『アヒルと鴨のコインロッカー』@銀座テアトルシネマ | 映画な日々。読書な日々。

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アヒルと鴨のコインロッカー

仙台の大学に進学し、初めて一人暮らしを始めた椎名。ボブ・ディランの「風に吹かれて」を口ずさみながら引越の片付けをしていると、アパートの隣人・河崎から唐突に本屋襲撃に誘われる。やはり同じアパートに住むブータン人留学生が落ち込んでいるから「広辞苑」をプレゼントするのだと。困惑しながらもモデルガンを手に襲撃の手伝いをしてしまう椎名に、河崎はペットショップの店長・麗子には気をつけろと忠告する。[上映時間:110分]


この映画の原作、伊坂幸太郎の「アヒルと鴨のコインロッカー」は私が初めて読んだ伊坂さん作品でした。ということは、私が伊坂幸太郎という作家を知って、ファンになって約4年。そろそろ直木賞かなー。

そんな作品だけにこの原作の映画化はちょっと感慨深い。そして「陽気なギャングは地球を回す 」ではあんなおもしろい原作がどうしてこうなってしまうの?という出来にかなり不満でしたが、この作品は伊坂幸太郎の世界を見事に映像化してくれていました。原作ファンにはかなり満足な出来ではないでしょうか?


原作を読んだ時、張り巡らされた伏線が最後に全て繋がって、あー、そういうことだったのか!と思い、それをわかった上でもう一度読み返したいな、と思った作品でした。とはいえ、その後読み返してはいなかったので、今回、思い出しながら映画を鑑賞しました。


「誰かが来るのを待ってたんだ。一緒に本屋を襲わないか。」

「裏口から悲劇は起きるんだ。」

「君は、彼らの物語に飛び入り参加している。」


原作を読んでいたからストーリーはだいたいわかっていたし、伏線が張られていることももちろん知っていたし、何より河崎が本当は何者なのかを知った上で観たにもかかわらず、上手い!と思いました。


前半は不思議さとユーモアさを合わせ持った雰囲気、そして瑛太演じる河崎の少し怪しくてミステリアスな感じに引き込まれます。そんなミステリアスな雰囲気の河崎にちょっと引き気味の椎名、しかし椎名は河崎と本屋を襲った時から、「彼らの物語」に飛び入り参加することになります。


広辞苑を盗むつもりだったのに、広辞林を盗んできた河崎。


何も知らないとこれはギャグか?と思うかもしれませんが、実はこの間違いは大きな意味を持っています。そして椎名が河崎の行動に疑問を持ち始めてから、少しずつ「彼ら」に起きた過去の出来事、真相が明らかになり、シリアスな雰囲気になっていきます。


真相が明らかになってからのドルジの心境を思うと切なくなったし、それを知った上で椎名との最初の出会いのシーンを観るとなんとも言えない気持ちになりました。ただ原作にあった、ドルジの正義感溢れる行動のシーンが映画では描かれていなかったので、ドルジの正義感があまり強調されていなかったのがちょっと残念でしたね。映画では琴美の正義感だけが強調されていたように思います。ドルジが正義感があるが故に行った行動が描かれていたら、ドルジのしたことにもっと共感できたのではないかな、と思うのですがどうでしょう。


河崎や麗子のミステリアスな雰囲気は瑛太も大塚寧々もかなり上手かったです。麗子については、もうちょっと話を盛り込んで欲しかったという気持ちもありますが。そして濱田岳も、何も知らずに彼らの物語に飛び入り参加してしまった椎名のおどおどした感じをうまく演じていたと思います。また出番は少ないですが、重要な役割を果たす松田龍平はかなり存在感があってよかったですね。琴美を助けるシーンはちょっと格好よかった。


琴美の真似をして、神様を閉じ込める椎名、それを見つめるドルジのせつなそうな目。確かこれ、原作ではドルジが閉じ込めてたような気がしたんですが違ったかな?


ちょっと不思議な感じの作品ですが、実はとても切なくて悲しいお話でもあります。

この映画を観て面白いと思った方には、是非この原作だけでなく伊坂幸太郎のいろんな本を読んで、伊坂さんの独特な世界を味わってもらいたいな、と思います。


観終わった後もしばらく余韻に浸ってました。そしてボブディランの「風に吹かれて」がしばらく頭の中から離れませんでした。


銀座テアトルシネマにてレイトショー鑑賞


★★★★☆

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