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これは…カイの声だね…

どうしてだろう…カイはまだ喋れないのに
すごく上手に喋る声が聞こえる事がある
決まって僕が具合が悪い時に…

僕がどうしても眠くて怠くて起きられない時は
"僕はまだ起きないよ、オムツもお腹もまだ大丈夫だからね" と伝えてくれる

仕事が立て込んでご飯を食べるの忘れた時も
"お腹すいたよ、一緒にご飯食べようよ"とかね。

こんなの、誰も信じてくれないよね
だから誰にも言ってないんだ。

翔君は僕が一人でカイを産んだ事にすごく心を痛めている。
確かに…心細かったし、怖かった
翔君に逢いたくて逢いたくて
泣いてしまった事だって何度も…
だからといって翔君を恨めしく思った事なんて一度もないのに

だからだと思う…僕が少しでも体調を崩すと翔君の方がどうにかなっちゃうんじゃないかと思うくらい心配してくれるんだ。

少し位の不調は翔君には内緒にするんだけど
どうしてだか…僕が誤魔化しきれそうにない時、必ずカイも熱を出す。
カイを診てもらう時に僕も診てもらうのが当たり前になってる
まるで、僕を受診させる為にカイは熱を出してるんじゃないかと疑うくらいだ…


多分…本当にそうなんじゃないかな


だって…僕は、奇跡を信じてる。

僕に起きた奇跡

一つじゃない。

海斗が生まれて来てくれた事も奇跡

翔君と結婚出来たのも奇跡

僕は…奇跡の中で生きている。

僕が生まれた事自体が奇跡の始まりなんだ。


さっき…松兄に抱っこしてもらっていたカイから
とても悲しい声が聞こえて来たんだ


ちゃんと伝えてあげなきゃいけない


僕の "声" で。


そんな悲しい事を思わせてごめんね
僕の愛情が足りなかったんだね...

ちゃんと、伝えるから


待ってて...