2017.10 フィンランド・ヘルシンキ 初秋とデザイン 2日目 その2 | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

ひやりと冷たい空気が漂いはじめた、10月初旬のフィンランド・ヘルシンキ

静かで密やかな緑の公園をお散歩して、秋を感じる旅。

*その1~Autumn color~はこちら

 

ヘルシンキの街の南端に位置する、カイヴォプイスト公園

ぐずついたお天気ではありましたが、この曇り空は、秋から冬に向かう

ヨーロッパの風物詩でもある気がします。

小雨に時折傘を差しながら歩く、海沿いの公園の道。

 

木の生い茂る草地から抜け出すと、すぐそこは凪いだ海。

 

 波止場。

 

内湾であるヘルシンキの海はとても穏やか。止まっていると思えるくらい。

公園沿いの海岸通りには、何隻ものクルーザーが留まっていて、

シーズンを過ぎ、静かに眠っているところ。

おそらく個人所有のものかと思います。すごい、一度乗ってみたい…。

対岸の小島に建つのは赤い別荘。憧れるような生活。

 

海沿いをしばらく歩き、再び公園のなかへ。

とても広い、整備されたお庭の美しい風景に出会います。

 

 洋館と庭園。 

 

芝生と道の織りなす糸のような紡ぎに、ほのかに色づく秋の木々、

そして先に真っ赤に染まった、丸みを帯びた洋館の屋根。

人工も自然もなく、すべてが調和した絵画のような風景に、見とれてしまう。

一匹の犬を連れた地元の方が、この道をすぅっと横切るのさえも素敵。

時々さえずる鳥の声以外は静寂が支配していて、湿った空気を吸い込むだけで

目に見える世界すべてを抱きしめられてしまいそうに感じる、愛しい空間。

 

そして振り向けば、丘の先がまだ続いていることが分かる。

黄色くて小さな丸い建物は、宇宙を見る天文台。

 

 星の夢。

 

ウルサ天文観測所という天文台です。

これだけ空の広い公園なので、晴れていればたくさんの星々が観測できるでしょう。

大仰でなく、ちょこんと丘の上にたつ可愛い天文台です。

 

この坂道を登り切れば、その先は平らに広がるフィンランド湾。そして小島たち。

光の差す絶景。

 

 初秋の海。 

 

丘の上より、きらきらと鈍い光を放つ秋の海。

もっと晴れていれば遠くまで見渡せそうですが、曇りの空は

海と溶けてしまうので、境目はあいまい。それもまたよしですが。

潮の匂いとか、波音とか、そういう海の主張はまるでなくて、

ただ静かに、そこにあるべくしてあるというように、横たわっている。

 

丘の先は岩場になっていて、海面付近まで降りていくこともできます。

砂の浜ではなく、石がコロコロと転がっているような場所。

波は確かに寄せているのに、音は遠いような、不思議な海岸線。

 

 黄色いボート。

 

フィンランド湾には小島がいくつも浮かんでいます。

木々の合間に、コテージのような建物がちらりと見え隠れ。

夏の間の、もうひとつの家といった感じ。とてもいい生活!

黄色いボートが湾を横切っていく。鮮やかなバナナ色。

オフシーズンとなり、静けさが戻るこの季節に時を忘れてベンチに座り

ぼーっと海を眺めるのも良いものです。

 

再び森の中へ入り、別のルートで元いたトラムの停留所を目指します。

途中でも様々な秋の色に会えました。

 

赤色の落とし物。 

 

真っ赤に色づく大きな葉は、この季節の花形。

今にも風に飛ばされそうな儚さと、最後の命のきらめき。

手を伸ばせば届くのに、触れてはいけない気もして、そっとその場を去る。

 

こちらは公園の奥にある、ナイトクラブ。

夏のシーズンには屋外ライブがあったりするみたいです。

今はひっそり、次の出番まで英気を養う時間。

 

 秋に染まる。

 

周りの木々が色づいて、段々と秋に染められていく。

白い三角のテントだけが、まだ夏を残している。

これもやがて、冬の冷気に覆い尽くされていくのでしょう。

 

公園の出口付近に、2つのモニュメントを発見。

ひとつは、なぜか日本にも通ずる熊の噴水。

 

収穫の図。 

 

今まさに魚をゲットせんとする熊の図。

これ、北海道のおみやげで見かける、鮭をくわえた木彫り熊の30秒前の姿

っていう感じがすごくて、思わず撮ってしまった…。

どうやら開いた魚の口から水が湧き出てくるようなのですが、今はそれもストップ。

フィンランドでは熊は神様のような神聖な生き物だったりもするのですが

どことなく日本人も理解できる概念みたいなものが存在する気がする。

 

もうひとつは、象徴的なこれ。

 

 独立100周年。

 

フィンランド共和国の独立記念碑です。

1917年、ロシアの統治から独立宣言をしたフィンランド。

ちょうど2017年で100周年という節目の年を迎えました。

こちらは日本にいると、最初から国があったから、独立という感覚は

なかなか直接感じることはできませんが、今の国が作られた日というのは

国の人たちにとってはとても大切な瞬間ですね。

カイヴォプイスト公園は、独立よりも前に作られているそうなので

今のフィンランドを最初から今日までずっと見守っています。

 

まだ午前中だけど、よく歩いた。

トラムの停留所で、次の行き先の番号を待つ間、

ここのトラムの道がとても素敵なので、ぱしゃり。

 

黄金色の石畳。 

 

秋色風景、やっぱり素敵です。

建物の色や並び、デザインもとてもすっきりしていてフィンランドらしい。

こんな真っ直ぐな道を、緑色のトラムが走ってくるまで待つ、その楽しさは

ヘルシンキっ子の醍醐味です。

住みたくなっちゃうな。

 

次回は街中でのショッピング、マーケットホールでごはん、

さらに午後からはヘルシンキの北へと移動して、あの工場へ向かいます!

ヘルシンキ生活を満喫。

*その3~autumn dishes~はこちら

 

 

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