松岡先生に抱かれている海斗は傍目には元気でいつも通りに見える


智「…カイ!」

海「ぁとちゃん!…ぉおくん!!」

まだ"智" と "翔" がちゃんと言えなくても可愛いから敢えて正さずにいたら今も母音強めな発音のままだ。

先生に下ろしてもらいテトテト…音がしそうな足取りで歩み寄ってくる

左側に首を傾けてニッコリ笑って、もう一度

あ〜と、ちゃん!」

そのまま、こっちに歩いてこようとするけど…

弟がまた、海斗に何かするんじゃないか…
俺の心配を他所に…海斗は弟のそばに居た智君のところまで歩いて行った

智君が海斗を抱きしめ

智「カイ?どこもイタイタない?」

うん!と大きく頷き智君の頬を小さな両手で挟む。いつもの海斗。

智君もいつもするように、こめかみにキスをして座ったまま抱き上げた。



ついさっきまで、弟に静かなにだけど強い敵意を見せていた智君が、急に気を緩めたように見えた

二人に気を取られて気付かなかった…


弟が…



とても優しく海斗を見て微笑んでいた事に。





智「…ごめんなさい…僕は勘違いしていたよね…。

ありがとう…助けてくれて…」


智君が弟に言った...



翔「え?どう言う事?」