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     episode63

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ちらりと見かけた写真に

何が良かったのか

わからなくなって、


こんな遠距離の無謀な愛は

このままフェイドアウトして

何事もなかったように

消えたらいいやと、


野根澄しそ美にとっての

迫る世紀の大イベントに

忙しく予定を立てながら

しめしめと言わんばかりの

気持ちになった


田貫登真斗の顔を見ても

別に何も感じないし

そうよ、

なんならタイプでもないと

(よし!軌道に乗った副業にこのまま集中して年末までGOだ!)

と息を巻いていた


そんな中、

久しぶりに顔を見たいと

母から連絡があり

しそ美は

ネガティブ思考の母が苦手で

気乗りはしなかったが

聞きたいことがあったので

"午後ならいいよ"と受け入れた


しそ美はここ最近

しそ美が大好きだった

亡くなった祖母について

(しそ美の母の母)

何故か出身が気になって

その辺の話を教えてもらいたかった


「おばあちゃんてどこの関西出身だったの?」

と母に聞いた事から

どんどんどんどん勝手に話は

田貫登真斗の住む街が出てきて

しそ美は顔が引きつった


しまいに母からは

おばあちゃんには9歳下の

よく喧嘩したけど仲のいい

弟がいたと

今まで知らなかった話まで

つらつらと出てきて、


しそ美は思わず

自分の口を手で抑えた

泣いてもおかしいし

変な感情になり

とにかく1つでも多く

話を教えてもらおうと

夢中になった


おばあちゃんの御先祖のお墓は

登真斗と電話していると毎回

電波の切れる場所の近くだった


(こんな事ってある…?)


そして

おばあちゃんの名前は

おトリさん


しそ美はいつかの

不思議な石の模様を思い出す


蜘蛛と鳥


ちょっと待って。

ちょっと待って。


登真斗、あなたは今

何かおこってる?

しそ美だけなのか?

こんな不思議な

気づきを体験しているのは

しそ美だけなの?



宇宙様、神様、

これはどういうことですか。*∅


登真斗に言いたい

登真斗にしかこの不思議は

わからない

だけどアイツは怖がるかな

まだ言えないよな…


登真斗!なんか変だよ私達

怖いよ!気づいてよ!と

さすがにパニックになるも


やはりな、そうだよな、

なんかおかしいと思った、と

妙に納得もする

野根澄しそ美であった。*∅


2023.10.1

道照 月子


#ツインレイストーリー#大人の童話

~episode64につづく~