韓国出張に行きたくない10のつづき。

やっと飲み会が終わった。

オレは「これでやっとホテルに帰れる」と思い、うれしくなった。

日本から一緒に来てくれたMKさんに帰りの電車を聞いたら、こんな返答が返ってきた。

MKさん「僕、これから梨泰院(イテウォン)に寄ってからホテルに帰ろうと思うんですが、**さんどうします?」

オレ「いやあ、一人で地下鉄に乗ってホテルに帰れる自信がないので・・・」

泣く泣くオレも梨泰院に寄って帰ることになった。

地下鉄で梨泰院に移動した。

梨泰院はクラブやレストランが立ち並ぶ、高級そうな歓楽街で、MKさんはもしや女性のいる店に寄って帰るのかと怖気づいた。

オレのクレジットカードの限度額が超えてしまい、ホテルの滞在料金を払えなくなったらどうしようと、怖くなった。

MKさんはどんどん進んでいく。

そしてとある時計屋の前に立った。

中に入ると、小太りの店主が出てきた。

店主「アンニョンハセヨ~!」

MKさん「こんばんわ。ロレックス見せてもらっていいすか?」

店主「はいはい、では奥へどうぞ。」

なぜか、奥の小さな小部屋に案内され、ドアを閉められた。

なんだ、なんだ?ロレックスを買わないと監禁される店か?

なぜ、MKさんは自らこんな店に入ったのか?

オレは疑問符で頭が一杯になった。

そこから、商談が始まった。

店主「これ、サブマリーナ。こっちはデイトナ。」

店主「3万でいいよ。」

MKさん「3万は高いな。2万5千円にならないですか?」

オレ心の声(ロレックスって、100万以上するよね?何?3万円って?ああ・・偽ロレックスか。)

MKさんはその後いくつかの(偽)ロレックスを見せてもらい、店主と交渉して、その中の1つを買っていた。

買ったことで、監禁部屋から外に出ることができた。

MKさん「友達に韓国のロレックスを買ってきてと頼まれちゃって・・・。」

MKさんは店の位置も店主との交渉も手慣れた感じだった。

偽ロレックスを日本に持って帰って大丈夫なんだろうか・・・?

(調べたらこの当時はまだOKだったらしい。今は関税法でNG)

オレはなんだか大人の世界を垣間見た気がした。

つづく。