生命の尊厳と苦の滅却

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今週はノーベル賞 医学生理学賞を日本人の本庶佑 京都大学

特別教授が受賞され日本中が盛り上がりました

 

新しいがんの治療薬「オプジーボ」の開発がノーベル賞を射止め

たわけですが、これは、がん細胞を攻撃する免疫細胞の仕組み

に注目し、ブレーキをかけるPD-1というT細胞表面蛋白を発見し、

免疫療法として実用化の道を開いたことが大きく評価されたの

ことです

 

 
 

 

従来の切除手術、放射線、抗がん剤などの薬物療法に、第4の

選択肢が生まれ、抗がん剤治療よりも身体への負荷が軽くまた

比較的安全ということで注目を浴びています

 

しかしながら、万能薬ではなく、販売元の小野薬品では、効くと

いわれる肺がんへの諸例で、がん縮小の効果が認められたの

は2~3割で、逆に進行した例も5割弱あるとのことです

副作用も個人差がありまだ未知数な面があります

 

本庶氏は、今度は世界中でその効果のみられない患者諸例に

焦点を当てた研究が進むことを期待されていました

 

日本人の2人に1人ががんと診断され、また3人に1人ががんで

亡くなる時代、がん患者にはとても明るい光を照らしたことには

間違いありません

 

厳しい絶望的な診断結果に、藁にも縋りたい気持ちはよく理解

できます

 

現在は、三大治療やこの免疫療法、代替医療、緩和医療など、

患者自身の選択に任されています

 

身体に大きな負担をかける手術や抗がん剤治療を選ばず、

また、自由診療は多額の費用が必要で、放置療法や緩和ケア

医療を選ばれる患者も少なくありません

 

いつ自分に襲ってくるかと戦々恐々と感じている方も少なくな

いのではないでしょうか

 

では、がんに罹るのを防ぐ薬はあるのでしょうか?

 

特効薬なぞはもちろんありません

 

多くの患者はがんになってから慌てふためき、がんと闘い、

徹底的に排除しようと試み、また時には自身の天命を恨んだ

りします

 

がんは治る、治らない、また、悪の根源で、苦しみ、死に至る、

といった二元的な捉え方をされがちです

 

しかしがんは、他人の異物ではなく、自身の細胞のひとつの

変化形です

 

つまり、保有者自身ががん細胞の責任者であり、また自身が

治療薬になるとも言えます

 

自分のがんは人に治してもらうのではなく、自分で治せる力

をひとは本来有していると思います

それを短絡的にこの方法で、とは勿論言えません

 

ご自身でがんを克服したり治した方のお話を聞いて、それを

そのまま真似ても、自分にそれが効くという保証は勿論あり

ません

 

免疫力を高めればがんにならない、と単純に喝破するのも

早計です

 

しかし、免疫力向上は大きなキーワードと言えそうです


頭では何となく理解していても免疫力ってどうやって高めるの?

と思ってしまいますよね

 

科学的、医学的な証明は困難かもしれませんが、恐らく日常

の生活のなかに答えがありそうです

 

私たちは日々、悩みを抱えています

全く悩みなんてない、と言い切る方もいるかもしれませんが、

多くのひとは、心に何らかの悩みや苦しみを抱えています

 

悟りを得たお釈迦様は、私たち人間が抱える苦しみを

 「四苦八苦」 と表現しました 

 

生れる苦しみ、
老いる苦しみ、
病になる苦しみ、
死の恐怖の苦しみ、
愛する人との離別の苦しみ、
求めるものが得られない、思い通りにならない苦しみ、
恨み憎しみのあるものと出会う苦しみ、
自分自身では肉体と精神が制御できない苦しみ、
 
悩みを引き起こす苦しみは、
自分の心が生み出している幻想だ
と悟ったのです
 
それは欲に伴う執着が原因だということに気付くことが
大切です
執着が苦しみを生んでいることに気付くことが大事です
 
ひとは本来無一物
生れる時も死ぬ時の裸です
 
ひとは自分の得たものに囚われ、そして手放さすことを
怖れ、拘ってしまいます
 
そこからペインが生まれます
 
思い切り手放すと楽になります
 
ひとが抱える苦痛(ペイン)を別の角度から分類すると、
 
1)肉体的苦痛、
2)心理的苦痛、
3)社会的苦痛、
4)スピリチュアルペイン
 
があります
 
つまり、
 
身体に抱える痛みや支障、
心に抱える悩み、不安、苛立ち等、
仕事や過程、会社で抱える問題、
生きることへの問いや死に対する恐怖などの苦しみ、
 
を抱えているわけです
 
場面場面で各苦痛が出ては隠れ、また、それら全体
を通しトータルペインとして苦しむわけです
 
このようなペインを取り除きたい、と努力するのは無駄
です
 
生きていくなかで常に伴う現象なのです
 
苦しみの存在を知り、自分を許し、他人を認め、自他の
違いを理解し、そして自分を客観的に見つめていくこと
が、大切です
 
手放し、こだわらず、自由に、あるがままになることです
 
それには自分と静かに向き合う時間を作ることも大事です
 
空海の著書「般若心経秘鍵」にこうあります
無辺の生死(しょうじ) 何(いかんが)よく絶つ
唯(ただ)禅那(ぜんな)、正思惟のみあってす
 
「=ひとは無限に繰り返す生死の苦をどのようにして
絶てばよいのか?それはただ般若の徳である”禅定”と、
文殊の徳である”正しい思考”とによるだけである」 
 
自分をみつめる瞑想をするだけで、心が落ち着き、
自分自身を客観的に観る訓練にもなるのです
 
 
がんと向き合う苦しみ、辛さを和らげることにも、
また、がん予防に対してしても、
日常で活かせる未病対策なのです
 
私が臨床宗教師として緩和ケアのお手伝いをさせて
頂いている大阪の病院の緩和ケア週間イベントで、
11日(木)に講演をさせていただきます
 
 
 
合掌
 
 
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