本夜の演目

「第三の男」 1949年封切




名匠キャロルリード監督

脚本グレアムグリーン


テンポよく話の運びが良い

黒白=光と影のコントラストは表現主義へのオマージュ


この翌年に黒澤明も「羅生門」で表現主義に拘ってヴェネチア国際映画祭金獅子賞✨即ちグランプリ。


…そして何より作品にアクセントを付けたアントンカラスのチター  忘れられた楽器だったが劇中では物語の流れに重要な効果音としてしばしば登場、時に激しく、時に緩やかに、時に艶やかに物語に色を添える。

キャロルリードのセンス半端ない❗️


事件の目撃者、アパートの管理人にタイトルを言わせる最初の重要なシーン


主人公ホリーマーティンスが岡惚れするハリーライムの恋人 余り笑わない演技のアンナ(アリダバリ)


国際警察署に任意同行したアンナを迎えに来たホリーを俯瞰ショットで捉える。市電の架線にショートさせるアクセントが小気味いい。


警察署でハリーライムの所業の説明を受けてホリーは愕然とする、ハリーは唯一の親友…と信じていたホリー。
ペニシリンを水増ししてヤミで稼いでいたハリー。その結果多くの罪なき子供が被害に遭う。
キャロウェイ少佐は言う。

運が良い子は死ぬ。運が悪ければ精神病棟で苦しむことに…。


逡巡するホリーとアンナ


やがて第三の男が浮上…

死んだと思っていたハリーは生きていた!

それではあの棺の中には一体誰が?…


ハリーを見つけたホリー…

遊園地で再会したハリーは生気に溢れていた。

そして…ホリーに仕事の手伝いを持ち掛けるがあっさりホリーに断られ…



サスペンスに次ぐサスペンス…
緊張と緩和…
緊迫するシーンを笑いで和らげるなど、緩急自在なキャロルリードの演出とグリーンの脚本は映画とはこう撮れ!と言うお手本のよう。

そしてクライマックスの地下道の攻防


やがて訪れるほろ苦いエピローグ



私は約35年前にこの作品に出会い未だに魅力され続けている。


秋の夜長にとっておきの一本です♪