ALK融合遺伝子とは？肺がん治療を飛躍的に進めた「特徴」を解説_3H公式ブログ

こんにちは。３Hメディソリューション株式会社公式ブログ担当です。

今回は、肺がんなどの治療において非常に重要な「ALK融合遺伝子（アルクゆうごういでんし）」について、その特徴と治療法を分かりやすく解説します。

ALK融合遺伝子とは？

私たちの体を作る設計図である遺伝子は、通常、決まった場所で決まった働きをしています。「ALK遺伝子」もその一つで、普段は細胞の増殖などを調節しています。しかし、何らかの原因でこのALK遺伝子がちぎれ、別の遺伝子の一部とドッキングしてしまうことがあります。これが「ALK融合遺伝子」です。

がんの「増殖スイッチ」が入りっぱなしに

この異常な融合遺伝子ができると、細胞に対して「増殖し続けろ」という間違った指令が常に出し続けられる状態になります。この強力な増殖スイッチが、がんの発生や進行の直接的な原因となります。この特徴は、日本人の非小細胞肺がんの約3～5%で見つかり、タバコを吸わない方や比較的若い患者さんに見られることもあります。

ALK阻害薬という「特効薬」

このALK融合遺伝子という強力な特徴を持つがんですが、幸いなことに、その働きだけを狙い撃ちする「ALK阻害薬」という分子標的薬が開発されています。このお薬は、がんの増殖スイッチだけをピンポイントでオフにすることができます。そのため、非常に高い治療効果が期待できます。

検査で「特徴」を見つけることが重要

ALK融合遺伝子があるかどうかは、手術や検査で採取したがん組織を調べることで分かります。ご自身のがんがこの特徴を持っているかを知ることは、アレセンサやローブレナといった、最も効果が期待できるお薬を選択するために不可欠です。肺がんと診断されたら、まずは主治医と遺伝子検査について相談することが大切です。