早速、続きです。
岩手県山田町の皆さんと子供たち、ご当地ヒーロー・マブリッドキバさんとの交流
【マブリッドキバ Google+】より
(続き)
そして、女の子とオレは再び優子さんのところへやってきた。
「本当にいつも気にかけてくれてありがとうございます」
と頭を下げる。
「いいんですよ!こちらこそ、いつもお疲れ様です、
また会えますよね?体を大切に!」
と見送ってくれる。
もう大丈夫だろうと安心して、女の子にバトンタッチをして、会場の外に出た。
そして、最後の握手になり、オレは会場の外で女の子を待った。
しばらくして女の子が笑って走ってきた。オレは、笑顔の女の子に驚いた。
女の子はオレに笑いながら、最後の握手のことを話してくれた。
「私が、もうこれで今日は最後です、ずっと応援してますって言ったら、
優子さんがね、いきなり顔をさわってきて撫でてくれて、
笑って言ってくれたんだよ。
『笑うとね、えくぼが可愛いよ、笑顔がいいよ、また会おうね』
そしてね、後ろの人が時間ですって言っているのに、
優子さんはね、ずっと笑ったままで手を離さなかったんだよ。
すごく嬉しかったよ。
キバさん、わたし笑った方が可愛いって言われちゃったよ」
オレは、
「そうかい、そりゃ良かったな!ちょっとお祝いにジュース買ってくるわ!」
って言って離れて、自販機のところに行って泣いた。
優子さんはわかっていたのだ。
女の子が心から笑えないことを瞬時に見抜いたのだ。
自分に出来ることとして、わずかな時間で女の子の心を開けてくれたんだ。
女の子は待っていた両親に、せきを切ったように握手のことを話した。
ご両親は、
「こんなに笑って、よほど嬉しかったんだね。優子さんに感謝しないとね」
と、笑いながら涙ぐんで、オレに何度も礼を言ってくれた。
女の子はお土産にAKBバッグと優子さんの推しタオルを買って、
嬉しそうにみんなと一緒に帰り道を歩いていた。
女の子は笑って、
「優子さん、優しかったよ。笑顔がいいねって言ってくれたんだよ。
手を離さなかったんだよ。焦っちゃったけど、嬉しかった」
って何度も話してくれた。
オレは震災から今までのことが頭をよぎって「そりゃ良かったなぁ」て、
言うのが精一杯だった。
女の子が笑顔で言う。
「また優子さんに会いたいなぁ…どうしよう、頑張らないと!」
こうして、岩手県のAKB48全国握手会は、山田町の子供たちや親御さんが、
それぞれメンバーさんにお礼を言ったり、握手したりして無事に終わった。
その後の親御さんの報告では、女の子や子供たちは見違えるように笑って、
一家もすごく明るくなったそうだ。
子供たちや女の子は、今度からは自分でファンレターを出すよ!って、
わざわざ報告してくれた。
AKB48グループの皆さんが、山田町を訪問してくれて一年半、
正直被災地はどうなったかといえば、あまり変わっていないかもしれない。
オレ自身、津波で家が跡形もなく流されたが、そのまま荒地になっている。
復興は被災地の人々の意思があってこそ、優先され、
それに基づいて望む形で行われるのが一番だと思う。
しかし、被災して失った人がいきなり未来を考えて動くなんて正直難しい。
だからこそ、心の元気と笑顔の種があって、
そこから芽吹かせて復興する意思が育ち、未来を創って行くのだと思う。
復興は長くなる。おそらく今の小学生や中学生に受け継がれるだろう。
大人として、子供にそんな荷物は残したくない。
今は明るい未来で子供たちが羽ばたいていけるように、
大人たちが街を作って行かねばならない。
大人たちは忙しくなる。だからこそ、子供たちには一番の夢を見て欲しい。
AKB48グループのメンバさんに出会う。
それが子供たちにとってどれだけのことか。
オレは子供たちのそういう目線を決して忘れては行けないと思った。
これが、優ちゃんの笑顔のパワー。
優ちゃんの笑顔を見ていると、誰もがその魅力に引き込まれて、
いつのまにか自分も笑顔になっているんです。
震災の辛さから笑顔を失った女の子の心に、笑顔の火をともした優ちゃん。
他にも同じようなエピソードを聞いたことがあります。
ある日、小学生の子供を連れて、握手会にいったお母さんがいました。
子供は不登校だったそうですが、優ちゃんが優しい笑顔でその子の顔を撫でて、
よく来たねと優しく声をかけてくれたそうです。
次の日、なんとその子は元気に学校に行き始めたそうです。
本当にすごい子なんだよね、優ちゃんて。
まだ続きます。次回もよろしくです(*^^)v