甘露(アムリタ)は何処に

テーマ:

死は誰もがいずれ迎える現象ですが、

常に恐怖の存在であり、

死に目を向けることを避け、

死を克服したいとさえ願いました

 

古よりひとは永遠のいのちを求め、

不老不死を望んできました

 

紀元前の古代インドでは、アーリア人による

サンスクリット語のヴェーダという聖典があります

その中の、主に神々への讃歌が収められている

「リグ・ヴェーダ」にソーマという神格が出てきます

 

ソーマとは神酒です

インドラ神(仏教では帝釈天)が好んで飲んだ神酒

であり、祭事には祭火に注がれる、ソーマという植物

から作られたと考られている飲み物でした

 

インドラ神に捧げるソーマ酒は、人々を士気高揚

させ、さらに不老長寿にする効力がある、

と考えられました

そしてそれは「アムリタ」と呼ばれました

 

インドでは、

「ア」 は不(否定)

「ムリタ」 は死

 

「ア・ムリタ」 で「不死」と解釈されているそうです

 

さらにこの語源にはギリシャ神話にも関わって

いるとも考えられています

 

「プシューケーとエロース」の話で

人間の美しい女性プシューケーは、

神エロースとの禁断の波乱万丈の恋の果てに、

ゼウスより神族として迎え入れられるのですが、

その際に「ネクタル」や「アムブロシアー

という不老不死の飲み物を与えられます

「アムブロシアー」は不老不死の食べ物とも

されています

このアムブロシアーは、アムリタの語源とも

考えられています

 

余談ですが、ここで出て来た

「プシューケー psyche」 という語は、

「心理学 psychology」 の語源で、

心や魂を概念として表しています

 

インドの創造神話に「乳海攪拌」という

有名なエピソードがあります

 

その昔、阿修羅(アスラ)との戦いに負けた

神々がブラフマー神に助けを求めました

 

ブラフマー神は、ヴィシュヌ神に協力を請う

よう勧めました

 

ヴィシュヌ神曰く

「阿修羅に協力してもらって大海を攪拌し、

アムリタを産出しなさい

阿修羅にはアムリタは渡さないのでご安心を」

 

教えに従い神々はマンダラ山を攪拌棒として、
これにヴァースキ竜(大蛇)を巻き付けて
引綱とします
 
かくして、次々と様々な宝が出始めます
やがて、アムリタを手にした医神ダヌアンタリが
出てきます
 
ヴィシュヌに祝福されている隙に、阿修羅は
ダヌアンタリからアムリタを奪います
 
しかし美女に変身したヴィシュヌが奪い返し、
神々に与えます
アムリタで力を得た神々は阿修羅を地下に
追放します
 
阿修羅は本来悪者としての存在でしたが、
仏教に取り込まれた後は、
「毒を持って毒を制する」
という護法善神の仲間入りとなりました

 

アムリタは中国に伝わると、甘露と呼ばれ、

不老不死の甘い霊薬になります

 

紀元前3世紀に中国全土を統一した

秦の始皇帝は、不老不死の仙薬を求め、

見果てぬ夢を持ちました

 

始皇帝に信頼を得た徐福が、

東の海の向こうに、仙人の住む三神山があり、

不老不死の仙薬(甘露)があると進言します

 

始皇帝から許可を得て求宝の旅に出かけ、

手ぶらで戻った徐福が、再び始皇帝を

説得し、良男良女、技術者一同3千人を

引き連れ出航しますが、再びの帰国は

ありませんでした

そして、日本各地には、数多くの徐福伝説

が残っており、恐らく日本に上陸し、日本の

礎に少なからず影響を及ぼしたと言われ、

また神格化もされています

 

 

物部氏の祖先神ニギハヤヒ命のルーツが

最初に若狭湾に上陸した徐福一派の

天孫族(渡来人)だという説もあり、

とても興味深いです

 

不老不死の仙薬、アムリタが見つかったかは

もちろん不明です

 

アムリタ・甘露=不死 の意義から、

釈迦牟尼が悟りを開いたときに

「不死を得た」と説いたことから、

仏教は「甘露の法門」とも言われています

 

この言葉は、

阿弥陀如来の真言や陀羅尼にも出てきます

 

原語は「アミターバ=無量光」

「アミターユス=無量寿」

で西方浄土に坐す仏様です

 

小咒(真言)

「オン・アミリタ・テイゼイ・カラ・ウン」

=甘露の威光あるものに帰依したてまつる

 不死をもたらしたまえ、円満したまえ

 

大咒(陀羅尼)

「ナウボウ・アラタンノウトラヤヤ・・・・

アミリティ・アミリトドバンベイ・アミリタ・

サンバンベイ・アミリタ・ギャラベイ・アミリタ

・・・・・・・」

 

この陀羅尼には「アミリタ」が十回出てきて、

十甘露咒とも言われています

 

それゆえ、阿弥陀如来は甘露王如来

とも呼ばれています

 

阿弥陀如来の真言、陀羅尼を唱え続けると、

甘露の世界(極楽浄土)に入れる

と信じられてきている訳です

 

甘露煮やカンロ飴では・・・(笑)

 

合掌

 

 

 

カウンセリングは六大燈