『陰日向に咲く』 @有楽座 | 映画な日々。読書な日々。

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陰日向に咲く

ギャンブル好きが高じて借金まみれになったシンヤ。上司から援助を受けるも、パチンコで使い果たしてしまった。会社から見放され、取り立てに追われるシンヤは、オレオレ詐欺で金を稼ごうとする。しかし、電話に出た老婆がシンヤを自分の息子と思い込んで話し始め、二人の間に奇妙な交流が始まる。悲しく優しい老婆の声にシンヤはカネをせびるのも忘れ…。[上映時間:129分]


つまらなかったわけではないですが、残念ながら原作 の勝ちですね。原作の面白さをうまく映像化できていなかったように思います。またこのお話は群像劇で、それぞれの意外な繋がりを発見した時の驚きが結構うれしかったりする作品だったのですが、原作を読んでいないとその繋がりがちょっとわかりにくかったかもしれません。


ギャンブルの誘惑に負けてしまう、借金まみれのダメ男・シンヤ。オレオレ詐欺に手を出そうとするが、上手く行かず、騙すはずでかけた先の老婆と奇妙な交流を持ち始める。


35年前、東京浅草で売れない芸人・雷太に一目ぼれをした母。その母の思いを伝える為に、雷太を探す娘の寿子。


ホームレスのモーゼ。得意な話は「昔アメリカ兵を殴った話」。


モーゼに憧れてホームレス生活を始めるエリートサラリーマンのリョウタロウ。


売れない崖っぷちアイドルみゃーこをこよなく愛するアキバ系アイドルオタクのゆうすけ。


それぞれがどこかで交差する群像劇なのですが、人間関係やそれぞれの気持ちがうまく表現しきれていなかったように思います。


またそれぞれが交差すると描きましたが、ゆうすけとみゃーこの話は独立しています。この二人は他の人たちとの交わりはない(はず)です。でも映画ではこの二人の話が一番よかったかなー。原作と同じぐらい面白かったです。ゆうすけのみゃーこを応援する気持ち。バーチャルな世界とリアルな世界の交差。ゆうすけが必死で応援するその思いをみゃーこがきちんと気づいてくれているのが本当うれしかったし、最後の握手のシーンはよかったですね。


劇団ひとりに、「イメージは君じゃないんだよね」と言われた岡田君、思いっきりダメ男をちゃんと演じてました。社長が貸してくれた50万円の出所を知ってもなお、ギャンブルをやめられないところとかはもう最悪。寿子と一緒に雷太を探している場合じゃないですよ。


宮﨑あおいは娘の寿子と母親の鳴子の二役ですが、漫才をやってる鳴子がかわいかったです。そして最後の方で映されたお笑いに入る前の震えている姿にはぐっときました。


ただ、雷太⇒ジュピターさんへの思いが全然ちゃんと描かれていなかったから、繋がりがイマイチ微妙な感じがしてしまったんですよね。また、リョウタロウがホームレスになる過程の描き方も不十分。原作にあった、本当にホームレスとしての生活の一歩を踏み出すために必要なプライドを捨てるという描写がなかったのが残念でした。そのプライドを捨ててまでホームレスになろうとするところがポイントだったと思うんですけどね。


映画は悪くはないです。でもそれほど良くもなかったなーというのが正直なところ。原作、役者と素材がいいのに上手く生かしきれていなかったのがちょっと残念。


有楽座にて鑑賞


★★★