💚このお話は2014年の相葉くんのお誕生日に書いたものです

こちらを先に投稿してから、ヴァンパイア~導きの杜~を投稿していきたいと思っています

赤き瞳のヴァンパイアの番外編でして、潤の従兄弟ヴァンパイア雅紀登場です

そしてお屋敷には前作では登場がなかった、超ベテラン執事が登場です
今回ニノちゃんの登場はありませんが、導きの杜ではメインになります









色とりどりのイルミネーションがキラキラ輝く街、華やかなクリスマスの雰囲気が漂う中を大勢の人々が行き交う

そんな賑やかな通りを抜け古くからの住宅街の奥に入ると、古めかしい塀に囲まれた杜が見えてくる

杜は奥にあるものを隠しているんだ

こんな広い敷地でありながら、そこを通る人々は誰一人気にして見る者はいない

まるで見えない何かに守られているかのように、その存在を気にすることはないのだ

子供の頃は海外に住んでいた為、ここへ来る機会は少なくて、母に連れられたまに訪れることがあるくらいだった

だから、この雰囲気が怖いようなわくわくするような、妙な気分になったものだ

あれぇ、門が開いてる

この敷地内に入るため唯一の門、ひっそりと存在するそこから俺は車を進入させた

無表情な門番が態度だけは慌てて車の前に立とうとしたが、俺の顔を見てホッとしたようによけて一礼をした

門番に軽く右手を上げて車を数十メートルほど走らせると、その屋敷はようやくその姿を見せ始める
暗闇の中に佇む年代物の屋敷は不気味なほどに存在感がある

中学入学を期に日本へ戻ってきて、それからはここに来る機会も増えた
一番来ていたのは高校生の時か……今ではこの不気味な存在感も懐かしく思える



車から降りた俺は屋敷の大きなドアの前に立ち、何度も鳴らしてきたアンティークな梟のドアノッカーに手をかけた

コツコツと小気味良い音が響き、間もなくしてドアが開いた

出迎えてくれた執事は少し驚いた顔をしたが、いつものようにうやうやしくお辞儀をした

これはこれは雅紀様、お久しゅうございます

この屋敷の使用人たちはみな死人のように顔色が悪く無口だが、執事だけは無口という点では例外である

やあ大野さん、久しぶり!
相変わらず顔色悪いけと元気だよね?

ほっほっほ!雅紀様こそお口のほうも相変わらずお元気そうで何よりでございますなぁ

あひゃひゃ、こりゃやられたね!

俺は執事の大野さんと並んで歩きだした

ところで雅紀様、最近は一段とご活躍でございますなぁ。いつもテレビで拝見させて頂いておりますぞ

くふふ…そんなこと…あるかな♪
なんてね、あはは!
有りがたいことに最近忙しくなってきたよ

今後のご活躍も楽しみにしております
ところで…今夜は旦那様とお約束でございましたか?誠に失礼ながら、私は何も伺ってはおりませんでしたので…

あっ、いいのいいの、突然来たんだから!
アイツも知らないよ、俺が来るの

左様でございましたか…しかしながら、只今旦那様はコンビニエンスストアにお出かけになられておりまして…

あ、そう、やっぱり出掛けてるんだ。いつもなら「雅、何しに来たんだよぉ」って、嬉しそうに出てくるのにさ。あいつ本当俺のことが好きだよね、言ってること表情が全然違うし面白いやつだね、くふふ

ふふふ、雅紀様がお出でになられると、本当に嬉しそうなお顔をなさいますからね
旦那様はすぐにお戻りにはなられるはずでございますが…

うん、待ってるよ

ああ、いや、その~

何?どうしたの?何も気を使わないでよ、俺勝手に待ってるからさ

あの~実はリビングには、その~

ん、誰かいるの?あっ、伯父さんが来てるの?久しぶりだなぁ

あ、いや…大旦那様ではございませんで…

大野さんはリビングに向かって歩き出している俺にまとわりつくようについて来て、言いにくそうに何かを伝えようとしている
こんな大野さんは珍しい

じゃ、いったい誰がいるの?

あの~旦那様の職場の…ご友人様というか何というか…

友達!?アイツ家に連れてくるような友達ができたの!?マジかよ、人嫌いじゃなかったの!?

ああ…そ、その…

そっか~潤も社会に出るようになって、やっとまともな人付き合いっていうものを覚えたのか
そっか、大人になったねぇ~良かった良かった!

ああ、いや…

でもさ、よくこの屋敷に連れてきたね
大丈夫なの?ヴァンパイアってこと知ってるわけじゃないんでしょ?

それがその~ただのご友人というだけではございませんで…
雅紀様…誠に申し上げにくいことではございますが、旦那様がお戻りになるまで別室にてお待ちを…

えっ?…………あっ…ああ…はいはいはい!了解いたしました!
あ~そお~そういうことかぁ、くふふ

は…?

女だね?彼女でしょ?

えっ、いやいや、そうではございません…あ、いや、そうか…あ、違うか…

あ、いいよいいよ!分かってるって!
狙ってる女の子を招待したわけでしょ?
で、彼女を置いてコンビニに行き、一人にさせて緊張感を持たせる。こんなお屋敷に一人ぼっちにしてドキドキさせて…って作戦か~くふふ

あの、雅紀様…そうではございま…

わかったわかった!邪魔しないって!すぐに帰るよ…顔見てからね♪くふふ♡
アイツの好きな女子ってどんなかな?

雅紀様、違います!少々お待ちを…!

すでにリビングのドアの前に立っているのだ、今さら帰れますかって!

大丈夫だって!ま、俺のこと見たら彼女さんも心が揺れること間違いないけどさ。大丈夫、アイツの彼女を取ったりしないって!

な、何をおっしゃられて…ああ!

大野さんが驚いていたが、俺は構わずドアを勢いよく開けた


潤、早かったね……?
こんばんは!……?


そこには確かに可愛い…




可愛い男友達がいた

……って、あれ……?
あ…あの…?







潤が買い物に出て、しばらくしたら廊下のほうで微かな話し声が聞こえてきた…かと思ったら突然ドアが勢いよく開いた

買い物に行った潤が帰ってきたのだと思った

潤、早かったね
こんばんは!

見ると、驚いた(若干残念そうな表情も含む)顔をした青年が立っていた

って、あれ…?

あ…あの…(だ、誰…?)