四駒漫画(184):列車の光景-(78)

狭いところに割り込むデカイおしり


文庫41、昭和45年頃

『電車の座席でマスオさんと若い娘さんが座っている間に少しだけの空きがあります。そこへ粋なメガネをかけ、首に派手なスカーフを巻き、ワンピースを着た随分太ったオバサンが、ハンドバックを手にして乗りこんで来ました。オバサンは、少しだけの空きを見つけ、そそくさと近づいてきます』


『オバサンは、その少しだけ空いていた席に、大きいお尻と太った体を割り込ませました。若い娘さんとマスオさんは、堪らず、嫌な顔をしながら体をずらしました。娘さんの隣に座っている新聞を読んでいるオジサンは太っていてドッカと座っています。席をずらして呉れません』


『マスオさんの隣のオジサンは、がっしりと肩幅の広い体格のいい人で、マスオさんの体は、肩に押されて斜めになっています。マスオさんの体は、割り込んだオバサンの方に傾きました。オバサンは嫌な顔をしています』


『遂におばさんはマスオさんの方の顔を睨みつけ「マーずうずうしいそうくっつかないでください」と文句を言っています。マスオさんは、えーそれはないだろうと言わんばかりの顔をしてオバサンを見ています』



サザエさんの四駒漫画です。

電車の座席で、座っている横の狭い空いた席に割り込まれるのは嫌なものです。

そう思っているので、座れそうにない隙間には、遠慮して座らないようにしています。

狭い空きの前に立つと、優しい人達は、席を詰めて座れるくらいの席を作ってくれます。

年老いてきたら、有難く座らせてもらいます。

何時ぞや、こんな事がありました。

カツオ君が電車の中で座っていた席の横に隙間がありました。

その時、そこに太ったオバサンが乗りこんで来て、カツオ君はオバサンに席を勧めようと思い、その隙間を物差しで測り、オバサンのお尻が入らないと判断すると、席を勧めませんでした。

その時のおばさんは、今回のように強引に座るオバサンではありませんでした。

今回は、凄く強引なオバサンだったようです。

マスオさんが座っている横の、自分のでっかいお尻が入りそうにない位の空いた席に、割り込んだのです。

マスオさんの横の他の乗客も詰めてくれない。

その狭い席に座ったのです。

座ってしまえば、太った大きなお尻のほうに勝ち目があります。

マスオさんは、太った体の圧力に負け、身を細くして座っていたのでしょう。

大きなお尻が落ち着くと、マスオさんは、ますます、身の置き場もないようになる。

反対側の乗客を押そうとしても、体格のよい、びくともしないような男。

逆に、この男に肩に押され、か細いマスオさんの体が、割り込んだオバサンの方に傾いた。

その途端、オバサンが、図々しく文句を言った。

くつつくな!

好んでくつついたわけでもないのに。

この種の御婦人は、恥知らずで品格のない人でしょう。

マスオさん、こんなに太ったオバサンを電車の中で見た時は、カツオ君のように席を譲ってあげようと思うことです。

男ですから、立つて居ても良いでしょう。