プロが教える、日常に役立つ秘書実務知識~言葉~
ほめて頂いたり、感謝されたりした際に、
つい口をついて出てくる言葉。
『とんでもない』・・・思いがけない、恐縮です。。
などという意味ですが
『とんでもございません。』は、
実は文法的に間違っています。
ただ、あまりにも長く、多くの方が間違ったままお使いになっているので
今でも、よく耳にします。
しかし残念なことに、秘書検定2級の問題としてよく出題されますので
まだ市民権を得ていない言葉遣いの一つなのです。
何が悪いのか、例を使って説明しますね。
まず、
とんでもない が原型です。
これは
あぶない
少ない
などと同じ仲間の言葉です。
それぞれを否定形にすると
とんでもない ➡ とんでもな くない
あぶない ➡ あぶな くない
少ない ➡ 少な くない
それぞれ 「な」 まで変化しない言葉ですね。
とんでもな・い という形容詞なのです。
でありながらなぜ、「とんでもない」 という言葉だけ、「とんでもない」
の 「ない」 の部分を、「ない」の丁寧語である、「ございません」や「ありません」に変えてしまうのでしょうか。
あぶない の 「ない」 を 「ございません」 に変えて、「あぶございません。」
少ない の 「ない」 を「ありません」 に変えて、「少ありません。」 とは言いませんね。
だから、『とんでもないです。』 が正解です。
少し前に、《○○さんは、とんでもさんだった》。。などという表現をした本の題名もありました。
『な』はどこに行っちゃったのでしょうか。。。。って話です。
「とんでもないです。」で十分の受け答えなのですが、
もし、どうしても ”ございます”、などを付けたいときは、
『とんでもない事でございます。』という表現があります。
むつかしい言い回しですが、美しい響きですね。
リッツカールトンでは、さり気なくおっしゃっていました、さすがですね
私の学生にこの事を教えたら、次に会ったときにとっても嬉しそうに、
使ってくださいいましたが。。
「とんでもない事でございません。」。。。。って、
どっちなの~~~
間違えるくらいなら、
とんでもないです。
余裕かませたら、 があったら、
とんでもない事でございます。
お間違えのないように
では、今日もよい一日を。