『クワイエット・プレイス DAY 1』ネタバレの詳しいあらすじ | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

監督:マイケル・サルノスキ 2024年

主な登場人物(俳優)役柄

サミラ(ルピタ・ニョンゴ)ホスピスに入所している末期癌の患者。

エリック(ジョセフ・クイン)サミラが途中で出会った青年。

ルーベン(アレックス・ウルフ)ホスピスの介護員。

アンリ(ジャイモン・フンスー)教会と船で出会った男。第2作の島の長。

ゼナ(エリアーヌ・ウムヒレ)劇場でラジオを聞いていた女性。

フロド(ニコ&シュニッツェル)サミラの愛猫。

 

 「ニューヨークの騒音は平均90デシベル。絶え間ない悲鳴と同じ音量である」

 ニューヨーク郊外の「小さなもみの木ホスピス」で患者の集会が行われ、介護人のルーベンが末期癌の患者のサミラにも何か話すように促す。サミラは今ノートに書いている小説を披露し、「この町はクソ。全てがクソ」と読み上げる。

 ルーベンはサミラに、「小説は良かった。言葉が悪かったが」と褒め、30分後にショーに出かけると誘う。サミラは乗り気でなかったが、帰りにピザを食べると言う条件で了解する。部屋に戻ったサミラは、常に襲う痛みを緩和するための「ファンタニル経皮吸収薬」を脇腹に貼る。

 ホスピスのバスに患者達が乗り、サミラは愛猫のフロドを連れて行く。バスは橋を渡ってマンハッタンに行く。

劇場ではマリオネットのショーをやり、子供連れの家族が沢山入場していた。ショーが始まる。老人が鞄から出した少年の人形を操作し、人形が風船を膨らませ、その風船を待って宙に浮くと言う幻想的な内容だった。

サミラはフロドを連れて劇場から出て、近くの食料品店でお菓子を買う。猫を飼っている店主に「猫を連れてくるな」と注意され、サミラは「介護猫だ」と言い訳する。店の外をパトロールカーが、サイレンを鳴らして通り過ぎる。

劇場の前で、電話を受けたルーベンがサミラに「直ぐに施設に戻れと連絡が来た。何か異変が起きている。バスに乗れ」と言う。サミラは「ピザが先だ」と反抗するが納得し、やって来たホスピスのバスに乗る。他の患者もバスに乗り込む。

患者達が後ろの窓を見るので、サミラも見ると、沢山の隕石が落下していた。その1個が近くに落下し、爆風がバスを襲い、窓ガラスが破れる。

 サミラがバスを降りると、粉塵が舞って視界が利かない。人が「何かが突然現れて…」と話すと、突然、何かに引きずられる。「向こうに何かいるぞ」と言った軍人も、何かに持ち上げられる。サミラは車の陰に隠れる。「助けて」と叫んだ人が怪物に襲われる。サイレンを鳴らしてやって来た救急車が怪物にやられ、爆発する。サミラは爆風に飛ばされ、気絶する。

(タイトル『A QUIET PLACE DAY ONE』)

 サミラは目を覚まして咳をすると、アンリがサミラの口を手で押さえ、音を立てるなと合図する。ここは劇場で、沢山の人が無言で避難していた。その中にルーベンもいて、サミラに抱き着いて喜び、猫のフロドを渡す。建物の上空をヘリコプターが飛び「建物の中に避難して、音を出さないように」とアナウンスする。すると、ヘリコプターが墜落する音が聞こえる。

 爆発音に驚いた猫のフロドが逃げたので、サミラとルーベンが追い、閉まった入口の扉に来る。扉の窓を通して外に怪物の姿が見える。フロドがサミラの所にやって来るときに、鈴に触れて鳴らす。その音を聞いた怪物が、扉を破ってホールに入って来る。サミラはフロドを抱えて隠れる。床に伏せたルーベンの目の前に怪物が来て、ルーベンは息をひそめる。その時、ヘリコプターが上空を飛び、怪物はヘリコプターを追って出て行く。

 サミラは洗面所の水道の水を少し出して、ハンカチで埃だらけの顔を拭く。貼り薬は役に立たなくなっていた。サミラが劇場の一室に行くと、ゼナがヘッドホンを掛けてラジオを聞いていた。彼女のメモには「橋から離れること」と書いてあり、地球儀の各地の怪物が出現した場所に付箋紙が貼ってあった。

 すると爆発音が聞こえ、サミラ達は屋上に向かう。軍の戦闘機が橋を爆破していた。一人の男が「何事だ!俺たちは逃げられない」と大声で嘆く。アンリは男の口を手で塞ぎ「静かに」と言うが、男はアンリの手を振りほどいて「全員死ぬ!」と叫ぶ。アンリは思わず男の口を強く塞ごうとして、男の頭を壁に打ち付ける。男は死に、アンリは「許してくれ」と泣く。

 部屋に戻ったサミラはノートに「ハーレムに行く。ピザを食べに」と書き、ルーベンに見せる。ルーベンは声を出さずに「ダメ」と言うが、サミラは「私は行く」と声を出さずに答える。

 発電機が故障し、大きな音を出す。ルーベンが急いで行って、発電機を止める。ルーベンがその場から離れようとすると、服を引っかけて破る。その音を聞きつけた怪物がルーベンを襲う。サミラは口を抑えて、悲鳴を上げるのを必死にこらえる。

 翌朝、サミラはフロドを抱いてこっそり劇場を出る。道路に大きな穴が開き、建物が壊れ、壊れた車が沢山あった。サミラは壊れた雑貨店に入り、懐中電灯、飲み水、キャットフードを手に入れ、「INY」のバッグに入れて、フロドをリードで引いて出かける。

 サミラは公園で、音を出さないようにしてキャットフードの蓋を開け、フロドに与える。噴水の下に兄妹が隠れていた。サミラは2人にお菓子を挙げる。

 上空を飛ぶヘリコプターが「サウスストリートのシーポートから救助船が出る。これは強制退去だ。奴らは泳げない。市民はサウスストリートヘ迎え」とアナウンスしていた。怪物達が大挙して、ヘリコプターの音を追う。サミラと兄妹は地下鉄への階段に隠れる。すると柵が倒れて音を立て、怪物がやって来る。3人は息をひそめる。

 怪物が去り、3人が階段から出ると、隠れていた沢山の人々が道路に出てきて、サウスストリートに向かって歩く。サミラは兄妹に、群衆と一緒に行くように言い、自分は反対方向に歩く。

建物にいた1匹の怪物が群衆を襲う。群衆は悲鳴を上げて逃げる。車が怪物に飛ばされて爆発する。サミラは倒れ、フロドが逃げ出す。サミラは車の下に隠れると、男が「助けてくれ!」と叫んで、サミラに足を引っ張る。男は怪物に襲われ、車のタイヤがパンクして、サミラの足が車の車台の下に挟まれる。サミラは何とか車の下から脱出する。サミラは足を引きながら走り、路地に隠れる。

 フロドがネズミを追いかけるが、逃す。地下鉄への階段が水没しており、フロドが水を飲む。水の中に隠れていたエリックが出てくる。

 路地のサミラの所にフロドが来る。サミラをエリックが追って来る。雨が降り、雨音で音がかき消されるので、サミラはエリックに「サウスストリートから船が出るので行きなさい。付いてこないで」と話す。エリックは「凄く怖い。ここで死になくない」と、どうしたらいいか困惑している様子だった。

 サミラはエリックをアパートの自分の家に連れてくる。鍵がないので、雷の音と同時にエリックがドアを蹴破る。サミラは全身激痛で、自分の鎮痛剤を探す。サミラがエリックの身の上を聞くと、エリックは「法律学専攻の学生だ。法律を学ぶために英国から米国に来たので、帰るところがない」と話す。サミラは「海岸に行って、マンハッタンを出て。私はパッツィのピザを食べる」と言う。エリックは「一緒にピザを食べたい」と言う。

 エリックはサミラの本を見つけて「君は作者?」と聞く。サミラは父の写真を見せ「父はピアノ弾きだった」と話す。エリックは本を読んでと頼むと、サミラは「『悪い計算』。1年か2年と言われて、2年過ぎた。4か月か半年と言われて、半年過ぎた。引き算を学んだ。数年、数日、数時間、数分、数秒。でもまだまだ」と読む。

 サミラは雷の音と同時に叫ぶ。エリックも真似して叫ぶ。

 翌朝、サミラが目を覚ますと、窓の外はいつもの風景だった。怪物が窓にやって来る。それは夢で、サミラが目を覚ますと、窓の外は破壊された町が広がっていた。

 サミラは荷物をバッグに詰め、寝ているエリックを置いてフロドと出かける。サミラは本屋の店頭で本を読む。エリックがサミラのノートを持って来る。サミラが立ち上がると、棚の本を落として音を立てる。2人は急いで逃げる。

 2人はビルに入ろうとするが、荷物が引っ掛かって回転扉が動かない。エリックが回転扉を無理やり押すと、荷物が倒れて音を立てる。2人は急いでビル内を逃げる。沢山の数の怪物が窓ガラスや天井のガラスを破って、ビルに侵入してくる。

 2人は外に出る。エリックは止まっている車の窓ガラスを割って警報音を鳴らし、怪物を撹乱しながら逃げる。2人は地下鉄への止まっているエスカレーターを降りる。懐中電灯の明かりで通路を進むと、反対側のエスカレーターを怪物が降りてくる。2人はホームへ行き、水没した線路に降り、胸まで水に浸かってすすむ。しばらく行くと

 トンネルを進むと天井の穴に怪物がいた。2人は音を立てないようにして進むと、水が次第に深くなる。怪物が音を聞きつけて、天井を逆さまになって追って来る。2人は必死に泳いで逃げる。水に入った怪物は溺死する。

 2人は穴にたどり着き、登るとそこは教会の礼拝堂だった。協会には沢山の避難民がいた。サミラの痛みがひどくなり、エリックは薬の名前をノートに書いてもらい、薬を探しに行く。道路には壊れた軍用車両が沢山あった。

 薬局でエリックが薬を探していると、フロドが来る。エリックはフロドと一緒に帰る。途中でフロドは工事現場に行くので、エリックが追う。工事現場の資材が倒れ、怪物がやって来る。フロドが鉄骨の梁にいるのを見たエリックも鉄骨に登る。

 怪物は工事現場にあった丸い茸を見つけて、仲間を呼び、一緒に食べる。鉄骨の梁にいたエリックは音を立て、怪物がすぐ近くに来て様子を覗う。エリックは恐怖に耐えながら、じっと息をひそめる。怪物が去り、エリックはフロドを抱きしめる。

 教会で寝ているサミラに、エリックが薬を持って来て、彼女の脇腹に貼る。エリックが小声で「もう大丈夫」と言う。サミラも小声で「父は最高のピアニストだった。私を演奏会に連れて行ってくれるのが好きだった。その帰りに、パッツィに行ってピザを食べるのがお決まりだった。父は亡くなった。私もまもなく死ぬ」と言う。エリックは「ピザを食べに行くぞ」と元気づけ、サミラも同意する。

 翌朝、2人は教会を出て、誰もいない町を歩く。パッツィの店は焼けており、サミラは呆然として涙を流す。エリックは、サミラの父が演奏していた店に行こうと言う。

 2人はサミラの父が演奏していた店に行き、サミラはピアノを触る。エリックは近くの違うピザ店に行ってピザを持ちかえり、その箱にペンで「パッツィ」と書き、2人で食べる。フロドもピザを食べる。エリックはサミラをステージに上がらせ、観客がいるかのように振舞ってトランプ手品をしてみせる。

 2人が建物の階段を登り、非常階段から外を見ると、避難民を乗せた船が出航するところだった。サミラは自分のカーディガンをエリックに挙げる。船が出航する音を聞きつけた怪物が、海岸に集まる。

 2人は店を出て海岸に向う。近くに怪物がいるので、2人は道路に止まっている沢山の自動車の間を、音を立てないように慎重に進む。サミラはフロドをエリックに預ける。サミラは落ちていたバールで次々に車を壊し、音で怪物を引きつけながら走る。その様子を見た、船上にいたアンリが船を止めるように言う。

 周りに怪物がいなくなったのを見計らって、エリックが海岸に向かって走るが、誤って空き缶を蹴とばして音を立てる。怪物がエリックめがけて走って押し寄せて来る中、エリックは間一髪で桟橋から川に飛び込む。エリックは船に救助される。

 それを見たサミラは涙ぐむ。サミラは店で、父の写真を眺める。

 船の上でエリックがフロドを抱きしめる。カーディガンのポケットの中にサミラの手紙が入っていた。それには「私の猫を頼む。私の家に連れて行ってくれてありがとう。戻れて嬉しかった」と書かれてあった。

 サミラは人のいなくなった街の真ん中で、iPodで音楽をイヤホンで聞きながら歩いていた。そのiPodは店から持って来たスピーカーに繋がっており、笑顔のままサミラはイヤホンコードを引き抜き、大音量で音楽を響かせる。その後ろから怪物が近づく。

(エンドクレジット)

(写真は「IMDb」「映画com」より)