サイレントマジョリティー

NHK Eテレの教養番組に「100分de名著」というのがある。毎週一回25分ずつ放送して4週一ヶ月で100分かけて一冊の本の解説をしてくれる。
 

7月は吉本隆明の「共同幻想論」であった。面白かったです。
 

日本大学危機管理学部教授の先崎彰容先生による解説でした。
 

戦後、最も難解な本に挑む。
 

私たちは、情報社会≒<共同幻想>にどう対峙すればいいのか
 

1968年、敗戦体験による自身の問題意識から著された本書は『古事記』や『遠野物語』を介し、己の感受性で国家の起源と本質をつきつめてみせた。「人はなぜ信じてしまうのか」という問いに深くとことん向き合った戦後最大の思想家、吉本隆明による格闘の記録。

戦時中、軍国少年であった吉本氏は日本が戦争に突き進むことを是とする考えの肯定の中生きていた。終戦・敗戦、価値観は180度転換されて、戦後民主主義が生まれる。終戦から18年。世の中は戦後最後の政治の季節と呼ばれる時代にあった。労働争議や安保闘争・反戦運動、全共闘世代による学生運動、吉本氏もその渦中の政治運動に参加し、本書は学生らの熱狂的な支持を受けたと同時に難解な書物として知られる。

テレビでは四回に分けて『焼け跡から生まれた思想:戦争体験から』『<対幻想>とはなにか:国家とは、エロス的関係である』『国家形成の物語:刑法の成立』『<個人幻想>とはなにか:人間関係の相対化の方法』の視点から読み解いている。
以上:NHKテキストより一部引用。

そうした中わたしが凄く感銘を受けたのが第四回放送の中で語られた『沈黙の有意味性』の中から生まれる「裂け目」の思考の部分だ。
 

沈黙の有意味性を今の言葉で言ったら「サイレントマジョリティー」かなと想ったこと。
 

静かなる大衆、「物言わぬ多数派」声なき声。ただ黙々と自分の生活者としての営みをおくっている大多数の世間の人々のことだ。
 

声高に政治を叫ぶ代議士さんの選挙は今もあるが、実際の社会は物言わぬ大衆、静かなる人々が己の生活を社会を守るために、働く営みの上に成り立っているのだ。社会の多くは静かなる大衆によって支えられているということだ。

アメリカの時の大統領ニクソン氏が「偉大なるサイレントマジョリティー」という言葉を使ったとされるが、静かなる大衆の各々がめいめいひとりひとりの持ち場で、立場で、静かにそれぞれの人生・生活を歩むことが大きな意味のある事だと想った。