大企業の春闘解答で威勢がいい報道が

続いてるが

日本の労働組合の組織率は16%あまりで

圧倒的な未組織労働者 それは

全雇用者6千万人あまりの80%以上で

主に中小零細企業の労働者

この春闘解答の報道とは無縁なのだ。


それと 全雇用者の37%あまりの

二千百万人あまりが 非正規労働者で

彼らの賃金は ほとんど上昇していないのが

大きな問題。


一部 輸出関連企業は

円安の恩恵で 過去最高益をあげていて

これ迄 内部留保に回してた分の一部を

賃上げに回したに過ぎない。


そもそも昨年まで

物価上昇に賃上げが追いついてなくて

ずうっと実質平均賃金は マイナスのまま

多少一時的に賃上げするくらいじゃ

焼け石に水的で 

株価高に反して

景気の良さを生活実感するには至ってない。


バブル時代を知ってる身としては

好景気の時は

給料も上昇して 皆んな今みたいに

将来不安を感じてなかったので

財布の紐が緩んで 消費が盛んに


つまり物価上昇 賃上げ 消費という

好循環がハッキリするものだ。

今この国は それとは全く違う

好景気からは 程遠い。


株価にしても

含み益の決算確定するやいな

予想通り 大幅下落した。


報道も一時バブル超えと煽ったが

日本が 失われた30年の内に

株価はドイツは9倍

韓国でも3倍

アメリカは14倍に上昇してるのであって

日本はやっと30年前に追いついただけ。

騒ぐほどの事じゃない。


その株価上昇は外国人投資家の買いだと言うが

その実態は 日銀が買い支えてる。

上場企業の半数以上で

日銀が最大株主になってるという

極めて いびつで 不健全かつ異様な状況で

恐ろしい事態だって事を忘れてはならない。


現在 景況実感が無い一般庶民が

バブル時代と決定的に違うのは

大きな将来不安を抱えてる事だ。


だから多少賃金が上ろうとも

消費には走らないって事。


岸田首相は盛んに賃上げを要求してるが

今は それだけでは好循環には

向かわないって事に気づいてない。


8割近い中小零細企業の労働者と

非正規労働者の賃上げは 今のままでは

進まないだろう。


下請け 孫請け そのまた下請けと

何層にもわたる下請け構造が

皆んな物価と人件費上昇を価格添加出来るとは

考え難いからだ。


そうした重層下請けの経済構造に

強制的にメスを入れない限り

好循環は生まれない。


更に忘れてはならないのは

賃金の男女格差だ。


賃上げと同時に

賃金の男女格差を失くさないと

賃上げすれば するほど

放置したままだと

その格差が大きくなってしまう。


男女格差 同一労働同一賃金を

立法化して強制是正しないと

益々 不公平で格差拡大の社会に

向かってしまう。


かつては50%以上あった労働組合組織率

団結しない労働者ほど

経営者は御しやすい相手はいない。


失われた30年とは

団結が力という労働者の基本を見失っていた

労働組合と その幹部たちに

その責任の一端がある。


賃上げが一部の大企業だけの一過性に

終わらせない為には

未組織労働者たちの団結意識が

高まるかどうかにかかってる。