明治維新がすべての理想を実現した革命であったとは誰も思っていない。

 

西郷の謀略やら会津への仕打ちやら、なにより、薩長の天皇の名を利用した単純な政権奪取クーデターであることはほとんど周知なのでは?と僕なんかは思うが、やはり教科書の記述などでしか学んでいない人には、こういうものが新鮮に映るのだろうか。

 

ということで、予想以上のことは書かれておらず、最後は若干神がかってきたので最終章などは飛ばし読み。

 

ひとつ良かった点は、山岡鉄舟についての詳しい記述があり、それにより、山岡の本を読んでみようという気になったこと。今までスルーしていたので。

 

山岡鉄舟晩年(侍従長時。52歳。死去の前年)の歌。

「食うて寝て はたらきもせぬ ご褒美に 蚊族となりて またも血を吸う」

 

蚊族と華族をかけていて秀逸。人柄が出ている。