パリの画材店兼画廊の店主ジュリアン・タンギーは
印象派など新進の画家に好意的で、
絵具など画材をツケで譲ったり、画家の作品で支払いを済ませていました。
タンギーはゴッホの良き理解者でした。
ゴッホはタンギーの肖像画を3枚描いていて、1枚目の作品が出展されています。
Vincent van Gogh
《タンギー爺さんの肖像
/Portrat of Julien Tanguy》
47.0cm×38.5cm Jan 1887
Oil on canvas
(C)Ny Carlsberg Glyptotex,Copenhagen
茶色がベースのオランダ時代の色彩です。
その後の2点の肖像画は今回の展覧会に出展されていませんが、
私の好きな作品なので、比較を兼ねて紹介します。
すっかり作風が変わった2枚目。
Vincent van Gogh
≪タンギー爺さんの肖像
/Portrait of Père Tanguy≫
92 cm×75 cm Summer 1887
Oil on canvas
(C)Musée Rodin,Paris
背景が浮世絵で構成されている点に注目です。
描かれている背景は、以下と推測されています。
左中央…二代目歌川豊国 『三世岩井粂三郎の三浦屋高尾』
左下…作者不詳 『東京名所 いり屋』
中央上…歌川広重 『富嶽三十六景 相模川』
右上…歌川広重 『東海道五十三次名所図会 石楽師』
右下…渓斉英泉 『雲龍打掛の花魁』
残り1点は解明されていません。
お世話になっているタンギー爺さんと惹きつけられる浮世絵の組み合わせ。
ゴッホは自分が良いと思ったことに積極的に取り組むタイプだったのでしょう。
3枚目の肖像画
Vincent van Gogh
≪タンギー爺さんの肖像
/Portrait of Père Tanguy≫
65 cm×51 cm Winter 1887
Oil on canvas
the collection of Stavros S. Niarchos
背景に浮世絵と西洋画の額が混在しています。
そして浮世絵の人物の表情がはっきりと描かれています。
タンギー爺さんはどれがお気に入りだったのかしら?


