薩摩琵琶・後藤幸浩の-琵琶爺、音楽流浪 -2ページ目

薩摩琵琶・後藤幸浩の-琵琶爺、音楽流浪

薩摩琵琶演奏家、後藤幸浩のブログ。演奏情報、演奏後期他、音楽ライター・大学非常勤講師等の経験から音楽関連の記事を中心に。詳しいプロフィールご参照ください。

しまいましたが、いかがお過ごしでしょうか。

最近は取材などで結構、演奏の機会は多かったのですが、お馴染み国立の音楽バー、ノートランクスで久々の弾き語りライヴです。

3月19日 (土) 17:00開場、18:00開演、ミュージシャンへの1000円以上のカンパ+1000円以上のオーダーです。マンボウ期で人数制限がありますので、ご面倒ですが、ノートランクスのサイト↑よりよろしくお願い申し上げます。

演奏予定曲は……

アニメイション「平家物語」でも使った節付けによる「祇園精舎~波の下にも (壇之浦)」、平安時代の新歌謡=今様を集めた「梁塵秘抄」より数曲、九州の琵琶法師に伝わっていた滑稽な語り物「酒餅合戦」、琵琶にも興味を持っていた明治時代の詩人=北村透谷の詩、その他谺雄二の詩、オリジナル曲など、琵琶の多彩な魅力をお届けします。

ノートランクスは除菌系清浄機他が数台あり、感染対策も万全です。

こういう時期ですが、何とぞ、よろしくお願い申し上げます!





また間が空いてしまった…。

オミクロンとかいう変態株が出てきているが、長期に渡る "自粛" はとりあえず解消され演奏関連の事案も、普通に近いかたちで戻りつつある状態が続いている (なんか、現在進行形英語の下手くそな訳みたいですまんのぅ) 。

アジア・フェスタあたりまで投稿したんだっけか。その後は和光大学の後期授業 "日本の芸能2" が12月からやっと対面授業に。盲僧琵琶関連の回では解説と 「琵琶の釈」「酒餅合戦」の演奏。後は例年の対面授業どおり、平家物語関連で「木曽最期」を、江戸~維新後の薩摩琵琶の題材の変遷・流行、北村透谷・谺雄二氏の詩への節付けなど。






年に一度の学習院大の授業でお世話になっている准教授の先生が、他の大学でやっておられる授業のゲストにも呼んでいただいて。初心者向けヴァージョンの演奏+講義をやってきた。

授業とはいえ、ライヴ+解説形式になるのは自分の場合変えられないので、和光でのレギュラー、今回のゲストで、ほんとう久々にそれが実現した感じ。じつにありがたいことである。



あと、10月開催予定だった銀座・三笠会館での延期分演奏が12月18日に。上品なお客様ばかり、自分でいいのかのぅ、という感じ (「酒餅合戦」は浮いたが、平家物語関連はOKであった )。

弟子さんが企画された「Art Storm 2021」は先週土・日曜日に無事終了。まず、企画された川島天晴さん、お疲れさまでした、ありがとうございました!

基本、ソロの弾き語りだったが、ストリッパーの牧瀬茜さんとは「祇園精舎~波の下にも (壇ノ浦)」でご一緒できた。ソロ・パフォーマンスも楽屋の影から拝見したが、じつに繊細かつエンタメ性にもあふれており感心。またご一緒したいものである。




駆け足でここ2週間ほどを振りかえってみた。あとは稽古と自宅学習の学生さんへの動画作り。新しいライヴ企画も考えたので、準備しよう、という段階。

…………

山田尚子・監督、牛尾憲輔・音楽、悠木碧・主演声優、の『平家物語』は2021年1月12日 (水) 深夜、12:55よりフジテレビ「+Urtra 」で放送開始。もちろん琵琶もよく登場しますが、各キャラクターの心理、気持ちの動き、画そのもの…とにかく丁寧・繊細に描かれていますので、そこを観ていただけると好いかと。全体の音楽も斬新です。よろしくお願い申し上げます!




湯浅政明・監督、大友良英・音楽、アヴちゃん、森山未來・主演声優『犬王』は来年初夏の連休頃劇場公開予定です。







◯「アジア・フェスタ」

相当長い間、ブログ、ほうっておいてしまった…。変異株がやってきたことで、まだまだ予断を許さないようだが、とりあえずもろもろ解禁になるのは、自分のような演奏家にはありがたい。

11月中旬の1週間近く、和光大学の非常勤講師有志連が中心になっての「アジア・フェスタ」が、今年はzoom配信で行われた (昨年は中止) 。自分も11/17 (水) の19:00~、キャンパス内の池のほとりから、演奏、楽器解説などで参加。

琵琶のアジア・仏教との関連、エンタテインメント性、物語性…が伝わるような、いつもの入門的なプログラムを用意した。ただ、久々の長丁場、しかも野外で尺感覚が鈍っており、何故か巻きで進めてしまう。早く終わりたいのかー、みたいな感じになってしまったのは失敗であった。

用意していた以外に4曲ほど追加。琵琶の弦は絹糸なので、夜の野外だと夜露などの影響でずるずると調弦が下がっていく。そこと闘いつつ演奏するのも、マゾ的に (笑) 楽しいかも?

中心になって企画を進められた岡本有子先生、撮影をしていただいた、ドキュメント他、さまざまな映像作品を手掛けられてる鈴木敏明監督、大変お世話になりました、ありがとうございました!




◯対面授業再開

この和光大学で後期だけ持っている「日本の芸能2」、12月の回からやっと対面授業再開となった。

楽器や声を使う授業はやはりその場の空気感が大事なので、対面でないと魅力は半減する。しかし "空気" と打ち込むと予測変換で即、 ""感染" と出てくるご時世だし、"濃密な演奏・語り" などど言うと、字面から受ける印象どおり "密" のマックスなので、なかなか対面授業に戻ることが出来ないのだ (許可基準では、この授業はレヴェル1、ほぼ安全な日常でないとNG )。

今回は声関連の補足から。まず、学生さんに新聞記事から適当な部分を選んでもらい、そこに即興的に節付けをするという、対面授業時、恒例だったパフォーマンスを。動画配信型授業だと、はじめから仕込んでんだろー、と思われたりもするので、これは対面でないと意味がない。

日本の芸能以外で、節廻しが大きな要素を持っている音楽を4曲ほどに絞って。ギリシャ歌謡のハレス・アレクシーウ、レバノン最高の歌手=フェイルーズ、アルジェリア出身でフランスに移住して活躍したマズーニ、フラメンコのラ・二ーニャ・デ・ロス・ペイネスを聞いてもらう。言語が違うと気付きにくいが、声色、節の持って行き方や伴奏の、その土地特有の弦楽器との濃 "密" な関係は共通している。琵琶の弾き語りも、この延長線上にあると思う。





あと、配信ではかけられなかったジミ・ヘンドリクスの『バンド・オブ・ジプシーズ』より「マシーン・ガン」を。こちらも対面授業時、必ずかけていた音。ワン・コード的な、ドローンを活かしたリフ・ナンバーで、ヘンドリクス独特のテクニックとアンプの調整、イフェクターの効果で、エレクトリック・サワリ(サワリ=盲僧~近代琵琶に特徴的な、ミヨーンと鳴る楽器の特性) とでも言えそうな、音色の劇的な変化を聞くことが出きる。基本は弾き語り+リズム・セクション、この曲はヴィエトナム戦争にかんしての内容でもあるので、ヘンドリクスの "戦記もの"  (笑)とも言えるかもしれない。



後は、楽譜の読み方の再確認。五線譜のように速さなどリズムの指定はしないので、そこが、耳で聞いて、自分のグルーヴを開発してね、というキモでもある。




最後は、最近、アニメイションの琵琶を担当してから節、構成を変えた「祇園精舎~波の下にも (壇の浦)」を演奏。今回は授業全体を長めにやってしまったため、ラスト近くで授業終了のチャイムが。祇園精舎の鐘の声、の部分でチャイムが鳴らず好かったです(ノД`)。

〇今後

アニメイション関連他のトピックや、12月のライヴ他は、また改めて投稿します!