災害時の子どもたちの心に寄りそう為の覚書 | こころとからだ・回復のサポート♪

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精神科看護師から2009年心理カウンセラーに。交流分析士/TFT思考場療法セラピスト/うつ病支援セラピスト/オーソドックススタイルの「こころとからだの回復のサポーター」として決心・実践をしています。


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この国に住む全ての子どもたちを愛してます。子どもたちの心を守るために書きました。
地震が始まって書き始めたのですが、刻々と変わる状況に心が折れそうになりましたが、なんとか書き上げることが出来ました。
多くの被災地の大人たちに届けたいです。ワードで5枚にまとめました。
ここにはそのまま貼り付けます。文責があるのでお渡しする場合はメールでPDFにしてお送りしてもよいです。皆様のご協力をお願いします。
一切の専門用語を省き、一般の人たちにわかりやすいようにまとめました。

webで共有できるようにしましたので、被災地の大人や支援者達がいつでも閲覧できるようにあなたの周りに伝えていただければ幸いです。
        →→http://bit.ly/ggtwl8


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  【災害時の子どもたちの心に寄り添うための覚書】2011・3・20

                           ふくおか「心の回復室・えがお」」
                                  安倍 妙子


人は衝撃的なできごとを体験すると、心や身体に様々な反応を起こします。
特に子どもはまだ心の発達が成長の過程なので大人以上に身体に色々な「ストレス反応」が現れます。
大変な大災害でしたが、これらのストレス反応は、「異常な事態が起きた時に起こす正常な反応」です。
心が正常に機能しているからこそ起きるストレス反応だとまず捉えて下さい。異常が起きたのではなく、とても正常な、ある意味健康的な反応なのです。
だからこそ、健康な反応のあるうちに、子ども達の心をケアしてあげましょう。


ストレスの反応はだいたい一時的なものです。この一時的なもののうちに、このストレスをしっかり受け止めてあげましょう。
大人も同様に衝撃を受けていますから、余裕がないかもしれませんが、子ども達は大人たちが支えです。今、大人たちがどう接してくれるか、心のうちで大人の心を覘いています。
自分はいたわってもらえるのか、愛してもらえるのか、じ~っと、大人の顔色を伺っています。


大人が落ち着いて子どもたちに温かい態度で接していくうちに、子どもたちも少しずつ安定してきて徐々にその不安が治まっていきます。地震からもう1週間が過ぎました。これまでの災害だったら、一週間もすればある程度精神的に安堵できるものでしたが、今回の災害はその度合いを大きく超えています。
大人たちにも余裕がまだ取り戻せていない状態だし、大変な状況ではありますし、大人自身の不安も在るでしょうが、そこを、子ども達のために何とか乗り越えていただきたいです。


早く乗り越えられれば、後々、子どもの心の回復はめざましいものがあります。希望が持てます。
子ども達の脳はまだ大人達のような作りではなくて、生存に関する脳の部分が特化しているので、自分は安全なのかどうかいつもそのことでびくびくしています。
この部分を安定させてあげるためには大人たちのしっかりとしたケアが必要です。
ケアそのものの大部分は「愛」です。
そして「安全」である事を示してあげることです。
「愛」と「安全」はとても大切な子どもへのメッセージです。
ことあるごとに子ども達を抱きしめ、安全であることを伝えてあげて下さい。

※出来れば、ボランティアで「ハグしてあげ隊」または、「抱きしめ隊」なんてできるといいなぁなどと思ったりもします。

このケアは出来るだけ日々続けてあげてください。子どもの元気そうに振舞って見せる状況をつい安心して放っておくと、『大人は助けてくれない』 『自分で何とかしないといけない』という感傷を子どもが内面に取り込んでしまいます。

今回のことでは大人自身も心に傷を受けていますから、まず大人も自身の傷を癒すことが大切です。
深呼吸などを日常に取り入れて落ち着くことを意識の中に取り入れましょう。
子どもと対面する時も深呼吸などをしてできるだけ気持を落ち着けて、ゆっくりお話をしてあげてください。
子どもの心は大人のそのような様子を見ることで少しずつ落ち着いてきます。
とはいえ、大人が自分自身の感情を押し殺す様なことをしてまで子どもと向き合う必要はありません。
一緒の体験を大人たちもしたのですから、子どもと同じように恐怖心はあったと思いますから、その時の感情を無理に押して隠す必要はありません。大人でも感情があふれて涙が出てくることもあります。


大丈夫。この感情は子どもに伝えてもいいのです。
子どもと共にその時のことを感じることはとても大切です。
「怖かったねぇ。」「助かってよかったねぇ。」という感動は、ずっと子ども達と一緒に出し合って下さい。
大人は感情を我慢しなきゃいけないということはこんな大災害の場合には逆効果です。


大人だって怖かった。その気持ちを子ども達と共有する事も必要なことです。
「怖かった。」「でもよかったねぇ」と伝える感覚は大切です。
怖いときや不安なときに大人が傍にいた、あるいは誰かが傍にいてその同じ思恐怖を共有してくれたということが、後々子どもが大人になるときに他者を支えられる人になれるのです。


そういう意味では、ことさらに「大丈夫」という言葉は使い方を間違えないようにしないといけません。
「大丈夫」「大丈夫」と安心させるつもりで言っても、子どもにはまだその意味は理解できない場合が多いのです。恐怖を出しているときは恐怖に沿うように、痛みを出しているときはその痛みに沿うように接して欲しいのです。
子どもの心を置き去りにして「大丈夫」といい続けると、こどもによってはどんなときでも「 大丈夫」と思わないといけないのだと感じてしまいます。

非常時で大人も子ども達の心に寄り添うのは大変なことだと思いますが、でも、大人の皆さん、この国の未来を担う子ども達が安心安全な暮らしが出来るように、頑張って子ども達の心に寄り添っていきましょう。


※【子どもたちは色々な反応を大人たちに見せます。
  次に、必要な基本的な接し方を述べてみます。】※        



●甘える行為が目立ちます。
甘えが出ることは恐怖を感じた後の子どもの行為としてとても自然なことです。
子どもの甘えを受け入れて子どもを安心の中に居させて下さい。
スキンシップ(じゃれあったりお互いにマッサージをしあったりなど)をしながら子どもと出来るだけゆっくり相手をしながら緊張感をほぐしてあげてください。
子どもはこの時間をとても楽しみにして大人に近寄ってきます。安心感を与えてあげてください。大人に安心感をもらえた子は元気になっていき、心も回復していきます。


●食欲がなくなってくる子どもが出てくることがあります。
これも正常な反応なので無理強いをして食べさせる必要はありません。食糧配給が困難な状況を察して食べない場合もあれば、本当に食欲がない場合もあります。
その子の個性によってまちまちですが、「食べないとダメ。」「食べないと元気になれないよ。」などということは、逆にその後の摂食障害につながることが稀にありますから、「そうか、今は食べたくないんだね。」と受け入れ、食べたくなった時に摂らせてあげてください。

子どもは食べない自分を見せることで何かの反応を大人に期待することもあります。「今は食べたくないんだね。食べたくなったら教えてね。」と、かかわりを持ちながら言葉を返すことも大事です。
食べても食べなくても愛されているということを子どもが実感したい場合もあるのです。


●夜中に目を醒まして泣いたりする子には
「寝なさい。」などと急かさず、決して叱らないでください。
子どもにとって安心安全を確かめる手段はたくさん必要なのです。

おねしょにしてもそうです。「出ちゃったか。」くらいの対応で、決して叱らないで下さい。
子どもは不意に泣いたり排泄をしたりしながら、自然に当時の恐怖心を回復させていきます。
さっと対処する程度でいいのです。その分、昼間におおいに子どもとスキンシップを図って下さい。


●身体のあちこちの症状を訴えてくる子どもには
その部位に対して手当をしてあげてください。
手が痛いという子にはその部分をマッサージしてあげたり、頭が痛いといってくる子には情況によっては冷えピタ(または水で濡らしたタオルだけでも大丈夫です)などの処置をしてあげて関わってあげてください。
この場合お子さんが数人いると次から次に子どもが訴えてくることがあるかと思いますが、その様な、大人にとって多忙で大変な状態にならないように、訴えてきた子には、「あっち行こうか。」などと言って、他の子が見えないような場所でそっと処置してあげると、大人も多忙にならないかもしれません。
また、大人と二人きりになる機会があると、子どもはとてもその特別なことを喜んで受け入れます。


恐怖心が強かった子どもほど甘えたくてしょうがないので、時間と空間を見つけて大人に関わりを求めてくると思います。親や大人に甘えようとするその行為そのものが子どもの心を安全に回復させていきます。今この時期にたくさん関わってあげることで、子どもの回復が順調に進んでいきます。
「守られている。」という安心感を子どもに与えてあげることは大切なことです。
大変ですが関わってあげてください。


●子どもが話し掛けてくるチャンスをできるだけ作ってあげるようにする。
子どもが「あのね、」と話しかけるチャンスを大人側が出来るだけ作ってあげることで、子どもは自然に話し出そうとします。その環境作りは大切です。


●子どもが繰り返し恐怖の時の話をする場合も、出来るだけゆったりとした大人の気持の中で聴いてあげて下さい。
聴く側にとっても苦痛が伴うことではありますが、話す側の子も当時の恐怖から逃れたいのです。
「うんうん、忘れたいのに思い出しちゃったね。」
「怖かったよねえ、あの時。」
「あんなこと、もう嫌だよねぇ。」などとしっかり返事をしてあげてください。
繰り返し話しながら子どもは大人の反応をうかがっています。子ども自身が守られているか無意識に確認しようとしています。この行為は嫌がらずに受け入れてあげてください。
「また話したくなったらいつでも話していいよ。」と対応してあげてください。
これを繰り返してあげることで、子どもはさらに安心感を増していきます。


●「自分たちが悪い子だからこんなことになったの?」「○○県だからなの?」などと自分や自分に関わることを理由にして自分のことを責めてしまう。
「これはね、君たちがいい子だからとか悪い子だからとか、そういうことは何も関係ないんだよ。」と、客観的な事実を伝えて、その子の普段の良いところをほめてあげて、自信を取り戻すようにしてあげてください。この場合、今回の災害について具体的な説明をする必要はありません。TVは繰り返しの恐怖感を与えてしまうので見せないほうが安全です。
話を逸らすのではなく、「あなたたちが安全に過ごせるように、大人がよく考えて行動をしているからね。」ということを伝えて下さい。
そしてその言葉の後にはその子の良いところを引き出してあげる言葉かけをしてください。
「歌がとっても上手いんだってね、今度聴かせてね。」
「弟や妹の面倒をよく見てくれてありがとう。」
「ちゃんと自分で起きられるんだよね。」
「昨日は小さい子の面倒を見てくれてありがとう。」など等。


●自分より小さいもの(きょうだいやペット、小動物など)をいじめようとする。
この行為は、本来は被害を受けたことや感じたことに向けるべき不安や怒りを、自分にとっては安全な人やものに向ける行為で、決して珍しい行為では有りません。
もしこれまで下の妹や弟をいじめたりしていなかった子がそういうことをするようになったら、その子どもははけ口が無くて苦しんでいるので、やはりスキンシップの回数を増やし、傍で見守ってあげる必要があります。


●自分たちの受けた恐怖体験を「ごっこ遊び」として再現する。
大人から守られていることを確認したり、安心安全の中に居ることを確認できるようになってくると、子どもたちの中には「ごっこ遊び」と称して、自ら受けた恐怖体験を遊びの中に取り入れてくる子どもが出てきます。これも、自分を安心させようとする子どもの、回復へ向かうための心の素直な行動です。
無理にやめさせるのではなく、遠巻きに見ながら怪我をしたり泣かされたりする子がいないかどうか見てあげてください。
「ダメ!」とその子を叱るのではなく、その子の気持を汲み取る工夫をしてあげてください。
この時期の子どもたちに禁止事項を与えることはよくありません。早くそれらの恐怖から脱出できるように運動やお話、皆で出来るゲームなど、身体を動かしたりして心の中に溜まっているものをアウトプットさせてあげてください。


●これとは別に、やたらにはしゃいだり、あるいは何もなかったように無表情な態度をとる子もいます。
これもその子どもにそのことへの注意を促す必要はありません。
あまりに大きなショックだった場合、子どもの小さな心では受け止めきれずに、どうやっていいのか分らないまま、それでもなんとかしてその子なりの恐怖を消化しようとしている状態です。
また、急に大人びた話しかたをして大人に気持ちをあわせようと背伸びをする子も出てきます。
そのような場合でも、その子が自分で話が出来るようになるまで笑顔で優しく見守ってください。
また、子どもが無謀にとる行動について、顔で叱ったような態度はとらないように心がけてください。
バランスを崩している状態なので受け入れてあげることが大切です。
見守られていると感じると子どもの心は落ち着いてきます。
子どもが自ら、話が出来るようになったらゆっくりと聞いてあげてください。
子どもはきっと、「子どもらしくしてていいんだ」という感覚をまた取り戻してきます。


●また、この時期安全の意味でスタッフや大人たちは突拍子も無い大声や音は出来るだけ気をつけてあげるようにしてください。子どもによっては当時の恐怖がトラウマ化し、大きな音や大きな声におびえることもあります。急に泣き出したり怖がったりした場合は、テレビの音か、画面などで影響を受けたりしていることもあります。周りの情景を見て、環境に配慮してあげましょう。


●子どもたちの反応は個人差がありますが、ここに表したものは大体1~2ヶ月くらいで少しずつ治まってくると思いますが、今回の災害はとてつもなく大きかったので余震の状況や原発炉の不安状況の持続によっては長期間の不安の持続が考えられます。専門医の受診が必要な場合もありますから大人たちは注意して子どもに変化がおきているかどうかを見守ってあげてください。


●遊びやお話し、お絵かき、歌をうたうなどの時間を増やし、全体でまぁるくなるように集まって、隣にお友達がつながっていて相互間の連帯を深めるような交流の仕方を続け、お話や音楽の合間に、「さぁお隣の人としっかり手を握り合いましょう。」などと声を掛け合うようにして、折に触れてふれあうようにしていくとよいでしょう。そしてみんな一緒にいるという安心安全の感覚を確かめ合っていきましょう。


心が回復していくにつれて、みんなで協力し合うことは何かとすすんでお手伝いが出来るようになります。体験を経て心の回復ができ大人達のお手伝いが出来るようになった子どもは、本当にたくましく育っていき、やがてリーダーシップが取れるような人に成長していきます。
大災害に向き合うことは苦しいけれども、その為に得る勇気や優しさは他の子ども達には得られない素晴らしいギフトになれるのです。





以上、カウンセリングをする立場で、一通りお伝えしてみました。
専門的な表現を一切省き、多くの皆さんに解り易い様にまとめてみました。
拙いですが是非共有していただきたいです。


【文章責任】  
  安倍妙子   TFT(思考場療法)アルゴリズムレベルセラピスト 
             ふくおか「心の回復室・えがお」

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