夏の高校野球、北海道支部予選は7月1日をもって全日程を終了しました。先日は北北海道16強を紹介しましたので、今日は南北海道16強を紹介したいなと思います。札幌支部は9ブロックと多いので、ブロックごと感想を述べさせていただきます。

札幌支部

札幌光星(2年連続)

  一回戦  10-2札幌静修(7回コールド)

  二回戦  3-0北海学園札幌

  代表決定戦7-0札幌南(7回コールド)

シード校が大麻ということで、どのチームにもチャンスがあった同ブロック。ものにしたのは実績で群を抜くノーシードの札幌光星でした。個人的には札幌南がもう少しやるかなと思っていたのですが…

札幌日大(4大会連続)

  一回戦  10-3札幌北(7回コールド)

  二回戦  7-0札幌月寒(7回コールド)

  代表決定戦9-2東海大札幌(7回コールド)

北海道大会昨秋準優勝、今春ベスト4の東海大札幌と、ノーシードながら昨夏ベスト4のバッテリーが残る札幌日大の対戦は、思わぬ大差がついてしまいました。札幌日大は今年こそ悲願の甲子園を目指します。

札幌第一(2年連続)

  二回戦  9-3札幌琴似工業

  代表決定戦6-4北星学園大附

シード校の札幌第一が順当に勝ち上がりました。北星学園大附の石田充冴投手は、長身から最速143キロを投げ込むプロ注目の右腕。次のステージでも頑張って欲しいなと思います。

立命館慶祥(2年連続)

  二回戦  2-0札幌山の手

  代表決定戦8-3札幌創成

シード校の立命館慶祥が、強豪私立をたて続けに破って勝ち上がりました。同校は昨夏南北海道大会8強。今年はそれ以上の成績を目指します。

札幌龍谷学園(2年ぶり)

  二回戦  6-1北海道科学大高

  代表決定戦11-4市立札幌藻岩(7回コールド)

同ブロックもシード校が順当に勝ち上がりました。札幌龍谷学園は、12年ぶりの8強進出を目指します。

札幌大谷(2年ぶり)

  二回戦  11-1札幌啓北商業(5回コールド)

  代表決定戦7-0札幌英藍(7回コールド)

シード校の札幌大谷が順当に勝ち上がりました。打力は道内でもトップクラスだと思うので、投打がかみ合えば南大会でも面白い存在。選手時代は駒苫連覇の立役者、五十嵐大新監督の采配にも注目です。

北海(9大会連続)

  二回戦  16-3石狩翔陽(5回コールド)

  代表決定戦6-0恵庭北

昨年の春から道内公式戦無敗の北海が順当です。南大会でも間違いなく優勝候補最右翼でしょう。

酪農学園大附とわの森三愛(2年ぶり)

  二回戦  15-1札幌北陵(5回コールド)

  代表決定戦16-5札幌東(5回コールド)

シード校のとわの森三愛が圧倒しました。決して札幌東など弱いチームでは無かったと思うのですがね。南大会では帯広農業監督時代、甲子園出場経験のある前田監督の采配に注目です。

札幌国際情報(3年ぶり)

  二回戦  10-0札幌白石(5回コールド)

  代表決定戦8-1札幌あすかぜ、札幌東豊、札幌北斗、     

          野幌連合チーム(7回コールド)

連合チームの大健闘が光った同ブロック。北海道各支部予選32ブロックのうち、連合チームが代表決定戦まで進んだのは札幌と旭川の2チームだけですが、なぜ札幌ばかり取り上げるかというと、対戦相手のレベルが全然違うことや、旭川の連合チームは1勝なのに対して札幌の連合チームは2勝、しかも過去に代表経験のある学校を破っての代表決定戦進出ですからね。だいぶ価値が違いました。さすがに札幌国際情報には厳しいと思ってましたが、いずれもタイブレークをものにしての2勝は、他支部の連合チームにも大きな勇気を与えたことと思います。

室蘭支部

苫小牧中央(2年ぶり)

  一回戦  8-1静内(7回コールド)

  二回戦  8-1北海道大谷室蘭

  代表決定戦2-0駒大苫小牧

苫小牧工業(10年ぶり)

  二回戦  16-1苫小牧南(5回コールド)

  代表決定戦8-3室蘭栄

浦河(10年ぶり)

  一回戦  9-2室蘭東翔(7回コールド)

  二回戦  10-9苫小牧東(10回タイブレーク)

  代表決定戦10-5鵡川(11回タイブレーク)

苫小牧工業以外のシード校がすべて敗れる波乱づくめとなった同支部。昨夏の代表3校から顔ぶれもガラッと変わり、まさに戦国の室蘭支部予選となりました。駒大苫小牧と苫小牧中央は昨秋の代表校で、おそらく同支部ではナンバー1、ナンバー2の実力だったと思いますが、春の大会で苫小牧中央が苫小牧工業に敗れたことでまさかのサバイバルブロックに。ある意味、苫小牧工業の躍進が引き起こした波乱の大会だったかもしれませんね。浦河も第3シードの苫小牧東、鵡川を次々破って南大会で4強に進出して以来の代表となりました。いずれもタイブレークということで、勝利に対する執念が相手校を少しだけ上回ったのかなと思います。ただ、先日お話しした苫小牧東のタイムのタイミングへの不満が、浦河にもありましたね。代表決定戦の9回ウラ、1点を追う鵡川の攻撃で、二死無走者から四球で出塁。浦河のピッチャーがあと一人ということで力んでいるのがアリアリと見え、ストライクが入らなくなっているのになぜランナーを一人出した時点でタイムを取らないのかなって。映像を見てるとピッチャーはベンチを見ながら肩を上下に動かして力みをほぐそうとしているようだったので、ベンチもピッチャー自身もわかっていたと思うんです。ベンチの誰を見てそういう動きをしていたのかはわかりませんが、10年ぶりの代表のかかった1アウト、りきむなという方が無理な話。甲子園大会ではああいう場面でしっかりタイムを取りますよね?だから勝ち切れることが多いんだと思うんです。結局、タイムを取ったのが2連続四球のあと。それではタイミングとして遅いような気がします。しかも浦河は苫小牧東が同じシチュエーションで追いつかれたのを目の前で見ていますからね。一時は同点にされたものの、タイブレークの末勝ち切った浦河。たまたま接戦で良い試合をしていた浦河や苫小牧東だったので目に留まりましたけど、他の多くのチームでも同様のことはあると思います。逆に北海のような甲子園常連校は必ず事が起きる前にタイムを取るから勝ててる部分もある。今一度、道内の監督さんにはタイムの重要性を認識して欲しいなと思います。

函館支部

函館大柏陵(2年ぶり)

  二回戦  8-0七飯(7回コールド)

  代表決定戦9-3函館工業

知内(2年ぶり)

  二回戦  5-0函館中部

  代表決定戦6-4市立函館

函館大有斗(2年連続)

  二回戦  2-1函館商業

  代表決定戦8-0函館大谷(7回コールド)

同支部は、順当にシード校が勝ち上がりました。ただ一つ、驚いたのが函館商業の善戦。新チーム結成以降未勝利の同校が、まさか甲子園経験豊富な函館大有斗と互角に渡り合うとは思いもよりませんでした。函館商業は大正時代に一度だけ全国大会(当時は鳴尾球場)に出場したことのある道内有数の伝統ある公立校。大健闘に拍手を送りたいなと思います。

小樽支部

北照(9年連続)

  一回戦  15-0小樽桜陽(6回コールド)

  二回戦  8-1小樽潮陵(8回コールド)

  代表決定戦7-0倶知安(7回コールド)

第1シードの北照が圧倒的な強さを見せつけました。北照のプロ注目左腕、高橋幸佑投手(3年、神奈川県出身)が最速148キロをマーク。南大会でも注目のチームですね。倶知安は22年ぶりの代表とはなりませんでしたが、小樽双葉などを破っての2勝は価値ある2勝だったと思います。同支部の郡部の学校では唯一、単独で出場している学校ですから、この活躍を機に地元の良い選手がいっぱい集まると良いですね。

以上、南北海道16ブロック代表校の勝ち上がりを紹介しました。南北海道大会は道内公式戦29連勝中の北海が頭一つリード。そこに立ちふさがるのはどのチームか注目されますね。好投手を擁する北照か、昨夏4強の札幌日大か、強打の札幌大谷か、公立ながら近年力をつけてきたプロ出身監督率いる札幌国際情報か、昨年8強の経験を活かしたい立命館慶祥か、駒苫を破って勢いに乗る苫小牧中央か。組み合わせ抽選は今日、行われております。南北北海道大会展望については次回、記事にしたいなと思います。