました!)、
八木さんはその箏を自在に操りながら、
聴いたこともないような音色を紡ぎ出していきます。
さながら、魔法!
このみさんの読む「桐壺」の世界が大きく膨らみ、
気づけば1000年前にタイムスリップしていたのでした。
さて、今回のライブ、もうひとつ良かったのが、
専門家が解説をしてくれたこと。
監修を務めた陣野英則さん(早稲田大学文学学術院教授)が
細かい疑問を解き明かしてくれるのです。
これはよかった!
ともすると、置いてけぼりになりがちな古文の世界を、
しっかりここに留めてくださって、
ひじょうにありがたかった~。
と、今宵のコーフンのままに綴っておりますが、
普通の音楽ライブだけでなく、
こんなにマニアックだけれど面白いライブもありますよ、
というお話。
『源氏物語』は全部で54帖。
女君にスポットを当てるにしても、
これは長い長いシリーズになりますね。
このみさん、楽しみにしています!!
そして私はといえば・・・、
原文はムリそうですが、
現代語訳で全54帖、
読んでみようかなと思っています。