ウエスタンムードでいこう! 1 | 黒いダイスが俺を呼ぶ

黒いダイスが俺を呼ぶ

さすらいのSUZUKI SC100乗り。主にスズキフロンテリヤエンジン系を乗り継ぐ。
日活アクション映画、昭和の特撮番組が好物でロケ地巡り。
大日本帝国陸海軍戦闘車両模型も好き。

明星昭和37年3月増刊 『オール小林旭』より

 

'62のヒットもいただきだ

 ♬別れといえば、昔より、この人の世の常なるを・・・・

「惜別の歌」が人気をよんでいますが 今度は、ウエスタンムードの一発なんです

『さすらい』など、いくつかの賞ももらった

 

ウエスタンは日本人好み

『ズンドコ節』や『ダンチョネ節』から『黒い傷痕のブルース』『北帰行』などの哀調へ・・・

アキラの唄は変わってきましたが、このつぎは、なにを?・・・というとき、

ドカーンとぶつけたのが『アキラとウエスタン』。

 早春のレコード界は、まずこれでいただき・・・と、

コロムビアでは、トラ歳にちなんで虎視タンタンというところです。

 もちろんLP盤。

『落日のシャイアン』『遥かなる山の呼び声』『ハイ・ヌーン』『ジャニー・ギター』

『テキサスの黄色いバラ』『誇り高き男』『駅馬車』『モリー・ダーリン』

ズラッと8曲ならんだところは、ウエスタン・ファンでなくとも、

ちょっと生ツバの出る思いですね。

 折もよし、映画界は西部劇ブーム。
完全なリバイバル映画『駅馬車』や『荒野の決闘』が、空前の大当たりをしていますから、

『アキラとウエスタン』も、断然、独走というわけです。

 それに、もともと、ウエスタンは日本人好みのメロディーなんです。

行けども行けども果てのない大平原。

その遥かな彼方、地平線を赤く染めて夕陽が沈もうとしているとき、西部の男は、

ひとり馬にのって、荒原の果てに消えてゆく・・・。

 時代劇の股旅ものにも通じる、いや、あれを、もう一段と大きなスケールで描いたのが

西部劇といえますから、日本人の感情に、きわめて心地よく流れこんでくるのです。

 そこにあるのは、男の意地と、義理と人情。

しかも、ちょっぴりセンチメンタルなムードで味つけしてあって・・・。

まさに赤城の山の忠治に拍手する気分と同じなんです。

 ですから、「ウエスタンでいこう」コロムビアから、話があったときは、

アキラも、「オレも、前から、やりたかったんです」すぐ、とびつきました。

 そして、結果は―。

「どの曲もすばらしいけれどもとりわけ『ジャニー・ギター』には

アキラらしい、いい味が出つくしたといってもよいでしょう」

コロムビアの坂田さんや馬渕ディレクターが、自信満々、こう推センしています。

 

名コンビの馬渕ディレクター、今夜もまたヒット曲が作られて・・・

 

 訳詞は『黒い傷痕のブルース』の作詞者・水島哲さん、

そして狛林正一さんの編曲というコンビですが、

2月10日の発売には、ぜひどうぞ、アキラのウエスタン・ムードを、

たっぷり味わってみてください。

「ぜったい、ガッカリさせませんから」 珍しく、アキラ自身も、こういって、

自信のほどをチラリと、ノゾかせているんですから・・・。