4月1日。
大原野神社のあとは、こちら、十輪寺さんです。



大きな桜、なりひら桜というそうです。



在原業平が隠棲したと言われるお寺さんなのですって、それで、こちらはなりひら寺という別称をお持ちのお寺さんです。

この桜は、業平に因んで、ということでしょうが、樹齢は200年くらいと推定されるそうで、代々受け継いできた桜でしょうか。



お参りをして、ぐるっと本堂の後ろを巡っていくと、満開の桜を上から眺めることができます。







本堂のお屋根は、珍しい鳳輦形、お神輿のお屋根の形です。
お椀を被せて裾を翻したような形。



業平の墓。



天皇の孫でありながら、政権を藤原氏にほしいままにされ、愛した女性までも奪われてしまった業平、この地に眠っているのであれば、この本堂と桜とをどのような気持ちで見ているのでしょうか。






業平が塩焼きをしたという塩竃。



藤原氏に生まれたがために、業平を愛しながらも兄達にその仲を引き裂かれ入内せねばならなかった二条の后、彼女が大原野神社に参詣する時はこの塩竃から煙をあげて想いを伝えた、と伝承されています。

勿論、二条の后、藤原高子さんが、業平にどんな気持ちでいたのか、という真実はわかりません。
私達は、伊勢物語の「東下り」に通ずる一連の、「芥川」やら「関守」やらで、そうであろうと偲ぶだけですが。



閑話休題。

桜です。

満開の時期を過ぎ、若緑の葉が出てくる風情も美しいと思うのですが、、




軒の向こうの桜がまるで被さっているような、、、

枝垂れた花、葉、見どころありと思います。


このお庭、中庭は、三方普感の庭というそうです。
三方何処から眺めても良し、という作庭なのですって。
奥が高くなっており、遠近法でしょうか、奥行きを感じさせます。
そしてそこに桜あってこそ、なのですね。




こちらの寺務所で御朱印をいただいたのですが(あまり書いていませんが、お参りのお寺社では必ず頂いています)、見開きの美しい御朱印、この時期ぴったりの業平の「世の中に、、、」が見開きいっぱいに金で書かれているものがありました。

寺務所の方が、盛ん(過ぎるほど)にお勧めになりましたが、その御朱印はお断りしました。
歌のお手があまりに、、、爆笑





見事な桜、お庭も美しく、業平のエピソードも偲ぶことができます。
しみじみとした情趣あるお寺さんでした。