私と美紀は、新井教授が亡くなったことに肩を落としていた。
確かに教授は、弱ってはいたが、いきなり亡くなる状態ではなかった。
私と美紀は直感した。
新井教授が何者かに殺されたということを・・・・・・。
私達は葬式の日、今まで見たことがないような、政界の実力者・元首相といった面子から、厚生労働省の幹部・日本中の名医と言われる医者達が、やってきた。
あまりのメンバーに私達は驚愕するしかなかった。
国谷先生は私達に近づいてきて
「恵里ちゃん・美紀ちゃん、辛かったな。
俺も教授の死はこたえるよ。
まだ、あの方が亡くなるには早すぎる。
君達に言っておく。
おそらく、新井教授の死によって、今まで我慢してた連中が、表も裏も動き出す。
特に新井教授が、殺されたと思った奴は、復讐にはしる可能性がある。
もちろん、教唆した張本人に辿り着くのは無理だろうけどな。
君達は巻き込まれるなよ。
それと次の教授は、市原にやってもらうことにした。
市原なら、人格としても人を育てる能力にもたけてる。
君達は、研修として病院に行ける。
どんどん病院で技術を吸収してきなさい。
新井教授のためにもな」
そう言って私達の頭を撫でた後
そのまま、お参りに行った。
市原先生は、誰にたいしても優しく、生徒から慕われ、わからないところを的確に教えてくれて、遅れてる生徒には、丁寧に教え込んでいく。
そういう先生である。
新井教授も、市原先生のそういう面倒見の良さを認めていた。
市原先生はなるべくしてなった教授と言える。
私達は市原先生の授業を受けながら、格闘技の稽古も同時進行した。
そして、ついに国谷先生の予想は的中した。
財務省事務次官が、真っ先に斬り殺された。
そして、そこには売国奴に死をと書かれた紙がおかれていた。
次に経団連会長と幹部達が、ことごとく銃殺された。
同じく売国奴に死をと書かれた紙がおかれていた。
次に狙われたのが、財務省の幹部連中である。
そこには、ゴミは排除すべしと書かれた紙がおかれていた。
同じ時間にやられた事件のため、犯人グループは一人ではないことが、はっきりした。
そして、首相官邸に脅迫状が送りつけられていた。
それは、財務省に権力を握らせないための具体的な方法が書かれていた。
「財務省の権限を弱めるには、天下り機関である無駄な公共投資(政府支出)を根絶することだ」
官僚の権限を本気で奪おうとしているなら、政府支出を減らす政策をするべきなこともわからない無能な政府へ。天下り機関である無駄な政府支出(公共投資)を根絶することこそが唯一の財務省を倒す方法なのだということを理解せよ。つまり、財政運営をわざと悪化させる。その苦肉の策が、財務省から既得権益を奪う唯一の策なのだ。
もし、これをやらなければ財務省の天下りした者を全員殺す!
というメッセージが首相官邸に送られてた。
財務省から既得権益を奪えば、政治家・他の省が財務省に操られることが無くなる。
一時的に国民にこの策は及ぶことになる。
わざと経済を悪化させるのだから、当然と言えば当然なのだ。
財務省は当然、正当な批判を始める。
実際に国民に飛び火してるので、当然と言えば当然だが、政府にとっては計算通りのことなのだ。
財務省の掌の上で踊らないですむ方法は、それしかないのだから。
政府は犯人の要求を呑んだ。
経済のことを本当にわかってる者なら、理解できるが、先を見ることができない者が騒ぐ。
政府にとっては、国民の信頼を失う行為でもあるため、賭けでもある。
だが、本当に国民のための政治をするには絶対にやらなければならないこと。
デフレが本当に脱却できない理由は何故か。
財務省が、消費税を上げる口実をつくるためにわざと、脱却させないということなのだ。
こうして、新井教授の死後、財務省は権力を無くして、権力は人民の政府に戻った。
だが、犯人グループは天下りした財務官僚に容赦なく鉄槌を下したのだ。
適材適所の天下り以外の天下りを二度とさせないために力づくで見せしめにした。
こうすることは、新井教授を殺人教唆した本人にも、間違いなくダメージがいくと犯人グループは読んだのだ。
こうして、新井教授の死後、日本中を震撼させた殺人は終了した。
犯人はまったく証拠を残さない完全犯罪をしてのけた。
美紀は私にこれを解説した。
体が震えた。
人の怒りの凶器というものの恐ろしさを、私は改めてこの事件で知った。
新井教授の殺人が、起こした悲劇、こういう解決しかないの!?
新井教授が、こんな殺人をして喜ぶと思うの!?
私は、心の中で何者かわからない犯人グループに叫んだ。
美紀も涙を流していた。
「こんなやり方しかないなんて・・・・・・」
官僚の娘だからなおのことだろう。
その頃、井原は厚生労働省事務次官に呼び出されていた。
「雲の上の方からの命令だ。
今回の件は捨て置け。
だそうだ」
「つまり、新井教授へのたむけということですか?」
「それだけじゃない。
財務省が力を無くしてくれた方が、動きやすくなるということだ。
つまり、財務省の力を落とさせたのは、新井教授の仇によって力を無くさせるためと思わせて、あの方の部下がやったのさ。
全ての罪を、新井教授を殺した者への恨みの犯行と思わせるためにな。
それに、厚生労働省はこの事件のおかげで力をつけることができるというわけだ。
全てはあのお方の掌の上ということだ」
井原は唖然とした。
「それより、恵里と美紀の稽古はどうなってる?」
「最高の指導者が指導してくれてるようです」
「そうか。それは良かった。
ボスがどういうわけか、あの二人を気に入ってるんでな。
何かあったら困る。
自分の身くらいは守れるようになってもらわないとな」
「それなら、半年後の大会を、見に行ってはいかがですか?」
小山事務次官は笑いをこらえながら
「それもいいかもしれんな」
と返した。
確かに教授は、弱ってはいたが、いきなり亡くなる状態ではなかった。
私と美紀は直感した。
新井教授が何者かに殺されたということを・・・・・・。
私達は葬式の日、今まで見たことがないような、政界の実力者・元首相といった面子から、厚生労働省の幹部・日本中の名医と言われる医者達が、やってきた。
あまりのメンバーに私達は驚愕するしかなかった。
国谷先生は私達に近づいてきて
「恵里ちゃん・美紀ちゃん、辛かったな。
俺も教授の死はこたえるよ。
まだ、あの方が亡くなるには早すぎる。
君達に言っておく。
おそらく、新井教授の死によって、今まで我慢してた連中が、表も裏も動き出す。
特に新井教授が、殺されたと思った奴は、復讐にはしる可能性がある。
もちろん、教唆した張本人に辿り着くのは無理だろうけどな。
君達は巻き込まれるなよ。
それと次の教授は、市原にやってもらうことにした。
市原なら、人格としても人を育てる能力にもたけてる。
君達は、研修として病院に行ける。
どんどん病院で技術を吸収してきなさい。
新井教授のためにもな」
そう言って私達の頭を撫でた後
そのまま、お参りに行った。
市原先生は、誰にたいしても優しく、生徒から慕われ、わからないところを的確に教えてくれて、遅れてる生徒には、丁寧に教え込んでいく。
そういう先生である。
新井教授も、市原先生のそういう面倒見の良さを認めていた。
市原先生はなるべくしてなった教授と言える。
私達は市原先生の授業を受けながら、格闘技の稽古も同時進行した。
そして、ついに国谷先生の予想は的中した。
財務省事務次官が、真っ先に斬り殺された。
そして、そこには売国奴に死をと書かれた紙がおかれていた。
次に経団連会長と幹部達が、ことごとく銃殺された。
同じく売国奴に死をと書かれた紙がおかれていた。
次に狙われたのが、財務省の幹部連中である。
そこには、ゴミは排除すべしと書かれた紙がおかれていた。
同じ時間にやられた事件のため、犯人グループは一人ではないことが、はっきりした。
そして、首相官邸に脅迫状が送りつけられていた。
それは、財務省に権力を握らせないための具体的な方法が書かれていた。
「財務省の権限を弱めるには、天下り機関である無駄な公共投資(政府支出)を根絶することだ」
官僚の権限を本気で奪おうとしているなら、政府支出を減らす政策をするべきなこともわからない無能な政府へ。天下り機関である無駄な政府支出(公共投資)を根絶することこそが唯一の財務省を倒す方法なのだということを理解せよ。つまり、財政運営をわざと悪化させる。その苦肉の策が、財務省から既得権益を奪う唯一の策なのだ。
もし、これをやらなければ財務省の天下りした者を全員殺す!
というメッセージが首相官邸に送られてた。
財務省から既得権益を奪えば、政治家・他の省が財務省に操られることが無くなる。
一時的に国民にこの策は及ぶことになる。
わざと経済を悪化させるのだから、当然と言えば当然なのだ。
財務省は当然、正当な批判を始める。
実際に国民に飛び火してるので、当然と言えば当然だが、政府にとっては計算通りのことなのだ。
財務省の掌の上で踊らないですむ方法は、それしかないのだから。
政府は犯人の要求を呑んだ。
経済のことを本当にわかってる者なら、理解できるが、先を見ることができない者が騒ぐ。
政府にとっては、国民の信頼を失う行為でもあるため、賭けでもある。
だが、本当に国民のための政治をするには絶対にやらなければならないこと。
デフレが本当に脱却できない理由は何故か。
財務省が、消費税を上げる口実をつくるためにわざと、脱却させないということなのだ。
こうして、新井教授の死後、財務省は権力を無くして、権力は人民の政府に戻った。
だが、犯人グループは天下りした財務官僚に容赦なく鉄槌を下したのだ。
適材適所の天下り以外の天下りを二度とさせないために力づくで見せしめにした。
こうすることは、新井教授を殺人教唆した本人にも、間違いなくダメージがいくと犯人グループは読んだのだ。
こうして、新井教授の死後、日本中を震撼させた殺人は終了した。
犯人はまったく証拠を残さない完全犯罪をしてのけた。
美紀は私にこれを解説した。
体が震えた。
人の怒りの凶器というものの恐ろしさを、私は改めてこの事件で知った。
新井教授の殺人が、起こした悲劇、こういう解決しかないの!?
新井教授が、こんな殺人をして喜ぶと思うの!?
私は、心の中で何者かわからない犯人グループに叫んだ。
美紀も涙を流していた。
「こんなやり方しかないなんて・・・・・・」
官僚の娘だからなおのことだろう。
その頃、井原は厚生労働省事務次官に呼び出されていた。
「雲の上の方からの命令だ。
今回の件は捨て置け。
だそうだ」
「つまり、新井教授へのたむけということですか?」
「それだけじゃない。
財務省が力を無くしてくれた方が、動きやすくなるということだ。
つまり、財務省の力を落とさせたのは、新井教授の仇によって力を無くさせるためと思わせて、あの方の部下がやったのさ。
全ての罪を、新井教授を殺した者への恨みの犯行と思わせるためにな。
それに、厚生労働省はこの事件のおかげで力をつけることができるというわけだ。
全てはあのお方の掌の上ということだ」
井原は唖然とした。
「それより、恵里と美紀の稽古はどうなってる?」
「最高の指導者が指導してくれてるようです」
「そうか。それは良かった。
ボスがどういうわけか、あの二人を気に入ってるんでな。
何かあったら困る。
自分の身くらいは守れるようになってもらわないとな」
「それなら、半年後の大会を、見に行ってはいかがですか?」
小山事務次官は笑いをこらえながら
「それもいいかもしれんな」
と返した。