真っ白く深い雪に覆われた、東北山形の旅。
冬の厳しさと、静寂さに潜む不思議な力を感じつつ
山寺を何とか無事に下山しました。
すでに昼時もすぎ、そういえば生きることに必死すぎて
何も食べていないことに気づき(笑)
気づくとお腹が正直に鳴るので、何か食べることに。
お寺をおりて、民宿やお食事処がちらほらと並ぶ通りを歩きます。
平日の昼間だったので、お客さんも全然いないし、
開いてるか開いてないか分からないお店がいっぱい。
一軒の小さなお家に入りました。
おじいちゃんとおばあちゃんがお二人で切り盛りしているらしく
開いているというので入れてもらうことに。
お二人とも、お昼時をすぎてご休憩中のようで
お茶をずずーっと啜ってらしたので
ちょっと申し訳ない気もしつつ…。
メニューを見ていたら、室内の暖かさにホッとしてしまって、
安心したら無性に甘いものが食べたくなったので
ずんだ餅を注文しました。
疲労回復。
お餅というよりは大きなお団子という感じです。
その上に、こんもり盛られた枝豆のすりつぶし。
これ、たまりません。大好き。
甘すぎず、でもほのかに甘い。豆の甘みと香り。
仙台で初めて食べたときは、ずっと食べてました(笑)
これは日本人ならではの、上品な甘味ですね!
初めて作った人に感謝したい。
お腹も満たされたところで、ふとお店の奥を見ると、
段こそ2段でしたが大きくて立派な雛壇が飾ってありました。
おばあちゃんが、この時期には地域で雛壇を飾って
お祭りをするというイベントがある、と教えてくれました。
写真を撮ってもいいですか、と聞くと快く了承してくれたので
触れないように気をつけて、何枚か撮らせてもらいました。
美しく温かい瞳。
自分の家でも、お雛様を飾るなんて何年もやっていないので
懐かしさと同時に、このお雛様とお内裏様の優しい表情は
改めて眺めるととても素敵だなと思いました。
穏やかに微笑む二人はとても幸せそうで
昔は彼女たちに成長を見守られていたんだなぁ…としみじみ。
十二単の紅がとても綺麗でした。
天井からはつるし雛が揺れて。
おまじない。
ひとつひとつのモチーフに意味をこめて、手作りするんですよね。
お花や桃の実、子供など、たくさんの小さな飾りが
いろどり豊かにゆらゆらと揺れて、これも素敵です。
ひな祭りと言えば女の子のお祝い、
女の子が喜ぶような繊細でかわいい習慣ですね。
お礼を言ってお店を出たあとは、山寺駅へ。
山寺駅にはちょっとした展望所があり、そこからも山寺の全景を
見渡すことができますよ。
駅はあまりひと気がありませんでしたが、
雪の中にじっと佇む駅舎は、やっぱりどこかホッとしますね。
人を待つ。
駅前のポストも、誰かが誰かへ宛てた手紙を繋ぐべく
じっと待っているのかなぁと思いました。
さて、JR仙山線でいったん山形駅に戻り、
そこからはバスに乗り込んで、蔵王を目指します。
樹氷を見に行くのは翌日ですが、お宿を蔵王で取ったので。
蔵王といえば、もうひとつの名物は温泉です(‘∀‘)
山寺~山形は電車で20分、山形~蔵王はバスで50分程度。
徐々に日暮れの時間がやってきて、バスは山道を登り始め。
車窓から見える夕日は遮るものがなく、
薄赤いインクを空に混ぜたような色合いです。
溶け合い。
感嘆のため息が出るほど。
この日は一日大変な思いをしたので、生きててよかったと実感。
バスを降りたあとは、ホテルまでがんばって
蔵王温泉街を歩いてみます!
シーズン真っただ中のスキー客の方とたくさんすれ違いました。
道も、雪や氷に覆われた場所が多くて
なかなか歩くのは大変でしたが、温泉街だけあって
お土産屋さんなども結構充実していて、楽しめます。
真冬の黄昏、あっという間に太陽は沈みます。
最後の陽。
まるい太陽のあたまだけ、木々の間に眩しく見えて、
次の瞬間には消えていきました。
空も徐々に青を取り戻し、その青も深くなっていく。
ホテルまでの道のり。
夜への誘い。
このときの空は、いつまでも見ていて飽きないですね。
自然の作り出す色合い、これも大好き。
やっとホテルに到着し、部屋で靴を脱いで荷物を置いたら
ぱったりとベッドに倒れ伏しました(笑)
この日は「松金屋アネックス」さんに泊まりました。
天然温泉の眺望風呂と露天風呂があります!
蔵王温泉は、強酸性なので入るとちょっとピリッとします。
それが汚れを分解して溶かしているのかなんなのか、出たあとは
つるつるになります。
確かに、眺めがよくて、この日何度目かの「生きててよかった」を
味わいました(笑)
露天も、深い雪の中で入れるのでとても気持ちがいいですよ。
お湯で雪を溶かして遊んでました。
温泉を堪能したあとは、夕食です!
せっかく久しぶりに夕食の出る宿に泊まったので、カメラ持参で。
蔵王料理!
地元の食材を使った和食御膳です。
蔵王牛のステーキやら、山菜の天ぷらやら、
美味しいものが次から次へと。
特に、写真には写ってないですが、「からから汁」という
お味噌汁に豆板醤を加えた蔵王名物料理がとても美味しくて。
お昼もちゃんとは食べていなかったので、夢中で食べました。
満足満足。
1日で雪国のあれもこれも、いろいろと体験したこの旅。
とりあえず、雪の上での歩き方のコツが少しだけ分かってきたところで
2日目は、いよいよこの旅の本目的、蔵王樹氷を見に行きます!
*2日目~蔵王樹氷へ!~はこちら 。