救急車は走り出すまでが長いのですが、走り出せばあっという間に病院です。
我が家から車で30分ほどの大学病院に10分ほどで到着すると母は治療室へ運ばれていきました。
染井と父は薄暗い待合室で待っていると、母の携帯が鳴りました。
母の職場からでした。
職場の人「もしもし? 利用者様から連絡があって、染井さんが来ないって言ってるんですけど?」
染井「すみません、母が倒れて救急搬送されたところです。連絡が遅れて申し訳ありません」
職場の人「えっ?! 染井さんのお母さんが?!」
染井「いえ、私は娘です。染井○○(母の名前)が救急搬送されました」
職場の人「…あれ? この携帯…?」
染井「母の○○のものですが?」
職場の人「……(困惑)」
うっかりしてました。
染井は母とどうも声が瓜二つのようでして、電話だとしょっちゅう間違われます。
職場の方を軽い混乱に陥れてしまいました(;^_^A
職場の人「…え~っと、 大丈夫なの?」
染井「まだ運び込まれたばかりなので、なんとも言えないのですが」
職場の人「わかったわ。状況がわかり次第、連絡してね?」
しばらくすると医者に呼ばれ、脳梗塞であることを説明されました。
母の病歴やらアレルギーの有無やら輸血の経験、更には出産に関して聞かれました。
父はパニックっていたのか、記憶が曖昧だったのか「妻は流産したことがある」と口走っていました。
結論から申し上げますと、母は流産していません。
初産の時に産院で「お腹の子は死んでいます。早く出した方が良いでしょう」と死産宣告を受けたことはあったそうです。
しかし、3日3晩泣き続けて4日目の朝に胎動を感じたため、別の産院に行ったところ「生きてますよ?」とあっさり覆されて無事に産まれたのはこの染井だからです(笑)
父の記憶力の無さやいい加減さは今に始まったことでは無いので、もう何も言いません┐(´д`)┌
閑話休題。
医者から質問攻めのあと治療方針の説明をされ、数枚の同意書にサインをしました。
父は老眼で細かい字を読むのも書くのも苦手なので染井が片っ端から署名して、こんなに母親の名前を書いたことはいまだかつてないぐらいに母の名前も記入していきました。
続く