『映画 映像研には手を出すな!』映画中の小ネタ | アンパンマン先生の映画講座

アンパンマン先生の映画講座

映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

 

 『映画 映像研には手を出すな!』にはアニメや映画などの小ネタがちりばめられて面白かった。調べたら落語ネタもたくさんあると分かった。原作やドラマではさらにたくさんあるらしいが、見ていないので、映画に限って書く。

 

1.芝浜高校

 古典落語の演目『芝浜』より。

 

2.晴子

 晴子(はるこ)は『天気の子』(2019年)の「晴れ女」の陽菜(はるな)がモデルか?晴子が嵐を起こして警備部を攻撃する場面は『X-MEN』(2000年~)シリーズのストームに似ている。

 

3.水崎家使用人のGHQ

 『映像研には手を出すな! Wiki*』によれば、連合国軍最高司令総司令部GHQの最高司令官ダグラス・マッカーサーがモデルだそうだ。ただ、GHQは黒服を着用していないので、『メン・イン・ブラック(MIB)』(1997年)の方が似ていると思う。アルファベット違いか?

 

3.音曲浴場

 落語の小噺『音曲風呂』より。

 

4.金森が考えたストーリー

 金森が2人にストーリーを考えたと「おじいさんと1匹の犬が森に住んでいました。家に流れ星が近づいてきました。おじいさんはいつものようにアンパンを焼いていました」と話す。おじいさんとは「ジャムおじさん」、犬は「名犬チーズ」、流れ星は「命の星」。つまりアニメ『それいけ!アンパンマン』だと気づいた浅草はすぐに却下する。

 このブログの題名『アンパンマン先生の映画講座』のように、私はアンパンマン研究家なので、アンパンマンが出てくるのは嬉しい。子供が大きくなって『それいけ!アンパンマン』を見ていないので、ブログにアンパンマンが登場しないのはお許しを。ところで金森さん、バタコさんを忘れていない?

 

5.映像研の部室

 屋根の形や長い煙突から、映像研の部室の小屋が私には『それいけ!アンパンマン』のパン工場に見える。金森が『それいけ!アンパンマン』ネタを話すので間違いないだろう。

 

6.浅草が生徒会に向かって啖呵を切る場面

 「下手に出てりゃあ付け上がりやがって。テメっちに頭下げるようなお兄さんと、お兄さんの出来が少しばかり違えんでえ。てめえら生徒会に合わせてやった儀式みてえな下らねえ能書きの段からグズグズ文句ばかり言いやがって。なにおう、問題ありまくり?ナッてやんでえ黙って聞いてりゃガタガタガタガタ好き勝手ぬかしやがってこの唐変木。好きで悪漢に追われてボロい部室に怪我をさせられてるわけじゃねえや。どれもこれもアニメ作るにゃ必要な苦労だったんだ。てめえらにゃわからねえ細工の苦労だ、ベラボウめ。細工は流々仕上げをごろうじろだろ。」

 『「映像研には手を出すな!」落語好きならドはまりする小ネタ満載のアニメ』によると、この長台詞は落語の「大工調べ」の台詞をもじったもの。

 

7.タロース

 ギリシア神話に登場する、ダイダロスによって作り出された、クレータ島を守る青銅製の自動人形。ロボット研のタロースに相応しい名前である。

 

8.同人誌即売会COMET-A

 コミックマーケット準備会が主催する同人誌即売会の「コミケ」または「コミケット」の事である。

 

9.カニの怪獣

 水中から出現し、火を吐くカニの怪獣は『大怪獣ガメラ』(1965年)が元ネタだろう。水崎がヒョウモンリクガメの動きを撮影する場面もある。

 

10.ロボ研の小野が巨大ロボットの矛盾点に悩む

 小野は「なぜロボットは2本足歩行なのか。なぜ人が乗って操縦するのか」巨大ロボットの矛盾点に悩む。また後に浅草が「どうすれば搭乗者を守れるのか?視聴者の目が厳しい」と悩むのも同様である。これは人間が乗って操縦する巨大ロボット『マジンガーZ』(1972年)以来の問題点である。確かに遠くからミサイル攻撃、または戦車で砲撃すれば済むことである。『機動戦士ガンダム』(1979年)では、総監督の富野喜幸が、レーダーや電波誘導兵器を攪乱無効化するミノフスキー粒子という架空の粒子を設定し、ロバート・A・ハインラインの『宇宙の戦士』の装甲強化服パワードスーツを元に、人型ロボットであるモビルスーツの接近戦を論理付けた。

11.小野「ウェルズと品川で心中だ」

ロボ研小野の台詞「『人間が想像できることは人間が必ず実現できる』だ!? 発言には責任を持て!!百歩譲っても俺が生きてる間に実現できなきゃ、ウェルズと品川で心中だ!!」

 『映像研には手を出すな! Wiki*』によると「人間が想像出来ることは人間が必ず実現できる」と発言したとされるのはH・G・ウェルズではなくジュール・ヴェルヌであり、さらにその発言は後世の創作である可能性が高い」そうだ。また「品川で心中だ」は落語「品川心中」より。なお、ウェルズもヴェルヌもロボット物のSFは書いていない。

 

12.水崎「毎日、波動拳を出す練習をしている」

 波動拳とは、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター』(1987年~)シリーズに登場するキャラクターのリュウ・ケン・さくら・エースなどが使用する必殺技。水崎がそんなにゲーム好きだったとは意外。

 

13.浅草「タロース、立ちます」

 映像研、ロボ研の部員体がいろいろアイディアを出し合って、タロースのデザインを練り上げていく。完成形のタロースは『トランスフォーマー』(2007年)のバンブルビーに似ている気もするが気のせいだろう。浅草はタロースを起動させ「タロース、立ちます」と言ってタロースを立たせる。巨大ロボットが本当に立ち上がるかどうかは、非常に重要である。この場面を見て私は『機動戦士ガンダム』(1979年)の第1話で、アムロがガンダムをやっと立たせる場面を思い出した。タロースが立ち上がるポーズは、横浜の山下ふ頭で製作中の実物大ガンダムが立ち上がる動画にそっくりで、ぞくぞくした。

14.浅草と水崎が生徒会に仕事を貰いに行く場面

 これはテレビ番組『はじめてのお使い』である。浅草は途中でダンゴムシを見つけて座り込む。お姉さんの水崎が浅草の手を引いて励ます。何とも幼い姉妹そっくりで感動した。

 

15.会計の王に浅草が、お宝はないか尋ねる場面

 浅草が会計の王に「巴御前のハチマキとか岩見重太郎のワラジとか、小野小町が清水次郎長親分に出した手紙だとか、あるわけのねえもんだから珍しいんですよ」とお宝がないか尋ねる場面は、落語『火焔太鼓』より。浅草はよほどの落語好きらしい。

 

16.浅草「聞いて驚け、見てわめけ」

 音響研の部室の大量の音源を見た浅草は「聞いて驚け、見てわめけ」と驚く。『おじゃる丸』(1998年~)に登場する「アオベエ」「アカネ」「キスケ」の子鬼トリオの「聞いて驚け、見て笑え! 我らエンマ大王さまの一の子分! アオベエ、キスケ、アカネ!」が元ネタ。

17.「この時が、私たちが金森を見た最後でした。」

 この後も「この時が、私たちが浅草を見た最後でした。」のナレーションがある。ドラマで主人公が失踪した場面でよく使われる台詞である。

 

18.浅草「刮目して聞け」

 百目鬼と作った音源を浅草が「刮目して聞け」と水崎、金森に言う。『三国志』の「士別れて三日なれば、即ち更に刮目して相対すべし」という一節に由来する。私には、ユースケ・サンタマリアの決め台詞に聞こえる。他にもいろいろなアニメで使われている。

 

19.阿島の台詞「事件は会議室で…」

 不法侵入の部員を捕まえた阿島が、警備部の無線で本部に「事件は会議室で…」と言うが途中で切られる。これはもちろん『踊る大捜査線』(1997年)の青島刑事の台詞だ。阿島(あじま)は青島(あおしま)をかけているのか?

 

なお、落語ネタ、著者ネタなどは下のブログを参考にしました。興味ある方は是非見て下さい。

『「映像研には手を出すな!」落語好きならドはまりする小ネタ満載のアニメ』 https://blogos.com/article/438409/

『映像研には手を出すな! Wiki*』https://wikiwiki.jp/eizouken/%E4%BD%9C%E4%B8%AD%E5%85%83%E3%83%8D%E3%82%BF 

 

 

 

 

ABEMAプレミアム