『シャイニング』ネタバレの感想 精神的に怖いホラー映画の傑作 | アンパンマン先生の映画講座

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11月29日(金)に『シャイニング』(1980年)の続編の『ドクター・スリープ』が公開になるので、復習のためDVDで見直した。

まず、ジャック・ニコルソンの演技が素晴らしい。面接を受けている時は真摯な態度。ホテルで小説を書いている時はいら立って妻に癇癪を起こす。その後は熱心に原稿を書いていると思ったら、用紙は無数の「All work and no play makes Jack dull boy」の文が並び、所々打ち間違いがあったり、レイアウトが変わったりしている。ジャックが今までずっとこれをタイプしていたと思うと、その狂気に震える。さらにジャックが無人のカウンターで酒を欲しがるとバーテンが現れ、237号室(おそらく元管理人が死体を隠した部屋)で若い女性と腐乱した老婆を目撃し、家族を惨殺した元管理人に家族を厳しく躾けるように言われる。かっとなって息子を怪我させた事があると言っていたように、ジャックには元々このホテルに住み着いている魑魅魍魎に憑りつかれる隙があったようである。ついにジャックは、元管理人と同様に斧で妻と息子を襲う。ジャックの精神が次第におかしくなっていく描写が実に怖い。

ジャックが斧でドアを打ち破り始め、妻が恐怖にかられる場面は、何十テイクも撮り直ししたそうで、シェリー・デュバルの迫真の演技である。

息子のダニーは、テレパシーで会話し未来や過去の映像が見える能力「シャイニング」を持っている。エレベーターの前の廊下に洪水のような大量の血が溢れる映像、双子の少女が立っている映像が繰り返し見る。これは過去のイメージ映像か。ドアの「REDRUM」の文字の映像は、ジャックの殺人の予知か。ただ、テレパシーでハロランに危機を伝えないのはなぜ?題名が「シャイニング」だが、能力は本筋とはあまり関係ないのが残念である。

ジャックとダニーが見たのは単なる幻像と思ったら、ダニーが怪我し、ジャックが閉じ込められた食品庫の鍵をグレイディが開けるなど、幻像が次第に現実を侵食し始めるのが怖い。さらに妻までが、終盤では頭から血を流している魍魎の姿やエレベーターから溢れ出す大量の血が見え、ホテルに住み着く魑魅魍魎の影響が拡大しているようで怖い。

最後にジャックは凍死するが、ホテルのラウンジに飾られている昔の写真の中にジャックが写っていた。元管理人が言っていた、ジャックがずっと昔からここの管理人だった話はこれかと思った。この結末はわかりにくいが、ジャックはホテルの魑魅魍魎の一つになる運命だったのだろう。

ステディカム撮影を初めて劇場映画に使った事でも有名な作品である。今までの移動撮影は場面がぶれるのが常識だったが、ダニーが三輪車でホテルの廊下を走る映像や、巨大迷路の中を逃げるダニーをジャックが追いかける映像などはぶれがなく、静かな映像が恐怖を募らせる。双子の少女のシンメトリック、どこまでもどこまでも同じ光景が続く巨大迷路など、映像も見事である。

血生臭いスプラッター映画と違い、精神的に怖いホラー映画の傑作である。評価は「5」である。