近所の小さな小さな植物園で見つけた夏への入口。
見たことのない生き物たちの活動を
ひそかに見つけたときの喜び。
*その1~初夏の花~はこちら 。
本当に、カメラがあっても2、3時間で十分すぎるほどの
大きさの赤塚植物園ですが、
まだまだ発見があります。
四季の道から階段を降りて、水辺の生き物たちが棲む場所へ。
まだ少し早い蓮の花、その向こう側にお目当てのものが。
この時期でしか見られない姿の、「ハンゲショウ」です。
おしろい。
その名の通り、この初夏の時期だけ、葉の一部が白く
絵の具を重ねたかのような色合いになります。
これが見ごろだというので、来てみました。
真逆の季節なのに、霜が降りているようにも見えて。
とても不思議な気持ちになりました。
綺麗ですね。
漢字では「半化粧」、「半夏生」とも。
日本語の素敵な語呂合わせ。
「半夏生」は「夏至」などと同様に、時節の言葉としても使われます。
この時期にしか会えないと言われると、また翌年も
会いに行きたくなってしまいますね。
赤塚植物園にはメインの植物園のほか、
「万葉・薬用園」という、万葉植物・薬用植物が中心に育っている
エリアもあります。
しゃがんで見つけた、青空色の小粒。
露の色。
ツユクサですね。
この青色とても好きなんです…
また、草の下で、静かに、ひっそりと可憐な花を
咲かせている姿がとてもいじらしい。
見つけるとちょっと幸せな気分になります。
こちらは少し、紫がかった日本の色。
藤色の星。
桔梗です。
秋の七草に数えられていますが、
なんとなく、夏に咲いているイメージが強い。
この透明感のある青紫、とても上品で素敵です。
あとは、低い木々に囲まれて、近づくことを許されなかった
気高い花。
くれないの姫。
緑のなかでひときわ目を引くのに、
自分なんかが手を伸ばしても届かない、高嶺の花。
見惚れてしまいます。
遠くにかすんで見えるのに、はっきりと目に焼きつく姿。
憧れの対象。
色彩の豊かさも含めて、たくさんの命を見つけられました。
夏にきらめく生きる姿は、とても真っ直ぐでかっこいいです。
さて、植物園をあとにし、次の目的地に向かいます。
実は、ここ板橋・赤塚には、東京で一番、日本でも三番目の
あるものがいるのです…
それが、「東京大仏」!
乗蓮寺というお寺さんに、奈良、鎌倉に次ぐ大きさの
大仏様がいらっしゃいます。
前のお二人に比べて知名度はそこまでないかもですが…
東京にも大きな大仏様がいるんですね。
植物園から乗蓮寺までは歩いてすぐです。
徳川の三つ葉葵の紋が迎えてくれます。
木のぬくもり。
お寺の境内はそこまで大きくはないのですが、
綺麗にされていて、心地の良いところです。
緑がいっぱい。
大仏様は、本堂のお隣に坐しておられました。
奈良や鎌倉の大仏様の大きさを想像してくると、
かなりこじんまりして見えるかもしれません(笑)
あれほどの大きさではありませんが、それでも見上げてしまうほど
大きいです!
さらに、ここの大仏様は黒い色です。
深くて安心する色。そして微笑み。
手を合わせたあと、写真を撮らせてもらいました。
手向けの花。
あえての横向きですが、この写真が一番雰囲気があったので。
とても穏やかな休日の昼下がり、音もなく静かな境内に、
東京大仏のご加護があるような気がしました。
奈良・鎌倉の大仏様を訪れたことのある方は、
ぜひ三番目まで制覇しに、東京大仏にも会いに来てください!(笑)
その後は、歩いて区立美術館へ。
というのも、ここでやっていた展示が見たかったのです。
絵本の世界。
板橋区と姉妹都市である、イタリア・ボローニャの絵本原画展で展示された
作品が、ここに期間限定で展示されるというので行ってきました。
淡いタッチで描かれた原画は、決してふわっとした内容ではなく、
子供にも分かるのに、大人には違うことを考えさせるような
深い内容のものでした。
絵本は、絵や言葉がシンプルな分、
時として大人向けの本よりも語るものが多かったりストレートだったりします。
その世界観には惹かれるものがあります。
鉛筆の下書きのあと、絵の具の混ぜ具合、クレヨンの力強さ。
表現方法もさまざまで、正解はなく、
そこに自分が伝えたいこと、表したいことが出ていればいい。
不思議な世界。
芸術作品に触れると、自分の意識もどこか違う次元に誘われるようです。
そんな体験をしつつ、この日はおしまい。
いろんなものに出会った日でした。
たまには、家の近くの散歩も良いものです。
見つけようと思えば新しい世界はいつでも迎えてくれます。