Mcintosh MI-200 真空管モノーラルパワーアンプ | 禁断のKRELL

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Mcintosh MI-200 真空管モノーラルパワーアンプ  アメリカ合衆国

 

 
 
 
レコードのカッティングマシーンとして使用された、歴史上最高峰の真空管アンプ
Mcintosh MI-200、年式は旧いが、直熱三極管なので驚くほど現代的で澄んだ音である。
饒舌な語り口でひじょうに濃厚なコクもある。音楽的な表現力が素晴らしく、
大変に感動的な音がする。最高峰アンプの高い格をそなえている。
MI-200の音を例えるなら、二十世紀、百年間の人類の営為を走馬灯を通して、

神の視点で見ている、そうした感覚に陥る深い感銘を受ける。
米国管球全盛時代の素晴らしさを実感させてくれる深い音。ひじょうに甘美な美音で
格調高くエレガント。管球200wは途方もない力で100畳を音で満たす能力がある。
圧倒的な底力があり、膨大なエネルギー量でオン・マイクの女性ボーカルは
一種壮絶な迫真力がある。MI-200のような巨大な古いアンプだと音が大雑把だったり、
鈍かったり、大味でデリカシーに欠け、まずもって巨大なトランスを
搭載した物は音が良くない。これだけアンプの規模が大きいと音が濁る。
しかし、このアンプには微塵もそういった所がなく、ボーカルは天使のような歌声がする。
Mcintosh は実力の高いブランドですが、マッキンファンの考える
最高峰はマッキンならMC-275やMC-240のモノ使用、またはMC-60ですが、
MI-200は余りにも隔絶した存在で音は図抜けている。これはマッキンの音ではなく
ウェスタンの設計陣がマッキンで作ったアンプであるかのようだ。
濃厚甘美でWEに近い音です。ALTECよりもWEに近く驚きである。
MI-200が異質なのは、ゴージャスで黄金の色味がする、マッキントーンがしないこと。
MC-275やMC-240のオリジナルとは天と地ほど差がある。

 

 

 

 

MC-275をお持ちで、このアンプを買った方が異口同音に 「 MC-275はもう聴けないね 」 と仰っている。

 

 

 


使用真空管: 12AX7 12AU7 6AV5-GA×2 6BX7-GT×2 8005×2 5U4GB×4 5Y3GT

増幅部+電源部 63.5kg

 

 

 

タイプ:
真空管パワーアンプ
実効電力:
200W
周波数応答:
20kHz で 20Hz (+0 -0.2dB)
スクリュー:
1%
出力インピーダンス:
4、8、16.5、25、66、100、
および 600 Ω

 

寸法 (高さ×幅×奥行き):
279×483(ラックマウント)×229mm
電源
178×483(ラックマウント)×229mm

 

 

 

 

 

これだけ巨大な米国製業務用アンプですので、性格としては
音が強いので鳴らし方としては、至近距離で聴く方には厳しいかも知れない、
ニアでかぶりつきで聴くよりも広い部屋で距離を取って聴かれる方がベターだと思う。

また色々と検証してみたところ、意外にも現代のスリムトールボーイスピーカーや
小型ブックシェルフスピーカーで鳴らしても他のアンプでは決して得られない
格別の味わいが得られましたし、強い感銘を受ける音が出ていて驚いた。
高価で巨大なアンプですから、大型スピーカーにしか合わないと思うのは早計でした。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




Mcintosh MI-200 のBIAS調整は TUBE1とTUBE2に切り替え8005を

BIAS調整していきます。細いマイナスドライバーを使って
フロントパネル側にある調整弁を回し、それぞれメーター100の位置に合わせる。

次にバイアスの切り替え式スイッチをセンター位置にして200の位置になるように上手く調整する。
それとルールを決めておく。通電開始後何分後に調整するとか。
一度合わせてもまたズレてくるので何度も行う。調整では真空管のプレートが
赤熱しないように注意。適正な調整でも真空管のプレートが赤熱する場合はリペアが必要と思う。
調整をしないと音が悪くなり出力管の寿命が短くなる。
MI-200 は真空管を1台で14本、2台で28本(!)使用と膨大な球の数を使っているが、
安定して常用できる。丈夫な球種ばかり選んで使っているので球が切れたりのトラブルは少ない。
整流管は6本も使用。ただし、整流管は寿命が短いので
NOS(新品)から2,000時間で強制的に交換した方がよいでしょう。まだ使用可能だが、
劣化するとボケた音になる 。2,000時間は短いと思われるかもしれませんが
十分長い時間音楽を聴ける。増幅部と電源部の二筐体に
分かれていますが、接続は9PINのDCケーブルを差し込むだけ。
なお、MI-200は1000V以上という高電圧がかかっているのと漏電があるので
動作中はトランスなど真空管がある側の本体には絶対に手を触れないようにしてください。

 

 

 

MI-200を過去30年で5セットほど販売したお店で聞いたところ、故障して修理はしたことがある。

トランスの故障は一度。悪いことにアウトプットの方のトランスが壊れたが修復できた。

二筐体で合計で約63kgもあり、レコードのカッティングマシーンに使用された

Mcintoshで一番高価なアンプであり、二番目の規模のアンプで、

モノがモノだけにサービスマンが自宅に伺って修理することもあるそうだ。

サービスエンジニアも一人でやっているところでは高齢化で65歳以上の方が多く、

このアンプは電源部/増幅部 30kg/33kg くらいだとおもうからセーフだが、

近年は40kg以上のアンプは一人で作業台に乗せられないということで断られる場合も出てきている。

 

Mcintosh MI-200 の相場は100~150万ほど。