『硫黄島からの手紙』 ワールドプレミア試写会鑑賞 | 映画な日々。読書な日々。

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硫黄島

太平洋戦争最大の激戦地、硫黄島。緻密な防御戦術で米軍を恐怖に陥れた栗林忠道中将は、家族へ愛情あふれる手紙を送り続けた。硫黄島。米国にとっては日本本土空襲の拠点。日本にとっての本土防衛の拠点。陸上戦力、日本軍約2万人に対して、米軍は支援部隊含め約16万人。「この上陸作戦は5日間で簡単にかたがつく」と考えていた米国の予想をはるかに超える36日間という長きにわたった戦闘。その戦闘を指揮し、「アメリカを最も苦しめ、それ故にアメリカから最も尊敬された男」、硫黄島総指揮官・栗林忠道中将。硫黄島決戦において日本軍の指揮を執った栗林忠道と兵士たちの戦いを描く。 [上映時間:141分]


行ってきました、「硫黄島からの手紙」ワールドプレミア@日本武道館!武道館での試写会に行ったのはすごく久しぶり。武道館の試写の時はいつも会社を休み早くから並んでアリーナ席をゲットしていたのですが、今回は会社が終わってから座席指定券に交換したので2階席の後ろの方のチケットしかもらえませんでした。まぁ仕方ない。


舞台挨拶は、クリント・イーストウッド監督・渡辺謙・二宮和也・伊原剛志・加瀬亮・プロデューサーのロバート・ローレンツ・脚本のアイリス・ヤマシタ。中村獅童は離婚問題で今回の舞台挨拶は辞退されたとのこと。

席が本当後ろの方だったので、すごく小さくしか見えなかったのが残念ですが、雰囲気は味わえたのでよしとします。


ちなみに今回の試写会はゲストも豪華でした。蛯原友里、押切もえ、山田優、坂口憲二、永井大、袴田吉彦、櫻井翔、NEWSの小山君、久保田利伸、瀬戸朝香etc・・・

他にもいたかも。レッドカーペットのチケットは持っていなかったのでエビちゃんとかはかなり遠目で眺め、櫻井君とか後の方に来た人たちは武道館の中のスクリーンで拝見しました。


「硫黄島からの手紙」はクリント・イーストウッドが手がける硫黄島二部作の二作目、日本から描いた硫黄島の戦いです。

この映画、思っていたのとは少し違いました。硫黄島の戦いは5日で落ちると思っていた米軍の予想をはるかに超えて日本軍は36日間も守り抜いたという予備知識+父親たちの星条旗 を観て、日本軍は硫黄島で米軍を苦しめていたんだという認識で観たので、硫黄島にいた日本軍の兵士達は一致団結してすごい作戦の元戦った姿が描かれているのだと思っていたんです。

でも違いました。鑑賞後は正直この映画をどう評価していいかわかりませんでした。でも時間が経つにつれ、心に響いてくるものがあるような気がします。


二宮君が舞台挨拶の時に、この映画は「事実」を描いていますと言っていました。きっとそうなんだと思います。観ていて辛いシーンも沢山あるし、なんで?と疑問に思うシーンもある。でもそういうものも含めてすべて「事実」なんだと思います。


映画の冒頭は現代の硫黄島。戦時中に書かれた数百通もの手紙が掘り起こされるシーンから始まります。61年の時を経て、彼らの思いが届けられます。


この映画の主演は渡辺謙になっていますが、本当の主役は二宮君演じる西郷だったように思います。そして現代人に近い感覚を持つ西郷に感情移入できる人はきっと多いはず。

戦争自体に疑問を持ち、穴を掘りながらも「こんな島、さっさとアメ公にやっちまえ」と平気で言ってしまうような兵士、西郷。彼はどうせ俺達はここで死ぬんだろ、という投げやりな気持ちを持ちながらも、本土に残してきた妻と、まだ顔もみたことのない子供の元へ帰りたいと願う一心で生きることに執着します。


擂鉢山を米軍に占拠されてしまった時、そこを守っていた兵士達は手榴弾で自決します。次々と自決していく兵士達を呆然と見る西郷、そして自分はこんな死に方をしたくないとそこから逃げます。

自決するぐらいなら戦った方がいいのに、と思うのは現代の私達の考えで、あの当時は自決すること、戦争で死ぬということが軍人としてあるべき姿だと考えられていたんですよね。


アメリカを最も苦しめ、そして尊敬された男として語り継がれている栗林中将は、この映画を観る限り本当にすばらしい人間であり、すばらしい指揮官だったと思います。アメリカに留学経験のある栗林中将は、今までの場当たり的な作戦を変更し、地下要塞を作らせ洞窟の中に隠れて米軍を迎え打つ作戦に出ます。米軍が沖に上陸してもすぐには攻撃をしかけず、ぎりぎりまでひきつけてから発砲の指示を出します。

そして家族を大切に思うように、部下である兵士達のことも大切に扱う栗林中将。理不尽な体罰を戒め、最後の最後まで生き延びて、一日も長くこの島を守り抜けと命じます。


またロス五輪で金メダルをとったバロン西こと西中佐もすばらしい人でした。西中佐は負傷したアメリカ兵の手当てをし、その兵士が持っていた母親からの手紙を読みます。そしてその手紙の内容を知った元憲兵隊の清水はアメリカ兵も自分達と同じ人間なんだ、ということに気づかされるのです。


ただ、36日間も守り抜いたという事実のわりに、この映画を観ると結構あっさりと負けてしまったような感じがしました。すごい戦略を練って一致団結して戦っていたのかと思いきや、伊藤中尉のように栗林中将に反発する兵士達も結構いて、せっかくの栗林中将の戦略もきちんとみんなに浸透していなかったりと、思っていたほど日本軍のまとまりがなかったように思いました。また、実際はもっと沢山いただろう日本兵も、スクリーン上に映っていたのは結構少なくて、それ故に”米軍を苦しめた”という感じはあまりしませんでした。


父親たちの星条旗に比べて戦闘、銃撃戦のシーンが多く、また日本兵が自決するシーンも度々出てきて、目を背けたくなるシーンが沢山あります。そして基本的に穴倉の中のシーンが多いので、全体的に暗く重い感じです。


食料も水も底をつき、何日も飲まず食わずで戦い続けた兵士達。そして兵士達は次々に死んでいきます。清水やバロン西、そして栗林中将の最期のシーンは本当に切なかったです。


全然戦力にならず、生に執着していた西郷が一度だけ見せた闘志には心を打たれました。西郷のその闘志は、栗林中将の人としてのすばらしさ、そして無駄に命を奪う戦争のむなしさを表していたように思います。

また西郷が最期に見せた微笑が印象的でした。あの微笑が意味するもの、それは観た人それぞれで感じ方が違うのではないかと思います。


クリント・イーストウッドが描きたかったという、どちらかが正義でどちらかが悪というのではなく、勝ち負けでもない戦争の姿。61年の時を経てこの島で起こったこと、そして日米双方に正義も悪もあったという事実が描かれています。


この映画、すばらしかったと言っている方が多く、実際に役者さんたちの演技は皆すばらしかったと思います。でも私は単純にこの映画がすばらしかった、とは言い難いです。けれども61年前に実際にあった「事実」を知るという意味で、多くの人が観るべき映画のような気がします。また、そんなに多くはありませんが「父親たちの星条旗」にあったシーンも出てくるので、父親達の星条旗を観た後に硫黄島からの手紙を観ることをお勧めします。


ワールドプレミア試写会(@日本武道館)にて鑑賞


★★★☆
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