つづきです。
カーテンの隙間から差し込む光が眩しくて、腹の上で丸まっていたタオルケットを頭の上まで引き上げた。
…ぅ、ん?
自分のものではない香りが
ほんのりと鼻をくすぐる。
相葉くん…の匂いだ。
自分の部屋とは違う 朝日の差し込む方向に、相葉くんの家に泊まったことを思い出した。
慌てて飛び起きる。
ベッドの上で、気持ち良さそうに 寝息を立てている君を見つけた。
「そっか…オレ、寝ちゃったんだ」
風呂に行った相葉くんを布団の上で待っていたところまでは覚えているが、その後の記憶が途絶えている。
どうやら、そのまま寝てしまったようだった。
キスをして…抱き合って
もしもずっと起きていたら、オレたちはどうなっていたのかな?
その先まで進んでいたんだろうか。
って、オレは何を考えてんだ/////
相葉くんの寝顔を見つめ、ひとり悶々としていた。
…昨日会った時。
身長も伸びていて、細いながらも筋肉質なのが見て取れた。
すごく大人びてた見えた相葉くんだけど、こうして 無防備に眠る姿は、やっぱり…昔と変わらない。可愛いじゃないよ。
ふふ。
なんだか嬉しくなって、相葉くんの隣に潜り込んだ。
「うゎ、狭いな」
数年前までは、二人で このベッドを使ったこともあったけど、さすがに高校生男子が二人で横になるには狭かった。
ぴったりとくっついて
その体温を感じる…
「ん…」
あ、起きちゃう?!
慌ててベッドから下りようとしたオレを、相葉くんの長い腕が抱き込む。
更に足を巻き付けられ、絡め取られた。
蜘蛛の巣に引っかかった蝶々みたい…
がっちりと固められ 身動き出来ず
ドキドキと早鐘を打つ胸が、痛いほど苦しい。
「…っ、相葉くん!!」
振り絞って発した声に
相葉くんがピクリと反応した。
薄っすらと開いた瞳に、オレが写っている。
「あ、ニノ…おはよ」
「おはよ…相葉くん。
あのさ、この手 離してくれる?」
「…やだ」
「え?」
まだ寝ぼけてるんだろうか?
くふふ と
甘い声が 耳元で笑い
解かれるどころか、更に力強く ギューっと抱きしめられた。
抱きしめる腕と同じ強さで、脚も…
オレの腰には、生理現象という名の硬いモノが当たっていた。
あ /////
ちょ…当たってるって。
ダメだよ、そんな押し付けられたら!
「…え、ニノ…/////」
「いや、違うよっ?! これは…/////」
ピクリ…ピク
さっきまで平常サイズだった オレの股間が、熱を持って膨れ上がる。
相葉くんの太ももに擦り付けるような形になってしまい、言い訳を探していた。
「コレは…ただの朝勃ちだから!!」
「でも、さっきまで こんなになって無かったよね?」
///// 起きてたの?
なんでそういう事言うかなぁ。
「……知らない」
「オレのは、ニノで…大っきくなってるよ?」
悪びれる様子もなく 言うから
オレも…
ちょっとだけ、素直になってみた。
「あの、オレも…かも」
熱が下半身に集まっている。
それは、他の誰でもない…相葉くんに抱きしめられてるから。
「じゃぁ、一緒だ」
「うん、一緒…」
かかる吐息が くすぐったい。
自然と唇が近づいた その時
軽快なノック音とともに
元気なおばさんの声が、家の中に響き渡った。
つづく
miu