【作品紹介:『映画公式サイト』より引用】
人気作家の窪美澄が2014年に発表した短編集の中の一篇「かそけきサンカヨウ」の映画化を切望し、メガホンをとったのは『愛がなんだ』(2019)のヒット以降数々の良作を手がけ、その動向に注目が集まる今泉力哉監督。幼い頃に母と別れ、早くに大人にならざるを得なかった少女・陽の成長を、父や新しい家族との間に生まれる確執と交流、そして同級生・陸との“淡い恋愛感情”を交えつつ、やさしい物語として織り上げた。
陽を演じるのは志田彩良。今泉監督とは3度目の顔合わせ。一見大人びて見えても複雑な心境を持つ少女の心を丁寧に積み重ねつつ、肌ざわりをリアルに体現している。時には対等に、時には優しく娘を見守る父・直を演じるのは日本映画界に欠かせない俳優・井浦新。陽が淡い恋心を抱く陸に、「ドラゴン桜」で志田と共演した鈴鹿央士。さらに陽の産みの親役に石田ひかり、父の再婚相手で陽の新しい母親役に菊池亜希子、陸の母役を西田尚美、祖母役を梅沢昌代と実力派俳優が脇を固める。
雨に濡れると花びらが半透明になるサンカヨウのように、誰かとかかわる中で時に傷付きながらも新たな自分を見出し、輝いていく。ささやかだけれど感情が動き、変化していく様を色合い豊かに伝える―そんな味わい深い映画が誕生した。
【あらすじ:『映画公式サイト』()より引用】
幼い頃に母が家を出て、ひとりで暮らしを整えられるようになっていった陽は、帰宅してすぐに台所に立ち、父とふたり分の夕飯の支度にとりかかるのが日課だ。
ある夜、父が思いがけないことを陽に告げる。「恋人ができた。その人と結婚しようと思う」
ふたり暮らしは終わりを告げ、父の再婚相手である美子とその連れ子の4歳のひなたと、4人家族の新たな暮らしが始まる。新しい暮らしへの戸惑いを同じ高校の美術部に所属する幼なじみの陸に打ち明ける陽。実の母・佐千代への想いを募らせていた陽は、それが母であることは伏せたまま、画家である佐千代の個展に陸と一緒に行く約束をするが・・・。
普通の人たちによる、普通の人たちの映画🎬。そりゃあ、時々感情が高ぶって爆発する時や意地悪したりすることもあるけど、生きていればそういうこともあるさ。根っからの悪人なんて出て来ない。映画の登場人物たちと、観客の距離は極めて近い。この陽という名の少女の成長を軸とした物語は、貴方の話かもしれない🦆🦆🦆
私がいたく感銘した、「街の上で」(2021) の今泉力哉監督作品。この監督には、今後も注目していきたい。
【2021年日本公開映画「私のオススメ作品」】:「すばらしき世界」「春江水暖」「ノマドランド」「街の上で」「サンドラの小さな家」「ファーザー」「明日の食卓」「茜色に焼かれる」「JUNK HEAD」「1秒先の彼女」「夏への扉」「デュー あの時のキミとボク」「Arc アーク」「プロミシング·ヤング·ウーマン」「ライトハウス」「キネマの神様」「サマーフィルムにのって」「太陽の子」「返校 言葉が消えた日」「狐狼の血 2」「ドライブ·マイ·カー」「かば」「テーラー 人生の仕立て屋」「恋の病 潔癖なふたりのビフォーアフター」「先生、私の隣に座っていただけませんか?」「モロッコ、彼女たちの朝」「浜の朝日の嘘つきどもと」「クーリエ:最高機密の運び屋」「MINAMATA-ミナマタ」「空白」「護られなかった者たちへ」「光を追いかけて」「草の響き」「由宇子の天秤」「TOVE / トーベ」「DUNE / デューン 砂の惑星」「最後の決闘裁判」「Our Friend / アワー·フレンド」「青葉家のテーブル」「スウィート·シング」「かそけきサンカヨウ」
スタッフ
監督:今泉力哉
脚本:澤井香織
撮影:岩永洋
美術:禪洲幸久
音楽:ゲイリー芦屋
キャスト
国木田陽 (高校生):志田彩良
国木田直 (陽の父):井浦新
清原陸 (陽の同級生):鈴鹿央士
国木田美子 (陽の父の再婚相手):菊池亜希子
清原夏紀 (陸の母):西田尚美
三島佐千代 (水彩画家):石田ひかり
上映時間:1時間55分
公開日:2021年10月15日
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鑑賞日:2021年11月5日
場所:テアトル新宿
No.11950 Day 4837