「暴れん坊将軍」は最高のエンターテイメントである | 井蛙之見(せいあのけん)

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楽しく話し、酒色に耽り(!)、妄想を語り、ぐっすり眠る。
素晴らしきかな人生!
井の中の蛙 大海を知らず 
されど、空の蒼さを知る
(五十路のオッサン、ロードバイクにハマる。)

今、現在、Bsも地上波(サンテレビ)も「暴れん坊将軍」の1部を放送している。

うちの年寄りなど日に2回視聴していることになる。

人によっては録画してまとめて観る猛者もいる。

このシリーズは全部で10部あり、1978年1月7日~2000年9月8日と

レギュラー放送は22年の長寿番組であった。

「ああ、もう24年も前に終わったのね」というのが正直なところ。

あと、「暴れん坊将軍 最終回スペシャル」(2003年4月7日)、

暴れん坊将軍 春のスペシャル 「将軍生母襲撃! 一途な恋に生きる女」(2004年3月29日)

ドラマスペシャル 暴れん坊将軍(2008年12月29日)

とあり、これからは新しく製作はされていない。

(でも、なぜか仮面ライダーとは共演はしている。

劇場版「 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル」)

 

「暴れん坊将軍」は最初のころは部下の屋敷に勝手に入り込んで素性を偽って

その場で主犯格を殺害するということはなかった。

そのうち、面倒くさくなったのか、お庭番に「成敗!」といってチョコチョコ

斬らせるようになった。

シリーズが進むと、もうどうでもよくなったのか、仮住まいの姫路城(違います)

に呼ばずにほぼその場で成敗し終わるようになった。

 

ちなみに「桃太郎侍」も最初はあのよくわからない般若の面をつけて、会議中の

人んちに入り(なんであんなに派手な衣装なのに誰もおかしいと思わないのだろう。

また、なんであれだけ近くまで寄られているのに誰も気づかない。謎だ。)

「人斬り数え歌」を唱えながら斬るというスタイルではなかった。

あんなもん、どう考えてもテロ行為にしか思えないが「なんか変な奴NOW」

などと思って全員が硬直していると、突然脳内再生されるBGMとともに回りだして

そのあと素顔をさらし、「桃から生まれた桃太郎」などと世迷言を吐きながら

例の「人斬り数え歌」に突入し、惨殺されてしまう。

人によっては最後まで数え唄が聞けず、続きが気になるところなので、さぞ無念だろう。

映画やテレビで高橋英樹さん以外にも「桃太郎侍」はあったがあの皆ゴ〇し

という形ではない。派手な殺陣で有名な桃太郎侍の一番印象に残ったのは

高橋英樹版で皆さんおなじみのものだと思う。

まぁ、あれが一番受ける。

 

話は「暴れん坊将軍」に戻る。

将軍は本身で斬りはしないが、お庭番に斬らせるという形が徐々に定着していった。

物理的にあり得ない方向から相手を正確に捉える、とんでもない飛行性能を持つ

「正義」の文字が書かれた扇子を投げるとか、「主人が呼んだらすぐにでてくる」のに

みすみす庭に入られてしまう屋敷のセキュリティの甘さとか、よくわからないキャッチ

フレーズを照れながら口ずさみ徐々に顔がわかるように近づいてくるとか吉宗のチート能力なのか

不審な行動が目立つが基本「桃太郎侍」方式で部下たちは、つぎつぎと倒されてゆく。

どのみち一キロ以上の金属棒で殴られているのだから無事ではないし、「アレ、死んでるよな」

という当たり方をしているケースも少なくない。でもみねうちで死んでいない設定。

(将軍がみねうちなのは斬られると名誉になるらしいからだそうだ。知らんけど。)

吉宗がとりあえず3~4人みねうちにしたあとにお庭番が待ってましたとばかり

加勢すると彼らにロックオンされた相手は「もれなく皆ゴ〇し」となる。

部下や金で雇われたアルバイトも業務命令とはいえ気の毒だ。

この際、よくみると福本清三さんが同じ回に2回斬られたりする場面もある。

しかし、「暴れん坊将軍」など自分の部下の不正を暴くのだから「全部お前の任命責任だろう」

といいたいところもあるのだが・・・今日の政治ではみられないことだ。(あたりまえだ)

 

「勧善懲悪」とはいえ、権力者が部下の不正を暴き糺す、というのは、あまり海外では

ないように思う。「you are fired!!」(お前はクビだ!!)でお終い。

海外だと、民衆が権力者をうちまかす、といった物語が一般的ではないかと思うのだが?

まぁ、史実を適当にいじったファンタジーなので、「適当な緩さ」が飯などを食っている

ときに観るテレビ番組としてはちょうどいい。

かつて大阪の子供たちが土曜日の半ドン後に帰ってきてインスタントラーメンと飯を

食いながら「吉本新喜劇」をテレビで観ている感じと同じようなものか。

あんまり小難しいテレビ番組はこういう場合は要らない。

山田奈緒子ではないけれど「暴れん坊将軍」万歳だな。