気象系の赤×青さんの妄想小説です
※BL・18禁要素を含みます
※素人の自己満小説です
※男子禁制です♡


それではこれより先は…
ご理解頂ける方のみお進みください








Side S

 






間もなく暁の時を迎える





9合目まで登ってきて頂上まであと僅か!!


ここまで来れば…

もう、一気に登って山頂を目指したい!!





そう思っていたんだが…






ここに来て重要な問題が発覚した












だ!!絶だ!俺は登らねーーーー!!






俺は雅紀たちからの説得には応じず

側にあった木にしがみつき、

現実を受け入れたくなくて……


必死に抵抗していた
 
 



 






え?子供っぽい?
  








そんなの知ったことか!!!





絶対に…





絶対に登ってたまるかよ!!










『翔ちゃん何言ってるの!!ここまで来て、
 引き換えせるわけないでしょ!!』


『そうですよ〜
 もう日の出は間近なんですから、
 いい加減、腹を括りなさいよ……』


{しょお…僕がついてるぞ!一緒に登ろ♪}


「嫌だ嫌だ嫌だーーーー!!!
 絶対無理なんだーーーー!!!!!
 だって見てみろよ!!?」





目視することさえ

恐怖を覚えそうなヤツを指差した






『いや…翔さん以外皆見てますよ?
 ……ただの梯子でしょ?』


ただのじゃねーーだろ!!!あそこの注意書き見てみろ!!5メートルだぞ!!!5メートル!!しかもほぼ垂直じゃね?!あんなの人間が登る代物じゃね〜〜〜




かなり高い岩場に突如現れる


…木製梯子…



それもかなり年季があって…

いつ壊れても変ではない状態なんだ…






『大袈裟だな〜♪こんなの目の前だけ
 見てたらあっという間だよ!!』


『翔くん、ここに居たって方角逆だから
 日の出は拝めないよ?
 学生最後の思い出にするんだろ?
 覚悟を決めなよ!!』


嫌だ〜〜〜〜!!!






なんでこんな時に限って

通常の登山道が通れないんだよ……





山によっては色んなコースがあり

この山を雅紀達と登る時は

デカイ岩がゴロゴと並んだ比較的傾斜や

高さを感じにくい登山道を歩いて行くのに…




雪で岩が完全に覆われており、

足場の確認が困難な為、

一時的に封鎖されていた





さとし…ちょっと……

{んにゃ?……なんだニノ…}

いいからちょっと耳貸して…

{え?…耳は取れねーぞ…}

誰もお前の耳なんかいらねーよ!!
 こっちにこいって言ってるの!!

{も〜ネコじゃないんだから、きちんと
 人間の言葉で分かるように話せよな♪}
 
…………






三人が何か集まって話した後、

ニノがさとしを呼んだ…




絶対、さとしに何か入れ知恵吹き込む

つもりだろ!?

その手には乗らね〜〜

さとしになんと言われても…

無理なもんは無理なんだから…






「おい!ニノ!!!さとしに何か
 させようたって無駄だからな!!」


『翔さん、マジでここを超えたら
 あと少しで頂上なんだよ…
 俺達がついててやるからさ』


『翔ちゃん、後ちょっとだけ頑張ろ!?
 全員揃って見ようよ!!』



「ゔぅ〜… 皆には悪いんだけど…
 俺には、こんなに高い梯子…無理!!
 だって見ろよ!!!ここだけ木がなくて
 見晴らし良すぎんだろ?落ちちゃうよ…」


『手を離さなければ落ちないよ〜♪
 も〜〜翔ちゃん…
 なんでこうも高いところ苦手なのかな〜』




なんだよッ……悪いかよ……

高い所苦手なんだから仕方ないだろ!?


絶対無理なんだよ……



『でも翔さん、
 昨日婆ちゃん言ってたじゃん!
 小さい頃は木によく登っては
 隠れるのが上手だったって…』


「それいつの話だよ〜〜
 皆んな、ガキの頃は
 怖いもん知らずのようなもんだろ…」




そう言われてみれば…

こっちに住んでいた頃は、

遊ぶものも何にもなかったから…

家の屋根に登って叱られたり、

そこそこ高い木にも怖がらず登ってたよな





この間、夢?を見た時も木に登って

町を見下ろしてたし…あの黒猫と……



…さとしって呼んでた猫と……


 










しょお!!


おわッ?!ビックリしたぁ
 ……何だよ…ニノからの入れ知恵…
 俺で試そうってのか?」



ボーっとしている間に

いつの間にかさとしが目の前まで来ていた



{イレジエ?……何のことだ?
 …あ!ねぇねぇ……しょお///…あのな…}



ほんのちょっと頬を赤らめながら

俺の耳元まで近寄ってきたさとしに

思わず耳を傾ける…


ゴニュゴニョゴニョゴニョ………
アイシテル……意味…分かった………


へ?!//////……マジ?


{んふふ♪///……だから初日の出見て、
 帰りにさっきの脇道に寄って帰ろ?
 しょおに見せたいモノがあって…
 そこで返事…僕の気持ち伝えるから…///




俺の耳元から離れ、今度は顔が見える距離で…

ふにゃり笑顔でこんなこと言われたら……

いい返事を期待していいってことだよな…///





「…………………」

{…?………しょお?…大丈夫?}




それなら…

……やっぱり目指さなきゃ…だよな…




よっし!!
 皆、何ボーッとしてる?!
 さっさと山頂に行くぞ!!




5メートルがなんだッ!!!!

こんなの軽々と登ってやるんだからな!!





{んふふッ///}


よ〜っし!!
 良くやったさとし!!!


『全く世話が焼けますね…』





先頭は松潤に行ってもらい、

俺は勢いが冷めやらぬまま

二番手に梯子に手を掛けた…





{しょお!!ゴーゴー♪}


「ちょッちょっと?!…さとし!?
 …ゆっくり!ゆっくり来いよ!!
 近づくな!!」






少し間隔を空けて登るべき場所を

直ぐ下に詰めて登ってきては、

俺の靴にタッチしてくるさとしに慌てる






順調に進み、さとしの次にニノが登る頃には

潤は登り終え、上から俺を手を引っ張ろうと

見下ろしてスタンバってくれていた





『いや〜でも翔ちゃんも何とか登ってくれて
 良かったよ…これもさとしのおかげだね♪
 さとし良かったね!!
 これでようやく返事できるね♪』


{んにゃ?}
あッ?!このバカッ!!!



「……え?返事……」



さとしからの返事って……

俺が言った…アイシテルの返事のことだよな





{まちゃき〜ヒミツありがとな///}

『あ〜…こっちもか…』




何でその事を雅紀が

…よかったな〜……になるんだ?


それって…

…事情を知ってる人の台詞…だよな…








「…は?…え?は?///…もしかして!?」


このバカコンビ〜〜!!!

『あ〜〜…バレちゃったね…』





何?潤とニノのセリフだって…

全部知ってる奴の言う台詞だよなぁ///




「さとし!?///
 ……皆んなに聞いたのか?//////」




ふたりだけの秘密って言っただろ!?

何で皆んなが知ってるんだよ…



思わず足元にいるさとしを見た





ああ?!翔くん!!
 下見たらダメッ!!!





慌てた俺がいけなかった…



…直ぐ下にいるさとしを見るつもりで

つい自分がいる所が高さ5メートルの梯子の

頂上付近に居ることを忘れていたんだ……




俺の視線の先にいるさとしから…



…潤の声をきっかけに…

その背景に目を向けてしまった…







へ?………うぅ……
 うゎあああぁあ⁉︎



ガタガタガタッ    
      ゴトゴトゴトッ

しょおッ!?危ないッッ!!
 …ッッ//………ゔぅッ………}



危ッねぇーー!!!
 翔くん落ち着いてッ!!!
 上だよッ!!俺見て!!!
 もうゴールだよッ!!!



へッ!?あッわわわッ…
 じゅッ…潤!!…手…引っ張って」


まぁくんのバカ!!
 なんで登ってる時に言うんですか!!』


ごめん!!
 ほんと、ごめんッ!!!


さとし!!翔くんの足!!   梯子に乗せてやって!!
 出来る!?



{ッ///……ぅ…うん!!できる!
 …しょお……大丈夫だよ!!}


ごッ、ごめん…さとしごめん…頼む…




あろうことか足を踏み外してしまい、

俺自身は片手だけ梯子を掴んだ状態で…


幸運にも…

もう片方の手首を潤が掴んでくれて…




片足もなんとか…

どこかに引っかかってくれて落ちずに済んだ



潤に腕を掴んでもらったまま、

さとしに踏み外した足元を

梯子に乗せてもらい…手が震え…





足が竦む中…なんとか残りを登りきった…





ハァハァ……し…死ぬかと思った……ハァ




『皆んな!!翔くん無事だから!!
 どんどん登って!!さとし、大丈夫か?』


{ぅ…うん…大丈夫にゃッ//……}





足がすくんで四つん這いの状態から

未だに起き上がれないでいたが、



俺の次に登っていたさとしの頭が

見えたのでそちらを見た……んだか…


イヤイヤ…見晴らし良すぎだろ…

さとしのうしろ…空じゃん…

…浮いてるじゃん……天空じゃん……



これ…帰りどうするんだよ……

 …ここを俺は………帰れんのか?





さとし、よくやったな!!

{ふわぁ……ドキドキしたぞ……
 しょおッ?大丈夫!?



さとしが駆けつけ

膝ついて声をかけてくれた事にホッと出来て

腰を低くしたままさとしへ飛びついて

腰を抱きしめた



「さとしぃ〜〜〜…助かった……」

{んふふ……頑張ったな……しょお…///
 …ここまで苦手とは思わなかったぞ?
 怪我はにゃい?}


「ゔぅ……無い……死ぬかとおもった……」



『いや〜〜ビックリ…
 生きた心地がしませんでしたよ…
 …ほら、アンタの責任なんだから
 謝りなさいよ!!』



ニノに続いて雅紀が登ってきて

到着するなり俺に駆け寄ってきた



『翔ちゃ〜〜〜〜ん!!!
 動揺させてごめん!!本当にごめん!!』

「いや…もう大丈夫だから……ってか
 …帰りが心配……雅紀ぃ〜…俺、
 帰れるかな…」



ただただ…

…不安でしかないんだけど…



『アヒャヒャ♪大丈夫大丈夫!!
 行きがクリア出来たんだもん♪
 帰りも大丈夫だよ〜〜♪』


『いや…下りのほうが怖いでしょ…
 …不安でしか無いですよ…』


皆んな!!時間がない!!
 急ごうッ!!!


{しょお?……立てるか?…ハア……



さとしの脚に疼くまる俺に

頭を撫でて優しく声かけてくれる…

 

「あぁ…サンキュ…
   もう…だいぶマシになった…」



さとしのおかげで

落ち着きを取り戻せた俺は

ようやく頭を上げて…起き上がる事ができた




よし!!
 じゃあ行こう頂上へ!!!



雅紀の元気な声が響き渡り

皆で互いを見合い…




最後のゴールを目指して歩みを進めた










つづく⭐︎⭐︎⭐︎