デヴィッド・リーン 「アラビアのロレンス<完全版>」 (1962/1988) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

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スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?




【英語版予告編:4分45秒】





【イントロダクション:午前十時の映画祭10-FINAL HPよりの引用(→)】

第一次大戦下のアラビア半島を舞台に、英国陸軍将校でありながらアラブ民族の独立闘争を率いた実在の人物トマス・エドワード・ロレンスの冒険と、その苦悩と波乱に満ちた生涯を描いた壮大なスペクタクル・ロマン。美しくも過酷な砂漠の描写が圧倒的。

1916年、英陸軍カイロ司令部に勤務するロレンス少尉(ピーター・オトゥール)は、敵国ドイツと同盟を結ぶトルコに対して反乱を起しつつあるアラブ民族の情勢を探るため、3か月の休暇を得た。元考古学者で現地の情勢に詳しいロレンスは、トルコの圧政に苦しむアラビア人たちに深く同情していた。反乱軍の指導者ファイサル王子(アレック・ギネス)に会うため旅立ったロレンスは、途中、ハリト族首長アリ(オマー・シャリフ)と出会う―。



【結末までの詳細ストーリーをお読みになりたい方は「Wikipedia」をご参照下さい(→)】



【感想】

私ごときが感想を書くまでも無く、映画史に燦然と輝く不朽の名作である。偉そうに書いているが、実は初見だった。この記事を読んでいる貴方も、もしまだ未見であったなら、それは人生の最良の経験のひとつを逃していることになる。しかし、DVDやオンデマンドで自宅のTV(それがどんなに画面サイズが大きくてもだ)などで観て欲しくはない。これこそ、映画館の巨大スクリーンで観てこそ真価の判る映画だ。

現代と違ってCGなどが無い58年前に撮られたこの映画は、全ての場面が実際に撮影されている。砂漠の彼方からハリト族の長であるアリ(オマー・シャリフ)が現れるシーン。まさに染みの様な点の蜃気楼が徐々に徐々に大きくなって駱駝に股がったアリの姿となるシーンは超望遠レンズでワンカットで撮影されている。

ロレンス(ピーター・オトゥール)率いるアラブ連合軍が大群で攻め入るシーン。しかも、それをアップでは無く、引きで撮って、もの凄い数の騎馬兵や駱駝兵を大画面いっぱいに見せる。

その他にも、ロレンスがマッチを吹き消した後に砂漠に太陽が昇るシーン、ロレンスが駱駝に乗って夕日の海岸を悠々と歩くシーン等々、70mmフィルム撮影を生かした砂漠の雄大な景色をこれでもかと見せるその映像美。

しかし、映像が美しいだけでなく、ロレンスと言う人間を鮮やかに浮かび上がらせる濃密なドラマがまた素晴らしい。アラブと英国に政治的にいい様に利用され、最後は棄てられるロレンス。彼は、アラビアを愛し、砂漠を愛し、そこが自分が自分らしく生きられる、自己実現の場だと感じていただけなのにだ。



【スタッフ・キャスト等】

監督:デヴィッド・リーン
脚本:ロバート・ボルト、マイケル・ウィルソン
原作:トマス・エドワード・ロレンス 「智恵の七柱」 (1926)
製作:サム・スピーゲル
撮影:フレディ・A・ヤング
美術:ジョン・ボックス、ジョン・ストール、ダリオ・シモーニ
衣装:フィリス・ダルトン
編集:アン・V・コーテス
音楽(作曲):モーリス・ジャール
録音:ジョン・コックス
キャスト:
英国陸軍少尉トマス・エドワード・ロレンス(ピーター・オトゥール)
ハリト族長アリ(オマー・シャリフ)
ファイサル王子(アレック・ギネス)
ハウェィタット族長アウダ・アブ・タイ(アンソニー・クイン)
英国陸軍アレンビー将軍(ジャック・ホーキンス)
ジャクソン・ベントリー新聞記者(アーサー・ケネディ)
トルコ軍ベイ将軍(ホセ・フェラー)

上映時間:3時間47分<完全版>、3時間27分<オリジナル版>
英国公開:1962年12月10日
米国公開:1962年12月16日
日本公開:1963年2月14日
第35回アカデミー賞(1963):作品賞、監督賞、撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞、録音賞
鑑賞日:2020年1月13日
場所:TOHOシネマズ新宿



【午前十時の映画祭事務局オフタイム:12分11秒】