価値観との戦い 2 | 教育のチカラ
2008年03月17日

価値観との戦い 2

テーマ:セミナーやります!!

講師として一番大変なことは


受講生に学びたいと思わせること



受講生なんだから、学びたいと思っているに決まっているだろ!!


というのは事実じゃない。


学ぶ意欲旺盛の人だけの前で研修ができる確率はうんと低い。


まあ、新入社員研修とか選抜研修などは

比較的会社の目を気にする分、意欲は高い(ようにはふるまう)


でも

中間管理職になると

自分のやり方に、かなり自信やこだわりを持っている人が多くて、

学ぶ意欲こそ表明していても、

本当は自分とあわないものは受け入れられない、という場合が多い。


また、

事務局がすごく意欲的だけど、受講生はそうでもない

ということも時々ある。


これは、

受講生が、事務局の顔を立てて参加しているときに顕著なんだけど

表向きは優等生のような受講態度。

でも

気が緩むと

「実は学ぶ気なんてあまりないんだよ」

という本音が出てくる。


こういうのも

講師としてはかなりハードな状況だ。



今回も、

事前準備段階ですごく迷っていた。



事務局はやる気がすごくある。

面倒見の良い、思いのある責任者のSさんが

たぶん、相当我を通して実現させたセミナーのように思えたから。


もちろん彼は心の底から、良かれと思ってやっている。

私も、彼の考えに賛同して、彼のために引き受けた。


でも、

そんな思いは、誰もが平等に理解できるものではない。


彼が熱くなればなるほど、

その思いに絆されて言うことは聞くけど、

だからと言ってその意図を理解できているとは限らない。



もう一つ、

懸念材料があった。


それは受講者の年齢


平均年齢が35歳を過ぎていた。


これまでの経験上、

この年代は、なかなか新しものを受け入れられない。

自分が否定されることをすごく恐れる。


だから、あまり強い刺激は禁物なのだが、


事務局のSさんは前ふりで

「みんな五十嵐講師に丸裸にされるのを覚悟しろ」

みたいなことを言ってまわる(笑)


当然、彼らは構えてしまう。

裸にされて、

ゼロから自分を再構築できる人なんてそもそも少ないし、

この世代ならなおさらなだ。


Sさんなら、前向きに反応できたことでも

たいていは

嵐がすぎるのをそっと待つか

下手したら、

「やれるものならやってみろ」

小さな反発心が芽生えてしまうことだってある。



今回も、

そんな雰囲気を感じた。


誰もみんなの前で裸になんかされたくないし、

裸を見たいような他のメンバーもまだいない。



学びたいという気持ちは嘘じゃないと思うが、

突っ込んでみれば、

「それもそうだけど本当は仲良くできればいい」

くらいで、

裸になるより、

服を着たままで、楽しくお酒を飲みながら語り合おうよ、

という本音が見えてくる。


それは

仕方ない。


そもそも、

そのイベントやその集まりに何を期待しているのかは

人それぞれ。


講師は

彼らのスキルを上げてあげることはできるけど、

価値観を変えることはなかなかできない。


いや、

価値観を変えようと思ったら、

彼らのスキルなどには一切触れずに

講演家のように「感動話」をするか、

彼らが変われるに十分な時間をかけるだろう。

少なくとも

彼らの価値観に働きかけようと思ったら、

数時間では無理だ。



さて、

価値観と戦うのは思いのほか大変だ。


でも

その大変さを分かった上で、

今回も正面からぶつかっていったつもりだ。


本当なら、抵抗にあわないように、

上手くかわしながら、進めていくところだけど、

今回は

企業研修ではない。


テクニックよりも、

気持でぶつかって欲しいと

期待されている相手だ。


だから、

多少のコンフリクトも覚悟の上で、

今回いろいろ背負い込んでもこのセミナーを実現させた

Sさんの思いに応えたつもりだ。



Sさんは、気配りのできる、

優しい男だ。

(詰めのところで甘い面があるが。。。)


基本、相手のために動いている。


そのことにまずリスペクトできる。



それに、


私は

彼が師と仰ぐ人に恩がある。


そして、

彼に対しても恩がある。


だから

彼がやりたいことは、応援してあげたい。


それが多少の抵抗にあうようなことで

彼が厳しい役をやれないなら、

私がその役を代わりに引き受けてもいい

とさえ思う。


そう思わせるだけの

「気」

が彼にはある。


だからこそ、

思ったことも言える。


彼の頑張りと、

彼の覚悟に期待して、


次回も思いきりやれたらいいと思っている。