15日のフィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)の滑走順抽選が13日に行われ、ドーピング違反が判明し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)による出場可否が14日に裁定される渦中のカミラ・ワリエワ(15)=ROC=は26番に入った。2018年平昌大会6位の坂本花織(21)=シスメックス=は最終30番で演技することが決まった。

 ロシア・オリンピック委員会(ROC)の金メダル候補がそろった最終グループを、坂本が締める。

 「もう、やばーと思って。持ってんなーと思って。引き運、強すぎやろ!」

 自らに突っ込みを入れ、豪快に笑い飛ばした。

 朝の公式練習を終えて選手村行きのバスに乗った坂本に、河辺愛菜のコーチの浜田美栄さんから声がかかった。「花織ちゃん、最終滑走やで」。「えっ…」。その場で座り込んだ。

 ワリエワは26番に入った。昨季の世界選手権女王のアンナ・シェルバコワ(17)は29番、数種類の4回転ジャンプを駆使するアレクサンドラ・トルソワ(17)は28番滑走。雰囲気にのまれずに、自分のスケートを貫くことが鍵となる。

 優勝して五輪代表を決めた昨年12月の全日本選手権のフリーでは、最終滑走の重圧に負けずにノーミスをやり遂げた。「だいたい結果がいいので、そのイメージでいく。(一報に)最初は崩れ落ちたけど、すぐに立ち上がりました。立ち上がったというより、開き直った」。また豪快に笑った。

 直前の6分間練習終了から出番までは33分。「時間が長いので、中野(園子)先生と談笑して心を落ち着かせる」と集中プランを明かした。極度の緊張症の坂本に、試合の度に猛烈なゲキを飛ばしてくれるのが中野コーチだ。「緊張で吐きそう…」と漏らせば「大丈夫! 吐きません!」と一蹴してくれる存在は心強い。この日の2度の練習を、ほぼミスなく終えた。「割といい感じ。メインリンクの方が跳びやすい。氷が滑る」。持ち味のスピードとダイナミックな滑りで、メダル争いに割って入る。