自分のような演奏家にはありがたい。
11月中旬の1週間近く、和光大学の非常勤講師有志連が中心になっての「アジア・フェスタ」が、今年はzoom配信で行われた (昨年は中止) 。自分も11/17 (水) の19:00~、キャンパス内の池のほとりから、演奏、楽器解説などで参加。
琵琶のアジア・仏教との関連、エンタテインメント性、物語性…が伝わるような、いつもの入門的なプログラムを用意した。ただ、久々の長丁場、しかも野外で尺感覚が鈍っており、何故か巻きで進めてしまう。早く終わりたいのかー、みたいな感じになってしまったのは失敗であった。
用意していた以外に4曲ほど追加。琵琶の弦は絹糸なので、夜の野外だと夜露などの影響でずるずると調弦が下がっていく。そこと闘いつつ演奏するのも、マゾ的に (笑) 楽しいかも?
中心になって企画を進められた岡本有子先生、撮影をしていただいた、ドキュメント他、さまざまな映像作品を手掛けられてる鈴木敏明監督、大変お世話になりました、ありがとうございました!
◯対面授業再開
この和光大学で後期だけ持っている「日本の芸能2」、12月の回からやっと対面授業再開となった。
楽器や声を使う授業はやはりその場の空気感が大事なので、対面でないと魅力は半減する。しかし "空気" と打ち込むと予測変換で即、 ""感染" と出てくるご時世だし、"濃密な演奏・語り" などど言うと、字面から受ける印象どおり "密" のマックスなので、なかなか対面授業に戻ることが出来ないのだ (許可基準では、この授業はレヴェル1、ほぼ安全な日常でないとNG )。
今回は声関連の補足から。まず、学生さんに新聞記事から適当な部分を選んでもらい、そこに即興的に節付けをするという、対面授業時、恒例だったパフォーマンスを。動画配信型授業だと、はじめから仕込んでんだろー、と思われたりもするので、これは対面でないと意味がない。
日本の芸能以外で、節廻しが大きな要素を持っている音楽を4曲ほどに絞って。ギリシャ歌謡のハレス・アレクシーウ、レバノン最高の歌手=フェイルーズ、アルジェリア出身でフランスに移住して活躍したマズーニ、フラメンコのラ・二ーニャ・デ・ロス・ペイネスを聞いてもらう。言語が違うと気付きにくいが、声色、節の持って行き方や伴奏の、その土地特有の弦楽器との濃 "密" な関係は共通している。琵琶の弾き語りも、この延長線上にあると思う。
あと、配信ではかけられなかったジミ・ヘンドリクスの『バンド・オブ・ジプシーズ』より「マシーン・ガン」を。こちらも対面授業時、必ずかけていた音。ワン・コード的な、ドローンを活かしたリフ・ナンバーで、ヘンドリクス独特のテクニックとアンプの調整、イフェクターの効果で、エレクトリック・サワリ(サワリ=盲僧~近代琵琶に特徴的な、ミヨーンと鳴る楽器の特性) とでも言えそうな、音色の劇的な変化を聞くことが出きる。基本は弾き語り+リズム・セクション、この曲はヴィエトナム戦争にかんしての内容でもあるので、ヘンドリクスの "戦記もの" (笑)とも言えるかもしれない。
後は、楽譜の読み方の再確認。五線譜のように速さなどリズムの指定はしないので、そこが、耳で聞いて、自分のグルーヴを開発してね、というキモでもある。
最後は、最近、アニメイションの琵琶を担当してから節、構成を変えた「祇園精舎~波の下にも (壇の浦)」を演奏。今回は授業全体を長めにやってしまったため、ラスト近くで授業終了のチャイムが。祇園精舎の鐘の声、の部分でチャイムが鳴らず好かったです(ノД`)。
〇今後
アニメイション関連他のトピックや、12月のライヴ他は、また改めて投稿します!