巻にエース失格の危機2006年10月12日(木) |
頭を垂れるしかなかった。またしてもエースの仕事ができない。格下相手に大量点が期待されたが、巻には“風”が吹かない。後半22分、オシム・ジャパン自身最短となる交代が告げられた。 「とくに…」。ショックの大きさからか試合後、報道陣の問いかけにも口を閉ざして足早に会場を去った。8月16日のアジア杯予選・イエメン戦からオシム・ジャパン入りし、以後すべてに先発しながらも無得点という不振続き。この日は、荒れたピッチに強い6本スタッド(靴底の鋲)の取り換え式スパイクを履いて臨んだが、ボールが枠に飛んでくれない。 前半20分、FW播戸のヘディングシュートがバーに当たり、跳ね返りを至近距離から左足ボレーで蹴ったが外れた。3分後、MF三都主の低いクロスを左足で合わせたが、不発。その後ろに詰めていた播戸が右足で代表初ゴールをゲットする皮肉な役回りを演じた。後半に入っても得点機会は訪れず、5試合連続無得点で交代となった。 まさにエース失格の危機。「FWはゴールだけが仕事じゃない。オシム監督もほかの動きを評価してくれている」。巻は常々こう語るが、“サプライズ男”としてドイツW杯に出場した時とは立場が変わった。期待はゴール。年内の代表戦は11月のサウジアラビア戦のみだが、次戦こそはエースの意地をみせたい。 〔写真:懸命にボールを追ったが空回り。巻はまたまた結果を残せなかった〕 |