硫黄島に死す 城山三郎

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23年ほど前

大学を卒業して
初めて就職した会社が
なかなか厳しい会社で

社会と言うのは
厳しいものだと
つくづく思っていた。

今で言う
ブラックな企業で

当時はそんな言葉がなく
しかも
初めて就職したところが
そうだから
社会にでて
正社員で働いている人は
皆そうなのかと思っていた。


そこの
社長の理論としては

オレはお前たちを
月給で雇っている

だから、24時間のうち
いつでも電話で呼び出して
いいんだ

と言うもの。


世間知らずな僕は
なんかおかしいなと
思いながらも

へー
そうなんだと
半ば納得して
しまっていた。

実際、先輩は
夜中の12時に呼び出されたり
していた。次の日、朝から仕事なのに。

幸い
僕の場合は
夜遊びがすぎて
睡眠不足のくせに
毎夜毎夜出かけていたので
社長がいくら電話をかけてきても
留守だった。(当時は携帯電話はない)

すると
社長に言わせると
あいつは毎夜毎夜出歩いて
なにかに取り憑かれとる!
と言うことになり
なんかの指導をされたように
思う。忘れたけど。


幸い
学生時代からバイトの経験も
たくさんあって
いろんな職場を
見てきていたので

これは
なんかおかしいぞ‼️
10ヶ月ほどして
気づき(遅い)

12ヶ月目にやっと

社長の愛人かもと噂される
ナンバー2に盾突き

取り上げられていた
薬剤師免許証も奪い返し
まんまと逃げ出すことに
成功した。



その次に
就職した会社は
普通だったので
天国かと思った。


めでたし
メデタシ
である。



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前置きが
長くなったけど

今回は
城山三郎の「硫黄島に死す」を読んだ。


7編からなる短編集。


第二次世界大戦前後の時代を
生きた人たち

主に軍人たちを
描いた物語である。


当時の軍隊は
今とは比べ物にならないほど
ブラックだったんだろうなと思う。

とくに
少年のころから
理不尽な教育や
意味のない精神論を
刷り込まれると

自分が
やられたことは
やられた通り下に返していく
という
卑怯な人間を作り上げる
ことになる。

意味のない
制裁や暴力の連鎖。

当時ほどひどくはないけど
いまでも
どこかで
意味のない
苦行をしている
人たちがいるんだろうな。

さっさと逃げ出してね。



7つの短編のなかに
「基地はるかなり」と言う
作品がある。

とくに
これが良かった。

特攻から
生き残った2人のその後の物語。

2人の対照的な
人生を描いている。

「生きる」ことを
いかに捉えるかで
こうも人生が
変わってくるのかと
思わせられる。


悲しくて
苦しい物語で

救いがないようにも
思ったけど
なぜか
すごく惹かれる物語だった。

生きることに
過剰な期待をもつことは
ほどほどにしないと、と
思っているけれど

反対に
生きていること
生き残っていることを

過剰に否定的に
捉えることも
慎まなければ
ならない。