北海道はここ数日、急激に寒くなって雪もいっぱい降りました。4~5日前は滅茶苦茶暖かくて、けっこう雪も溶けていたんですけどね。寒暖差についていけない、今日この頃の私です。

さて、残念なニュースが大相撲界から飛び込んで参りました。先日も少し記事にした北青鵬(22歳、宮城野部屋、北海道出身、先場所番付は前頭8枚目)が、大相撲協会のコンプライアンス委員会から引退勧告を受けました。先日は報道の情報しかなかったので正確なことは言えませんでしたが、協会が動いているということは必ずしも記事内容がすべて事実とは言い切れないにしても、処分を受けるくらいの重大な事由があったことは間違いないということですね。コンプライアンス委員会からの勧告を受けて北青鵬は引退届を提出し協会はこれを受理、北青鵬は引退となりました。

報道によると、北青鵬は少なくとも一年以上前から常習的に弟弟子に暴力等を奮っていたとされます。暴力行為の具体的な内容(弟弟子2名に対する平手打ちや突き飛ばし、物を使った暴行等)は協会からも公に出されていて、一部報道では金銭トラブルや八百長疑惑も報じられており、それも事実ならば、そこも厳罰になった要因かもしれません。記憶に新しいところでは東北楽天ゴールデンイーグルスの選手が後輩選手にパワハラをしていたことが報じられ、本人も認めたことから解雇された事案がありましたが、今の世の中はそういうことが発覚したら一発アウトなんでね。北海道出身として応援しておりましたけども、引退勧告はしょうがないなと思いました。宮城野親方(元白鵬)も同様に処分(2階級降格と報酬減額、宮城野部屋の一門預かりなど)が下されましたけども、被害を受けたお弟子さんから被害を訴えられていたという報道(直接親方に訴えたかどうかはわかりませんが、少なくとも宮城野親方は事実を把握していたようです)もあります。にもかかわらず的確な処置をせず、協会にも報告を怠ったということで監督不行き届きと合わせて重い処分を受けてしまいました。こういうことは閉鎖された組織では起こりがちで、私は20年以上自衛隊に勤めてましたけども、部下のことを変に守ろうとする癖が自衛隊にもあって、自衛隊も大相撲も閉鎖された空間で集団生活を営む組織としては非常に似てますから、今回の宮城野部屋で起きた事もなんとなく想像はできますね。将来有望な北青鵬の芽を潰したくなかったのが宮城野親方の中では一番だったんでしょう。同郷ということもあったかも知れません。協会に報告すれば北青鵬の相撲人生が終わる可能性があるのはわかっているので、なんとか北青鵬改心してくれよと、そういうことで報告もせず待ったんでしょうね。しかし、将来性豊かな北青鵬は守るのに被害力士2人に対してはは守る姿勢が見えなかったことは残念というか、指導者失格の烙印を押されても致し方ありません。自衛隊も若い有望な隊員を失いたくない、普段はまじめで良い子だから信じたいとおおごとにしたくない風潮がありましたが、そこは良く似ているなと感じます。身内だけで収められるのなら収めたい。宮城野親方にもそういう考えがあったと思いますが、一度問題を起こした人は放置すると二度三度とほとんどの場合過ちを繰り返すんでね。経験上、一度きりで過ちが終わったことを私はほとんど知りません。コンプライアンス委員会の調査によると、今回、宮城野親方はまったくと言って良いほど調査をしていなかったようです。そこも同親方に対する重い処分となった背景のようですね。

まだ若いから過ちは誰にでもある、セカンドキャリアのチャンスを与えてあげてなんて声も聞かれていますが、勘違いして欲しくないのはセカンドキャリアって許して何事もなかったかのように仕事(この場合力士)を続けさせる事ではないんですね。この過ちですべてを失って、それでもまた一から別の業種で頑張ってくださいねって、そういうのがセカンドキャリアなんですよ。北青鵬の場合も一緒で、別に相撲を辞めさせられたからって、セカンドキャリアのチャンスを取り上げているわけではありませんからね。勘違いしないでいただきたいなと思います。大相撲だけがすべてじゃないですから。常習的に一年以上前から暴力行為が行われていたということですが、ちょっと個人的に気になっていたことがありまして、幕内に上がったころの北青鵬って中入り後の土俵入りの際、お客さんから大変大きな声援を受けていたのですが、昨年あたりは声援が小さくなっているように感じていました。相撲ファンの間では北青鵬の素行の悪さ、有名だったのかな?って、今になって思いますけどね。まだ22歳、人生これからです。5歳から日本に住んでいるのでモンゴルでの生活は記憶にないでしょう。すでに心は日本人。日本で第二の人生を早く見つけて、頑張って欲しいなと思います。モンゴル人のお母さんが札幌から東京に出てきて号泣していたと報道されてました。ぜひ、将来親孝行できるように祈ってます。また、宮城野親方についても親方としてはキャリアが浅いですからね。いろんな経験を積んでいっぱい反省して、また大相撲界に貢献していただきたいなと思います。

最近起きたアスリートのパワハラと言えば前述したとおり、元プロ野球選手の安楽智大選手が大きく報道されていましたけども、安楽選手もセカンドキャリアのチャンスは十分与えられており、日本では無理でも海外でいくらでも野球はできる状態です。報道ではメキシコのリーグ入りを目指しているとのことで、そこは本人も反省して次に向かっているでしょうし、頑張って欲しいなと、どういう形であれ野球を続けて欲しいなと思います。北青鵬に比べたら、好きな野球ができるだけまだ幸せですよ。今回、モンゴル人でありながら北海道育ちの北青鵬がこういう形で報道されましたけども、北海道出身のアスリートで言うと数年前の福岡ソフトバンクホークスに当時所属していた古谷優人投手(幕別町出身)が同僚の高価な私物を盗んで自由契約となった時の方が衝撃でした。たった一度の過ちが、一気に周りの信用を失っていくんだって、罪に軽い重いはないですけども、北青鵬に比べたら明らかに軽い一度きりの過ちなのに一発退場となってしまうこのご時世。当時は私自身本当にショックでしたけども、今、ご本人は何やってるんでしょうかね?古谷投手も当時は北青鵬と同じくらいの年齢でした。解雇されたあと一切情報がありませんが、世界のどこかで野球を続けていて欲しいなと、そう願わずにはいられませんね。