日本相撲協会は25日、東京・両国国技館で大相撲九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の番付編成会議を開き、十両昇進力士6人を発表した。

念願の新十両の座を勝ち取ったのは、西幕下2枚目の若碇(わかいかり、19=伊勢ノ海、本名・斉藤成剛、京都市西京区出身)、同4枚目の安青錦(あおにしき、20=安治川、本名ヤブグシシン・ダニーロ、ウクライナ出身)、同5枚目の琴手計(ことてばかり)改め琴栄峰(ことえいほう、21=佐渡ケ嶽、本名・手計太希、千葉県柏市出身)の3人で、晴れて関取の座を初めてつかんだ。

また、東幕下筆頭の栃大海(24=春日野、本名・塚原隆明、埼玉県越谷市出身)は2場所ぶり、西幕下3枚目の千代丸(33=九重、本名・木下一樹、鹿児島県志布志市出身)は3場所ぶり、東幕下4枚目の生田目(22=二子山、本名・生田目竜也、栃木県さくら市出身)は2場所ぶりの再十両を決めた。

さきの秋場所で若碇は4勝3敗、安青錦は6勝1敗、琴手計改め琴栄峰は5勝2敗、栃大海は4勝3敗、千代丸は5勝2敗、生田目は4勝3敗の成績を収めた。

若碇は、元前頭大碇の甲山親方の長男。埼玉栄高で主将を務めた後、同校在学中の23年初場所で初土俵。その3場所後、三段目で全勝優勝し幕下入り。以後も5勝2敗、6勝1敗、5場所連続4勝3敗と序ノ口から負け越し知らずの10場所連続勝ち越しで関取の座をつかんだ。176センチ、117キロ。

安青錦は、さらにスピード昇進だ。19年世界ジュニア3位の経験と、ロシアのウクライナ侵攻により相撲を継続できる環境を求め22年4月に来日。関西大や報徳学園での練習を経て22年12月に研修生として安治川部屋入り。興行ビザの取得を待って23年秋場所で初土俵を踏んだ。番付に初めてしこ名が載った同年九州場所から2場所連続で全勝優勝。三段目も6勝1敗で1場所通過すると、初の幕下入りした今年5月の夏場所からも3場所連続6勝1敗。序ノ口から負け越し知らずの丸1年、6場所連続勝ち越し(38勝4敗)で新十両昇進を果たした。得意は右四つ、寄り。180センチ、125キロ。

琴手計改め琴栄峰は、兄が同部屋で幕内力士(秋場所は西前頭4枚目)の琴勝峰(25)。埼玉栄高の卒業を待たずに22年初場所で初土俵を踏むと翌場所の序ノ口、序二段と2場所連続で全勝優勝。その後も順調に番付を上げ、23年初場所で幕下入り後も負け越しは3場所にとどめ、今回のチャンスをものにした。得意は右四つ、寄り。184センチ、131キロ。