翔馬


昨日の続きです。


我が家にホームステイしたのは、3年生の勇人君と

6年生の良太君です。


二人とも、家で厳しくしつけられている様で、挨拶、後片付けや

整理整頓が完璧で、全く手がかからない子達だった。


二人に、ポジションと打順を聞きました。


勇人君は、ジュニアチームのサードで2番とすぐに答えが返って

きました。


しかし、良太君はなにやら歯切れが悪く



「ライトで8番かな・・・、」

みたいな元気のない答えでした。


翌日の試合でその意味がわかりました。

良太君はスタメンから外れていたのです。


6年生では唯一のベンチスタートで、5年生が二人スタメンに

入っていました。

その5年生は6年生と比較して、全く引けをとらない出来上が

った選手でした。来年のチームのバッテリーなのだそうです。


良太君はあの二人にポジションを奪われてしまったのでしょう。



私は、何て無神経な質問をしてしまったのだろう!


自分のデリカシーの無さに腹が立ってきました。


一方、勇人君は素晴らしいセンスの持ち主で、上級生に引けをとら

ない活躍をしていました。



当然私は、ター君の状況に二人を重ねてしまいました。

勇人君はこれからチームの主力となって、色々な試合で活躍する

ことだろう。

一方、良太君はこれから脚光を浴びる確立は低い。


それから私は、良太君を追いかけて、写真を撮りまくりました。



上の写真は良太君の構えです。

あの構えから、最短距離でバットを出していました。

はっきりいって、誉められた構えではありません。

ホームランは絶対出ないと思います。


私は、良太君がこの構えになるまでのことを自分なりに想像して

しまい、涙が出てきてしまいました。


私の想像は当たっていないかも知れませんし、彼に対して大変

失礼なことだと思い、反省しています。



懇親会の後、色々なところへ連れて行ってあげました。

その途中で、良太君は帽子をどこかに忘れたことに気づきました。


「判った、今まで居たところに誰かいると思うから必ずみつかるよ」


と私は言って、関係者の携帯に電話をしました。

その間良太君は、ずっと、何度も



「おっちゃん。ほんと、わるいなぁ~」



とずっと言っていした。本当に気のやさしい子なのです。

帽子は翌日無事に良太君の元に返りました。



交流戦も無事終了して、彼らはチームとともに帰路につきました。

その夜、泊めた二人から、無事帰宅したという電話がかかって

きました。


私は、良太君に恐る恐る言いました。



「良太、中学でも野球でも野球やれよ!」


すると、



「うんやる!野球部に入るから」



という元気の良いこたえがすぐに返ってきました。


私はすごく嬉しくで、勇気付けられました。

正直、ター君に良太君の様になってもらいたくないという

気持ちでした。


しかし、仮に6年でレギュラーになれなくとも、良太君の様に

夢を諦めないで欲しいと思いました。



何があっても続けることが本当に勇気なのです。



週末、逞しくなった皆に会えるのを楽しみにしています。